おくすり110番
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成分(一般名) ソホスブビル/ベルパタスビル
製品例 エプクルーサ配合錠 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗ウイルス剤/抗HCV配合剤/抗ウイルス剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 C型肝炎ウイルス感染症を治療するお薬です。
作用

【働き】

肝臓病の多くはウイルス性です。とくにB型とC型ウイルスによる慢性肝炎が問題となります。慢性肝炎になると、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長いあいだに一部が肝硬変へと進み、さらに より重篤な非代償性肝硬変や肝臓がんに至ることもあります。この流れを絶つこと、あるいは遅らせるための治療が重要です。C型ではウイルスを排除しC型肝炎ウイルス感染症の治癒を目指します。

このお薬は、C型肝炎ウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。2種類の抗ウイルス薬を含有し、それぞれがウイルス増殖に必要な特定の蛋白を阻害します。2種併用により相加的に抗ウイルス作用が強まり、C型肝炎ウイルスを排除できる可能性が高まるのです。通常、以前の治療で治癒できなかった場合や非代償性肝硬変を伴うなど難治性のC型慢性肝炎ウイルス感染症の治療に用います。ウイルスの遺伝子型(1〜6型)は問いません。前治療歴がある場合は、別系統の抗ウイルス薬 リバビリン(レベトール)と併用します。

【薬理】

有効成分はソホスブビルとベルパタスビルの2種類の抗ウイルス薬です。このうちソホスブビルは、C型肝炎ウイルスの複製にかかわる酵素の一種‘NS5Bポリメラーゼ’を阻害することにより、抗ウイルス作用を発揮します。もう一つのベルパタスビルは、ウイルスの複製や細胞内シグナル伝達にかかわる多機能蛋白‘NS5A複製複合体’を強力かつ選択的に阻害します。作用機序が異なり、交差耐性を示さないソホスブビとベルパタスビルの併用により、抗ウイルス作用の相加的増強と耐性出現の抑制がはかれるのです。

【臨床試験-1】

C型慢性肝炎に対する有効性を検証する試験が行われています。第一の試験は、治療歴(DAA前治療不成功)があるC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変の患者さん60人によるものです。遺伝子型は問わず、1型のほかに2型の患者さんも含まれます。

試験期間は6カ月。この間、 別の抗ウイルス薬 リバビリン(レベトール)との併用治療を行います。そして、治療終了後にウイルスが陰性化した人の割合(SVR12率)を調べるのです。ウイルスの陰性化は、ウイルスが排除されC型肝炎ウイルス感染症が治癒したとみなされます。ちなみに、肝炎患者におけるC型肝炎ウイルスの自然排除はきわめてまれで1%未満とされます。

その結果、ウイルス陰性化率は97%(58/60人)に達しました。前の治療がうまくいかなかった難治の患者さんでも、高い割合で治癒できたわけです。安全性についても、併用薬のリバビリンによる貧血を除き、重い副作用はほとんどありませんでした。

【臨床試験-2】

第二の試験は非代償性肝硬変の患者さんが対象です。遺伝子型は問いません。この薬を3カ月間服用し、その後のウイルス陰性化率を調べます。結果は92%(47/51人)という高い割合でした。肝硬変そのものは治せませんが、ウイルスの陰性化により病気の進行が抑えられ、より長生きできる可能性が高まるのです。
特徴
  • NS5Bポリメラーゼ阻害薬のソホスブビル(ソバルディ)と、NS5A阻害薬のベルパタスビルを有効成分とする直接作用型抗ウイルス薬(DAA)です。交差耐性がなく、相加的な抗ウイルス作用を示す組み合わせです。なお、ソホスブビルはソバルディ錠として発売済みです。
  • 前治療歴(DAA前治療不成功)があるC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変にくわえ、C型非代償性肝硬変に使用可能です。これまで、C型非代償性肝硬変に対して承認された治療薬はなく、この薬が初めてです。実際、そのような難治例を対象とした臨床試験でも、90%以上の高いウイルス陰性化率が得られています。難治性のC型肝炎ウイルス感染症に対する新たな治療選択肢として期待されています。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は申し出てください。
  • 使用中の薬を医師に教えてください。飲み合わせの悪い薬があります。
  • 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。

【注意する人】
  • 腎臓が弱っていると薬の排泄が遅れ、血中濃度が上昇しやすいです。このため、腎機能が著しく低下している人や透析を行っている人は使用できません。
  • B型肝炎ウイルスに重複感染している人または既往歴のある人は、その再活性化に注意が必要です。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせによっては、この薬の作用が減弱し、治療の失敗につながります。また、不整脈の薬のアミオダロン(アンカロン)との併用により徐脈など新たな不整脈が発現するおそれがあります。使用中の薬は必ず医師に報告し、また別の病院で診察を受けるときも この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • 作用減弱により禁止されるのは、結核・抗酸菌症治療薬のリファンピシン(リファジン)、抗けいれん薬のカルバマゼピン(テグレトール)、フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)やフェノバルビタール(フェノバール)、それと健康食品のセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)です。MAC症などに用いる抗酸菌症治療薬のリファブチン(ミコブティン)は禁止ではありませんが、同様の理由で注意が必要です。
  • 不整脈治療薬のアミオダロン(アンカロン)との併用はできるだけ避けます。やむを得ず併用する場合には、少なくとも3日間は入院し、心電図モニタリングを行うなど新たな不整脈の発現に十分注意しなければなりません。とくにβ遮断薬の部類を飲んでいる人や重度の肝疾患がある人は発現リスクが高いとされます。併用のさい、動悸、胸の違和感、めまい、ふらつき、気が遠くなる、失神といった症状があらわれたら直ちに医師に連絡してください。
  • 強力な胃酸分泌抑制薬にも注意が必要です。胃酸が薄まると、この薬の溶解性が低下し十分吸収されないのです。吸収低下を避けるため、オメプラゾール(オメプラール)やランソプラゾール(タケプロン)などプロトンポンプ阻害薬と併用する場合は、この薬を服用後、4時間の間隔をあけて服用してください。また、ファモチジン(ガスター)などH2受容体拮抗薬と併用する場合は、この薬と同時に飲むか、12時間あけて服用する必要があります。マーロックスなどアルミニウムまたはマグネシウムを含有する一般的な制酸薬については、服用時間をずらすなどで影響をなくせるでしょう。市販薬をふくめ胃薬を飲んでいる場合は、医師とよく相談してください。
  • 併用薬の血中濃度を上昇させる飲み合わせとして、強心薬のジゴキシン(ジゴシン)、スタチン系コレステロール低下薬のロスバスタチン(クレストール)やアトルバスタチン(リピトール)、抗血栓薬のダビガトラン(プラザキサ)などがあります。とくにジゴキシンについては、血中濃度を測定し、投与量の調節が必要ないかチェックする必要があります。

【使用にあたり】
  • 通常、1日1回、1回に1錠を飲みます。時間は医師の指示どおりにしてください。服用期間は、治療歴があるC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変の場合で6カ月間(24週間)、非代償性肝硬変で3カ月間(12週間)です。
  • C型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変の場合は、別の抗ウイルス薬のリバビリン(レベトール)と併用します。リバビリンの服用量は体重で違います。決められた通りにしてください。
  • 毎日規則正しく飲み続けることが大事です。もし飲み忘れた場合は、気が付いたときに直ちに服用し、翌日はいつも通りに服用してください。翌日に気付き、次に服用する時間が近い場合は、1回分は抜かし次の通常の服用時間に1回分を服用してください。2回分を一度に飲んではいけません。

【検査】

リバビリンと併用する場合は、ヘモグロビン濃度など貧血関連の検査を行ないます。

【妊娠・授乳】
  • 妊娠中は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にだけ使用します。ただし、併用薬のリバビリンには強い催奇形性があるため、リバビリンとの併用療法は絶対に避けなければなりません。また、パートナーが妊娠している男性は、精液を介しリバビリンが子宮内に移行しないようコンドームを使用する必要があります。
  • リバビリンと併用する場合、妊娠可能な女性またはパートナーが妊娠する可能性がある男性は、治療中および治療終了後6カ月間は避妊してください。また、妊娠していないことを確認するため、妊娠検査を毎月1回行なってください。
  • 授乳中は使用を控えるべきですが、やむを得ず使用する場合は、授乳を中止してください。

【食生活】

健康食品やハーブティーとして販売されているセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)の飲食はしないでください。飲み合わせにより、この薬の効果が減弱するおそれがあるためてす。
効能

【効能A】

前治療歴を有するC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善

【効能B】

C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
用法

【効能A】

リバビリンとの併用において、通常、成人は、1日1回1錠(ソホスブビルとして400mg及びベルパタスビルとして100mg)を24週間経口服用する。

【効能B】

通常、成人は、1日1回1錠(ソホスブビルとして400mg及びベルパタスビルとして100mg)を12週間経口服用する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 頭痛、吐き気、けん怠感、かゆみや発疹などが報告されていますが、重いものはまずありません。重度の高血圧と脳卒中の発現はきわめてまれです。

リバビリンと併用する場合は、リバビリンによる貧血に注意が必要です。ヘモグロビンの検査で貧血の兆候があるときは、リバビリンを減量しそれ以上悪化しないようにします。貧血の症状として、疲労感、めまい、息切れや動悸などに注意してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重度の高血圧..著しい血圧の上昇。
  • 脳卒中..片側の手足のまひ・しびれ、口がゆがむ、うまく話せない、視野が欠ける、二重に見える、考えがまとまらない、ふらつく、激しい頭痛

【その他】
  • 頭痛、けん怠感
  • 吐き気、口内炎
  • かゆみ、発疹
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye