おくすり110番
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成分(一般名) グラゾプレビル
製品例 グラジナ錠50mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗ウイルス剤/NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤/抗ウイルス剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 C型慢性肝炎の1型を治療するお薬です。エルバスビルと併用し、原因ウイルスを排除します。
作用

【働き】

肝臓病の多くはウイルス性です。とくにB型とC型ウイルスによる慢性肝炎が問題となります。慢性肝炎になると、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長いあいだに一部が肝硬変へと進み、さらに肝臓がんに至ることもあります。この流れを絶つこと、あるいは遅らせるための治療が重要です。C型ではウイルスを排除し感染症の治癒を目指します。C型は遺伝子配列の違いから1〜6型に分かれますが、日本人の大部分は1型と2型です。

このお薬は、C型肝炎ウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。適応となるのは、遺伝子1型のC型慢性肝炎です。治療にあたっては、単独ではなく、別の抗ウイルス薬のエルバスビル(エレルサ)といっしょに用います。併用により、抗ウイルス活性が相加的・相乗的に強まり、C型肝炎ウイルスを排除できる可能性が高まるのです。実際の臨床試験でも、この2剤併用療法により90%以上の人のウイルスが消滅し治癒につながりました。

【薬理】

C型肝炎ウイルス(HCV)の複製にかかわるNS3/4Aプロテアーゼという酵素を阻害することで、ウイルスの増殖を強力に抑制します。このような作用機序から、「HCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬」と呼ばれています。

【臨床試験】

この薬の有効性を検証する試験が行われています。参加したのは、1型のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変の患者さんです。このなかには未治療の患者さんと、インターフェロンによる治療歴のある患者さんの両方が含まれます。効果判定のための評価項目は、エルバスビルとの併用療法3カ月後の持続的ウイルス陰性化率(SVR12率)です。ウイルスの陰性化は、ウイルスが排除されC型肝炎ウイルス感染症が治癒したとみなされます。

その結果、服薬3カ月後のウイルス陰性化率は、未治療のC型慢性肝炎の患者さんで約97%(144/149人)、治療歴がある患者さんで96%(75/78人)に達しました。また、C型代償性肝硬変においても、90%以上という高いウイルス陰性化率が得られました。代償性肝硬変の有無、治療歴、年齢、耐性変異にかかわらず高い有効性が示されたのです。安全性についても大きな問題はなく許容範囲内でしたが、肝機能値(AST、ALT)が悪化する例がみられました。
特徴
  • NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬に分類される新しい抗ウイルス薬です。画期的なのは、インターフェロンの注射を必要とせず、飲み薬だけでC型慢性肝炎の治療が可能な点です。ただし、作用増強のため、別系統(NS5A阻害薬)の抗ウイルス薬エルバスビル(エレルサ)と必ず併用しなければなりません。
  • インターフェロンの前治療歴を問わず、すべての遺伝子1型(セログループ1)のC型慢性肝炎に使用可能です。治療も簡便で、1日1回2錠服用、12週間という短期間で完結します。今後、一次治療または二次治療薬として広く用いられることでしょう。なお、インターフェロンがよく効き、比較的治療が容易な遺伝子2型には適応しません。
  • 既存の類似薬(ハーボニー)が禁忌となる重い腎機能障害あるいは透析治療を受けている場合でも使用可能です。実際、そのような人を対象とした海外臨床試験において優れた有効性と安全性が示されています。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 使用中の薬を医師に教えてください。飲み合わせの悪い薬がたくさんあります。

【注意する人】

肝機能障害がひどいときや肝硬変が進んでいる場合、使用を控えることがあります。また、B型肝炎ウイルスに重複感染している人は、その再活性化に注意が必要です。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

いろいろな薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、この薬の効果がなくなってしまいます。逆に作用が増強し、副作用が強まるおそれもあります。使用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • 飲み合わせの悪い薬に、結核・抗酸菌症治療薬のリファンピシン(リファジン)、リファブチン(ミコブティン)、抗けいれん薬のフェノバルビタール(フェノバール)やフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、カルバマゼピン(テグレトール)、抗エイズウイルス薬のエファビレンツ(ストックリン)、健康食品のセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)などがあります。これらといっしょに飲むと、この薬(グラゾプレビル)の血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあります。なお、リファンピシンについては、併用初期に血中濃度が上昇する可能性があります。
  • 逆に、この薬の血中濃度が上昇し、副作用がでやすくなる飲み合わせもあります。この理由で禁止されるのが、免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)、抗エイズウイルス薬のアタザナビル(レイアタッツ)、ダルナビル(プリジスタ)、ロピナビル・リトナビル(カレトラ)、サキナビル(インビラーゼ)などです。
  • 禁止ではありませんが、併用薬の血中濃度を上昇させる飲み合わせとして、スタチン系コレステロール低下薬のアトルバスタチン(リピトール、カデュエット)、ロスバスタチン(クレストール)、シンバスタチン(リポバス)やフルバスタチン(ローコール)、抗がん薬のスニチニブ(スーテント)などがあります。
  • 免疫抑制薬のタクロリムス(プログラフ)の血中濃度が変動する可能性があります。併用のさいは、タクロリムスの全血中濃度や副作用の発現に留意します。

【使用にあたり】
  • 通常、1日1回、1回に2錠を飲みます。服用時間、食後か空腹時にするかは医師の指示どおりにしてください。治療期間は3カ月間(12週間)です。
  • この薬とは別に、エルバスビル(エレルサ)という抗ウイルス薬をいっしょに使います。エルバスビルは1日1回1錠です。
  • 飲み忘れなく毎日規則正しく飲み続けることが大事です。もし飲み忘れた場合は、気が付いたときに直ちに服用し、翌日はいつも通りに服用してください。翌日に気付き、次に服用する時間が近い場合は、1回分は抜かし次の通常の服用時間に1回分を服用してください。2回分を一度に飲んではいけません。

【検査】

定期的に検査をおこない、効果や副作用をチェックする必要があります。とくに重要なのが肝機能検査です。

【妊娠・授乳】
  • 妊娠中は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にだけ使用します。急ぐ必要がないなら、出産後にしたほうが無難かもしれません。
  • 授乳中は使用を控えるべきですが、やむを得ず使用する場合は、授乳を中止する必要があります。

【食生活】

健康食品やハーブティーとして販売されているセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)の飲食はしないでください。飲み合わせにより、この薬の効果が減弱するおそれがあるためてす。
効能 セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
用法 通常、成人はグラゾプレビルとして100mgを1日1回経口服用する。本剤はエルバスビルと併用し、服用期間は12週間とする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 頭痛、倦怠感、下痢などがみられます。多くは軽症で治療を継続できます。検査でよく見つかるのは肝機能値の悪化です。一過性のことが多いようですが、重症化しないように肝機能検査を定期的におこない、早い段階で対処するようにします。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
  • 頭痛、めまい、倦怠感
  • 下痢、便秘、吐き気
  • 肝機能値の異常
  • 発疹
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用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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