おくすり110番
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成分(一般名) ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル
製品例 ジメンシー配合錠 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗ウイルス剤/抗HCV配合剤/抗ウイルス剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 C型慢性肝炎の1型を治療するお薬です。
作用

【働き】

肝臓病の多くはウイルス性です。とくにB型とC型ウイルスによる慢性肝炎が問題となります。慢性肝炎になると、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長いあいだに一部が肝硬変へと進み、さらに肝臓がんに至ることもあります。この流れを絶つこと、あるいは遅らせるための治療が重要です。C型ではウイルスを排除し感染症の治癒を目指します。C型はウイルスの遺伝子型から1型と2型に分かれます。日本人に多いのは、かつて難治とされた1型(1b)です。

このお薬は、C型肝炎ウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。3種類の抗ウイルス薬を含有し、ウイルス増殖に必要なそれぞれ特定の蛋白を阻害します。3種類をいっしょに飲むと抗ウイルス作用が相加・相乗的に強まり、C型肝炎ウイルスを排除できる可能性が高まるのです。実際の臨床試験でも、治療歴や代償性肝硬変の有無にかかわらず、95%以上という高いウイルス陰性化率が得られています。適応となるのは遺伝子1型(セログループ1)のC型慢性肝炎とC型代償性肝硬変です。

【薬理】

ダクラタスビル(DCV)、アスナプレビル(ASV)、ベクラブビル(BCV)の3種類の直接作用型抗ウイルス薬が配合されています。ダクラタスビルは「NS5A複製複合体阻害薬」と呼ばれる系統で、C型肝炎ウイルスの複製や細胞内シグナル伝達にかかわる多機能蛋白である‘NS5A複製複合体’を強力かつ選択的に阻害します。

さにらに、アスナプレビルは、ウイルスの複製をになう酵素‘NS3-4Aプロテアーゼ’を、ベクラブビルは‘NS5Bポリメラーゼ’という酵素をそれぞれ阻害することにより抗ウイルス効果を発揮します。これら作用点の異なる3種類の抗ウイルス薬を併用することにより、C型肝炎ウイルスに対する効力が相加的・相乗的に増強するのです。また、薬が効きにくくなる耐性出現も抑制されます。

【臨床試験】

この薬の有効性と安全性を検証する試験が行われています。参加したのは、1型(1b)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変の患者さん278人です。このなかには未治療の患者さんと、インターフェロン療法で治癒できなかった既治療の患者さんが含まれます。そして、3成分を含有するこの薬(DCV/ASV/BCV)を飲むグループと、既存の2成分(DCV/ASV)を飲むグループに分かれ、服薬終了後3カ月後の持続的ウイルス陰性化率(SVR12率)を調べるのです。ウイルスの陰性化は、ウイルスが排除されC型肝炎ウイルス感染症が治癒したとみなされます。

その結果、この薬を3カ月飲んだグループの陰性化率は96%(205/213人)に達しました。うちわけは、未治療のC型慢性肝炎で96%(118/123人)、未治療の代償性肝硬変96%(25/26人)、既治療のC型慢性肝炎98%(62/64人)、代償性肝硬変95%(19/20人)でした。また、少数ながら1a型の患者さんでは、75%(3/4人)の陰性化率が得られています。治療歴や代償性肝硬変の有無を問わず、非常に高い有効性が確認できたわけです。ちなみに、既存の2成分を飲んだグループ(1b未治療)においても87%(65/75人)という相当に高い陰性化率が示されています。安全性については大きな問題はなく許容範囲内でしたが、2成分の人達に比べ、高ビリルビン血症、肝機能障害、発熱などの副作用が多くみられました。
特徴
  • 1型のC型慢性肝炎を適応とする新しいタイプの抗ウイルス薬です。作用増強のため、NS5A阻害薬のダクラタスビル、NS3-4Aプロテアーゼ阻害薬のアスナプレビル、NS5Bポリメラーゼ阻害薬のベクラブビルの3種類の抗ウイルス薬が配合されます。なお、ダクラタスビル(ダクルインザ)とアスナプレビル(スンベプラ)は単剤として販売済みです。
  • インターフェロンの使用歴を問わず、すべての遺伝子1型(1b,1a)のC型慢性肝炎に使用可能です。治療歴、代償性肝硬変の有無およびNS5Aの耐性変異にかかわらず、高い有効性が示されています。今後、一次治療または二次治療薬として広く用いられることでしょう。なお、インターフェロンがよく効き、比較的治療が容易な遺伝子2型には適応しません。
  • 画期的なのは、インターフェロンの注射を必要とせず、飲み薬だけで難治な1型C型慢性肝炎を治せることです。治療も簡便で、固定用量として1回2錠を1日2回服用、12週間という短期間で完結します。ただし、肝機能障害や高ビリルビン血症の副作用が多いため、肝機能検査を毎週実施しなければなりません。また、併用薬の制限が多く、飲み合わせにも注意が必要です。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は申し出てください。
  • 使用中の薬を医師に教えてください。飲み合わせの悪い薬がたくさんあります。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。

【注意する人】
  • 妊婦中またはその可能性のある女性は使用できません。
  • 肝機能障害がひどいときや肝硬変が進んでいる場合、使用を控えることがあります。また、B型肝炎ウイルスに重複感染している人、あるいは既往歴のある人は、その再活性化に注意が必要です。
  • 重い腎臓病のある人は、血中濃度が上昇しやすいので慎重に用います。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

いろいろな薬と相互作用しやすい性質があります。飲み合わせによっては、この薬の効果がなくなってしまいます。逆に作用が増強し、副作用が強まるおそれもあります。使用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • 飲み合わせの悪い薬に、結核・抗酸菌症治療薬のリファンピシン(リファジン)とリファブチン(ミコブティン)、抗けいれん薬のフェノバルビタール(フェノバール)やフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、カルバマゼピン(テグレトール)、ステロイド薬のデキサメタゾン(デカドロン)、睡眠障害治療薬のモダフィニル(モディオダール)、抗エイズウイルス薬のエファビレンツ(ストックリン)やエトラビリン(インテレンス)、ネビラピン(ビラミューン)、肺高血圧症治療薬のボセンタン(トラクリア)、免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)、健康食品のセイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)などがあります。これらといっしょに飲むと、この薬の血中濃度が低下するなどして効果が減弱するおそれがあります。
  • 逆に、この薬の血中濃度が上昇し、肝障害など副作用がでやすくなる飲み合わせもあります。この理由で禁止されるのは、抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)とエリスロマイシン(エリスロシン)、アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)、フルコナゾール(ジフルカン)、ボリコナゾール(ブイフェンド)、ミコナゾール(フロリード)、高血圧・狭心症・不整脈治療薬のジルチアゼム(ヘルベッサー)とベラパミル(ワソラン)、C型慢性肝炎治療薬のテラプレビル(テラビック)、抗エイズウイルス薬のリトナビル(ノービア、カレトラ、ヴィキラックス)、アタザナビル(レイアタッツ)、インジナビル(クリキシバン)、サキナビル(インビラーゼ)、ダルナル(プリジスタ)、ネルフィナビル(ビラセプト)、ホスアンプレナビル(レクシヴァ)やコビシスタット(スタリビルド、ゲンボイヤ)などです。
  • 併用薬の血中濃度を上昇させることがあります。とくに、抗不整脈薬のフレカイニド(タンボコール)とプロパフェノン(プロノン)は禁止です。血中濃度上昇により危険な不整脈薬のおそれがあるからです。咳止めのデキストロメトルファン(メジコン)、β遮断薬のメトプロロール(セロケン)または強心薬のジゴキシン(ジゴシン)と併用する場合は、これらの減量を考慮します。スタチン系コレステロール低下薬のロスバスタチン(クレストール)やシンバスタチン(リポバス)、アトルバスタチン(リピトール、カデュエット)なども注意が必要です。
  • 経口避妊薬の血中濃度が低下し、避妊効果が弱まるかもしれません。妊娠可能な女性は避妊が必要なのですが、経口避妊薬を使用している場合は その点に留意してください。

【使用にあたり】
  • 通常、1日2回朝夕食後に、1回に2錠を飲みます。服用期間は3ヵ月間(12週間)です。
  • 薬の血中濃度を常に一定に保つと、ウイルスのダメージが大きくなります。無用な中断は薬の効き目を弱めますから、飲み忘れなく毎日規則正しく飲むことが大事です。もし飲み忘れた場合、次の服用時間まで4時間以上あいていたら、直ちに服用し、その後は予定通り服用してください。次の服用時間まで4時間未満の場合は、飲み忘れの分は抜かし、次の服用時間に1回分を飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。

【検査】

定期的に検査をおこない、効果や副作用をチェックする必要があります。とくに重要なのが肝機能検査です。服用中は毎週実施しなければなりません。腎機能検査も大事です。

【妊娠・授乳】
  • 配合成分のダクラタスビル(ダクルインザ)に胎児毒性や催奇形性作用が疑われています。このため、妊娠する可能性のある女性は、事前に妊娠検査をおこない、妊娠していないことを確認のうえで治療を始めます。また、治療中および治療終了後5週間は、妊娠しないように適切な方法で避妊してください。もし、妊娠を確認、または疑われる場合は、ただちに医師に連絡してください。
  • 授乳中は使用を控えるべきですが、やむを得ず使用する場合は、授乳を中止する必要があります。
効能 セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
用法 通常、成人は1回2錠を1日2回食後に経口服用し、服用期間は12週間とする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 発熱、頭痛、かゆみ、下痢や吐き気などが現れますが、多くは軽症で治療の継続が可能です。検査でよく見つかるのは肝機能値の悪化と高ビリルビン血症です。肝機能障害や黄疸から肝不全に至った例も報告されています。もし、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色、腹部のはり、意識低下といった症状があらわれたら、ただちに医師に連絡してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 多形紅斑..円形の紅斑、発熱、関節の痛み。
  • 血小板減少..鼻血、歯肉出血、血尿、皮下出血(血豆・青あざ)、血が止まりにくい。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
  • 腎障害..尿が少ない・出ない、むくみ、尿の濁り、血尿、だるい、吐き気、頭痛、のどが渇く、けいれん、血圧上昇。

【その他】
  • 発熱、頭痛、倦怠感
  • 食欲減退、吐き気、下痢、腹痛
  • 発疹、かゆみ
  • 関節痛、筋肉痛
  • 肝機能値の異常、高ビリルビン血症、好酸球増加症
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye