おくすり110番
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成分(一般名) テラプレビル
製品例 テラビック錠250mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗ウイルス剤/NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤/抗ウイルス剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 C型慢性肝炎を治療するお薬です。インターフェロンとリバビリンと併用し、原因ウイルスを排除します。
作用

【働き】

肝臓病のおおよそ9割はウイルス性です。とくに、B型とC型ウイルスによる慢性肝炎が問題となります。慢性肝炎になると、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長いあいだに一部が肝硬変へとすすみ、さらに肝臓がんに至ることもあります。この流れを絶つこと、あるいは遅らせるための治療が重要です。とくにC型ではウイルスの排除を第一に目指します。

このお薬は、C型肝炎ウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。適応となるのは、日本人に多い遺伝子1型のC型慢性肝炎で、そのウイルス量が多い場合です。また、他の治療が無効または治療後再発した1型と2型にも適用します(ウイルス量が少ない1型および既存の治療法で効果が得られやすい2型には初回治療として用いません)。

治療にあたっては、単独ではなく、持続型インターフェロン製剤のペグインターフェロン(ペグイントロン)と別の抗ウイルス薬のリバビリン(レベトール)と併用します。この3剤併用により、抗ウイルス作用が相加的に強まり、C型肝炎ウイルスを排除できる可能性が高まるのです。ウイルスの消滅はC型慢性肝炎の治癒を意味します。

【薬理】

C型肝炎ウイルスの複製にかかわるプロテアーゼ(NS3-4Aプロテアーゼ)という酵素を阻害することで、ウイルスの増殖を強力に抑制します。とくに遺伝子1型(ジェノタイプ1型)に対する抑制作用が強いようです。そのような作用機序から、プロテアーゼ阻害薬(HCV NS3-4Aプロテアーゼ阻害薬)と呼ばれています。

【臨床試験-1】

1型でウイルス量が多い場合の既存療法である2剤併用療法と、この薬を加えた3剤併用療法の効果を比べる比較試験がおこなわれています。3剤の内容は、新タイプの持続型インターフェロン(ペグイントロン)と抗ウイルス薬のリバビリン(レベトール)、それとこの薬(テラビック)です。

参加したのは、C型肝炎のうちでも難治な1型(主に1b)ウイルス量が多い未治療の患者さん189人。このうち126人はこの薬を含めた3剤併用療法を6ヶ月間(テラビックは3ヶ月で終了)おこない、別の63人は従来の2剤併用療法を1年間つづけます。効果の判定基準はウイルスの持続的な陰性化率(SVR率)です。ウイルスの陰性化はウイルスが消滅し、ほぼ治癒したことを意味します。

その結果、3剤併用療法をおこなった人達のウイルス陰性化率は73%(92人/126人)、2剤併用療法では49%(31人/63人)でした。3剤併用療法により、治療効果が高まり、治療期間の短縮もできたわけです。また、既存療法のあとに再燃した患者さんを対象とした別の臨床試験では、陰性化率が88%にのぼりました。さらに、既存療法で無効だった症例においても34%の陰性化率が示されています。

【臨床試験-2】

2型に対する臨床試験もおこなわれています。参加したのは、インターフェロンなどによる治療後に再発した2型のC型肝炎の患者さん108人です。比較試験ではありませんが、持続型インターフェロンと抗ウイルス薬のリバビリン、それとこの薬(テラビック)の3剤併用療法により、88%(95人/108人)という高いウイルス陰性化率が得られました。また、インターフェロンを含む既存治療が無効な2型の患者さんを対象とした別の試験においても、50%(5人/10人)の陰性化率が示されています。
特徴
  • 第一世代のプロテアーゼ阻害薬(HCV NS3-4Aプロテアーゼ阻害薬)に分類される抗ウイルス薬です。単独ではなく、3剤併用療法としてインターフェロン(ペグイントロン)とリバビリン(レベトール)といっしょに用いる必要があります。
  • 難治なウイルス量の多い1型のC型慢性肝炎の初回治療例および再治療例において高い有効率が示されています。このため、そのような症例に対しては、この薬をふくめた3剤併用療法が治療選択肢の一つとして推奨されています。その後、2型に対する効能も追加されましたが、この場合は従来の治療法が無効、または再発した場合に限ります。
  • 効果が高い半面、従来の2剤併用療法に比べ、副作用の出現率が高く、また重症例が多いことがわかっています。とくに皮膚障害と腎機能障害には十分な注意が必要です。最近は、安全性が高い第二世代のプロテアーゼ阻害薬(ソブリアード、バニヘップ等)に処方が移っています。
注意
【診察で】
  • 妊娠出産の予定のある女性、あるいはパートナーにその予定のある男性は、医師に申し出てください。
  • 心臓病や痛風、貧血、うつ病など、持病のある人は医師に伝えてください。
  • 使用中の薬を医師に教えてください。飲み合わせの悪い薬がたくさんあります。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解しておくことが大切です。

【注意する人】
  • 妊婦中または妊娠の可能性のある女性は使用できません。併用薬のリバビリン(レベトール)に強い催奇形性の心配があるためです。
  • 肝機能障害がひどいときや肝硬変が進んでいる場合、使用を控えることがあります。また、B型肝炎ウイルスに重複感染している人は、その再活性化に注意が必要です。
  • 心臓病や貧血のある人など、病状によっては使用できません。腎臓病、高血圧、糖尿病のある人、高齢の人は、腎機能の悪化に注意するなど慎重に用いるようにします。場合によっては開始用量の減量を考慮します。
  • 重いうつ病など精神症状の思わしくない人は、使用を控えることがあります。
  • 高齢の人は肝臓がんになりやすいので、3剤による治療を積極的におこないウイルスの排除をめざします。ただし、腎機能障害や貧血、めまい、味覚異常をはじめとする副作用がでやすく、また重症化しやすいので注意深く用いるようにします。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

いろいろな薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、薬の副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうこともあります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • 併用禁止の薬に、不整脈の薬のアミオダロン(アンカロン)やフレカイニド(タンボコール)、プロパフェノン(プロノン)、ベプリジル(ベプリコール)、キニジン、安定剤のピモジド(オーラップ)とブロナンセリン(ロナセン)、エルゴタミン製剤(クリアミン、ジヒデルゴット、メテルギン、エルゴメトリン)、睡眠薬のトリアゾラム(ハルシオン)、コレステロール低下薬のシンバスタチン(リポバス)とアトルバスタチン(リピトール、カデュエット)、勃起不全治療薬のバルデナフィル(レビトラ)、肺高血圧症治療薬のシルデナフィル(レバチオ)とタダラフィル(アドシルカ)などがあります。肝臓病または腎臓病のある人では、痛風やベーチェト病の治療に用いるコルヒチンも禁止です。併用により、これらの薬の代謝が遅れ、重い副作用を起こすおそれがあるためです。
  • 一方、抗結核薬のリファンピシン(リファジン)と併用すると、この薬(テラビック)の血中濃度が著しく低下し効果が減弱する可能性があります。このため併用を避けなければなりません。抗けいれん薬のフェノバルビタール(フェノバール)やフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、カルバマゼピン(テグレトール)などは禁止でありませんが、同様の理由で注意が必要です。
  • 漢方薬の小柴胡湯はインターフェロンと併用禁止です。
  • セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品はとらないでください。この薬の作用を弱めるおそれがあります。

【使用にあたり】
  • 通常、1日3回食後に1回3錠を飲みます。服用時間は医師の指示どおりにしてください。目安として8時間おきが望ましいのですが、空腹時は吸収が悪いので避けなければなりません。もし、食事が不規則になったり、とれなかった場合でも、決められた時間に飲んだほうがいいです。このような場合、少しでも軽食をとったあとに服用するとよいでしょう。服用期間は3ヶ月間(12週間)です。
  • 3剤併用療法としてインターフェロン(ペグイントロン)とリバビリン(レベトール)と併用します。インターフェロンは週1回皮下注射します。リバビリンは、体重や腎臓の働き具合によって飲む量や飲み方が違いますから、医師の指示通りにしてください。服用期間はさらに長めになります。決められた期間続けてください。
  • 薬の血中濃度を常に一定に保つと、ウイルスのダメージが大きくなります。したがって、飲み忘れなく毎日規則正しく飲み続けることが大事です。飲み忘れた場合、服用時間の4時間以内であれば軽食をとり1回分を飲んでください。4時間以上過ぎていたら、その1回分は抜かし、次の時間に1回分を飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。
  • 注意を要する第一の副作用が皮膚障害です。皮膚や粘膜の症状に気を付けましょう。ひどい発疹や発赤、水ぶくれ、唇や口内のただれ、目の充血などが現れたら直ちに診察を受けてください。万一の重い皮膚障害にそなえ、皮膚科医と連携をはかることが大事です。
  • そのほか、併用薬によるものをふくめ、いろいろな副作用がでやすいです。多くの場合、継続可能で治療が終われば治りますが、血球減少や貧血が著しい場合、あるいは精神的変調がみられる場合は、併用薬をふくめて減量や中止を検討しなければなりません。めまい、疲れやすい、息切れ、動悸、気分の落ち込み、不安感や不眠といった症状が気になるときは、早めに受診してください。

【検査】

定期的に血液や尿の検査を受ける必要があります。とくに注意をはらうのは、ヘモグロビン濃度や白血球数、血小板数の低減です。これらについては毎週実施し、重篤な貧血や血液障害にいたらないようにします。そのほか、腎機能検査や肝機能検査、電解質などの生化学検査も重要で、飲みはじめは頻繁におこなう必要があります。

【妊娠・授乳】

併用薬のリバビリン(レベトール)に、強い催奇形性作用があることが知られています。このため、妊娠する可能性のある女性、あるいはパートナーに妊娠の可能性のある男性は、治療中および治療終了後6カ月間は避妊をしなければなりません。詳細については、レベトールを参照ください。

【食生活】
  • まれなケースですが、精神変調や意識障害を起こすことがあります。車の運転をふくめ危険をともなう機械の操作、高所作業のさいは念のため注意してください。
  • 気分が不安定になるときは、直ちに医師に連絡してください。できたら、ご家族など付き添いの方も、服用後の様子を注意深く見守りましょう。抑うつや不眠、攻撃的になるなど精神的な変化や不穏な行為に注意してください。このような精神的変調はインターフェロンによることが多いです。
効能
  • セログループ1(ジェノタイプI(1a)又はII(1b))のC型慢性肝炎における次のいずれかのウイルス血症の改善

    (1)血中HCV RNA量が高値の未治療患者

    (2)インターフェロンを含む治療法により無効又は再燃となった患者

  • セログループ2(ジェノタイプIII(2a)又はIV(2b))のC型慢性肝炎におけるインターフェロン製剤の単独療法、又はリバビリンとの併用療法で無効又は再燃となった患者のウイルス血症の改善
用法 通常、成人は、テラプレビルとして1回750mgを1日3回食後経口服用し、服用期間は12週間とする。本剤は、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)及びリバビリンと併用すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 併用薬のインターフェロンとリバビリンによるものを含めいろいろな副作用が出やすいです。まず初めの1〜2週間に、インフルエンザのような症状がたいていあらわれます。発熱、悪寒、倦怠感、頭痛、痰、筋肉痛といった症状です。対症療法的に、解熱・鎮痛薬で対処可能ですので、つらいときは医師とよく相談してみてください。

皮膚症状は頻度が高くもっもと注意を要する副作用です。軽い発疹やかゆみは半分近くの人に現われます。抗アレルギー薬やステロイド外用薬の手当てで多くは継続可能ですが、まれに重症化し中止を余儀なくされることがあります。もし、発疹や発赤が全身に広がったり、ひどい口内炎や水ぶくれ、強い目の充血などが現れたら直ちに受診してください。

貧血も多くの人にあらわれます。倦怠感やめまい、息切れ、動悸などの症状に注意しましょう。動悸がひどいと心臓に負担がかかりますので、もともと心臓の悪い人は特に注意が必要です。ヘモグロビンの検査で、貧血の兆候があるときは併用薬のリバビリンを減量し、それ以上悪化しないようにします。

インターフェロンによるものとも考えられますが、不安や抑うつ感、あるいは躁状態など精神的な変調をきたすことがあります。気分の落ち込み、不安感、不眠、興奮、混乱、怒りっぽい、不穏な行動など、いつもと違う精神症状があらわれたら、すぐに医師と連絡をとってください。

ほかにも下記のようなさまざまな副作用が出現する可能性があります。ただ、治療が終わればたいていは消失しますので、軽い場合は治療を優先することが多いです。いずれにしても、何か体に異常があらわれたなら、医師に報告し、よく相談するようにしてください。なお、以下の副作用にはインターフェロンとリバビリンによるものも含まれます。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 遅発性の重い過敏症状..発疹、発熱、だるい、吐き気、リンパ節の腫れ、皮膚や白目が黄色くなる。
  • 急性腎不全..尿が少ない・出ない、むくみ、尿の濁り、血尿、だるい、吐き気、頭痛、のどが渇く、けいれん、血圧上昇。
  • 重い貧血..息切れ、動悸、疲労、めまい、顔色が悪い。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 敗血症..発熱、けん怠感、筋肉痛、意識低下。
  • 静脈血栓症、肺塞栓症..手足(特にふくらはぎ)の痛み・はれ・むくみ・しびれ、爪の色が紫、突然の息切れ・息苦しい、深呼吸で胸が痛い、急な視力低下、視野が欠ける、目が痛む。
  • せん妄、失神、意識消失..もうろう状態、混乱、意識がうすれる、気を失う。
  • 躁状態、抑うつ..怒りっぽい、興奮、不安、不眠、気分が落ち込む、無気力、憂鬱。
  • 呼吸困難..息切れ、息苦しい。
  • 網膜症..視力低下、かすむ、色が見分けにくい、ゆがんで見える、視野に暗点、視界が欠ける。
  • 自己免疫現象..発疹、発熱、けん怠感、動悸、皮膚や白目が黄色くなる、関節の腫れ・痛み。
  • 白内障..かすんで見える、まぶしい、視力低下。
  • 糖尿病..異常にのどが渇く、水をがぶ飲み、多尿、体重増加または減少。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 消化管潰瘍・胃腸出血..胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、吐血(コーヒー色のものを吐く)、下血(血液便、黒いタール状の便)。

【その他】
  • インフルエンザ様症状..発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛(おもにインターフェロンによるもので、たいてい1〜2週間で軽くなる)
  • 発疹、発赤、かゆみ、肌荒れ、脱毛
  • 貧血、白血球数減少、血小板数減少
  • 頭痛、不眠、味覚異常、めまい
  • 食欲不振、吐き気、吐く、腹痛、便秘、口内炎、口渇
  • 関節痛、筋肉痛、咳
  • 高尿酸血症、痛風、糖尿、高コレステロール血症、甲状腺機能異常
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye