概説 |
インフルエンザウイルスの増殖をおさえるお薬です。インフルエンザの治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症です。高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛などの症状が急激に現れ、ノドの痛み、鼻水、咳といった症状もでてきます。ふつう、3、4日間熱が続いたあと回復に向かいます。治癒後、インフルエンザに対する抵抗力(抗体)ができます。
このお薬は、抗インフルエンザウイルス薬です。インフルエンザウイルスに直接作用し、ウイルスの増殖をおさえます。一般的なA型とB型ウイルスに適応するほか、2009年に流行した豚由来のインフルエンザ(A/H1N1)にも有効です。ただし、C型には効きません。
粉末状の吸入薬になりますので、専用の吸入器を用いて口から吸い込み、インフルエンザウイルスの増殖部位である気道に作用させます。感染初期に使用することで、症状の軽減と、治るのが1〜2日早くなると期待できます。

- 【薬理】

- インフルエンザウイルスの増殖に欠かせないノイラミニダーゼというの酵素の働きを阻害します。これにより、人の細胞中で複製したウイルスの遊離がはばまれ、増殖が抑制されます。このような作用から、ノイラミニダーゼ阻害薬と呼ばれています。なお、ノイラミニダーゼを持たないC型インフルエンザウイルスには無効です。

- 【臨床試験】

- 国内外で、既存薬のオセルタミビル(タミフル)を対照とした比較試験がおこなわれています。この薬を40mg吸入した人(334人)の症状がよくなった日の平均はおおよそ3日目(73時間)でした。一方、オセルタミビルを飲んでいた人(336人)も、3日(73.6時間)ほどでよくなりました。このことから、オセルタミビルに劣らない治療効果が確認できたわけです。この薬により、インフルエンザの症状が平均して1〜2日ほど早くよくなると推測できます。
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特徴 |
- 国内で開発された抗インフルエンザウイルス薬です。作用的には、オセルタミビル(タミフル)やザナミビル(リレンザ)と同じノイラミニダーゼ阻害薬になります。粉末状の吸入薬ですので、全身に及ぼす影響が少なく、副作用の発現も少ないと考えられます。
- 従来の季節性インフルエンザに加え、鳥インフルエンザに由来する新型インフルエンザに対する効果が見込まれています。また、オセルタミビル(タミフル)耐性ウイルスに対しても一定の効果が期待できます。
- 体内で変換活性化されるプロドラッグで、1回の使用で治療効果が長時間持続します。類似薬のリレンザが1日2回5日間吸入しなければならないのに対し、イナビル(この薬)は吸入1回分で終了。利便性に優れ、治療が楽です。
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注意 |
 【診察で】
- 喘息など呼吸器に病気のある人は医師に伝えておきましょう。
- 注意事項や具体的な使用方法について十分に説明を受けてください。

- 【注意する人】

- 気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患など呼吸器に病気のある人は、慎重に使用する必要があります。発作の引き金になったり、病状が悪化するおそれがあるためです。気管支拡張薬など喘息用の吸入薬を併用する場合は、喘息用の吸入薬を先に使用するとよいでしょう。
 【使用にあたり】
- 説明書をよく読み、正しく使用するようにしてください。きちんと吸入しないと、よい効果がでません。とくに、小さな子供の場合、保護者の指導と手助けが必要です。すわって、くつろいだ状態で吸入するとよいでしょう。
- 治療は1回分の吸入で終わりです。10歳以上では1回分として2容器(40mg)を、10歳未満では1容器(20mg)を使用します。
- 1容器に左右2箇所に薬剤が充てんされています。これを順次中央にスライドさせ吸入します。吸い残しをなくすため左右2回づつ吸入しますので、1容器あたり計4回吸入することになります。10歳以上では2容器分合計8回です。
- 吸入のポイントは、軽く息を吐いてから 吸入口をくわえ、スーッと大きく吸い込むこと。そして、2〜3秒息を止めた後、吸入口にかからないように、ゆっくりと息を吐き出してください。吸入後のうがいはとくに必要はありませんし、飲食をしてもかまいません。
- 大事なのは早期治療。薬をもらったら、すぐに吸入してください。症状発現から48時間経過後に使用したケースにおいて、有効性を裏付けるデータは得られていません。
- 因果関係ははっきりしていませんが、同系の薬剤を使用後に異常行動などの精神神経症状が報告されています。万が一の事故を防止するため、服用後の様子をご家族など周囲の方に注意をはらってもらうとよいでしょう。とくに子供や未成年者に用いる場合、保護者は 治療開始後 一人にさせないように配慮してください。少なくとも2日間は注意深く見守りましょう。

- 【妊娠・授乳】

- 動物実験で特段の催奇形性作用は認められていません。はっきりしたことは分かっていませんが、妊娠中における危険性はそれほど高くないと考えられています。そのため、治療上の有益性が上まわると判断されるのなら、妊娠中でも使用可能です。
なお、アメリカ(CDC)では、2009年流行のインフルエンザウイルス(A/H1N1)に感染した妊婦に対し 発症から48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬による治療を開始することとし、また感染者と接触した妊婦に対しては10日間の予防的投薬を勧めています。妊娠中にインフルエンザにかかった場合、普段よりも重症化するおそれがあり、またおなかの赤ちゃんにもよくないためです。
 【備考】
- 対症療法的に、カゼ薬、解熱鎮痛薬、咳止め、痰きり薬なども処方されます。ただし、アスピリンやボルタレン、ポンタールなど強い解熱鎮痛薬は、子供のインフルエンザには原則禁止です(脳症との因果関係)。そのほか、肺炎など細菌による二次感染時やその予防に抗生物質も処方されます。
- 「予防にまさる治療はない」といわれるのがインフルエンザ。やはりワクチンの予防接種が基本です。とくにお年寄りや、持病で体の弱っている人は重症化しやすいので、冬のシーズンに入る前にかかりつけの医師と相談されるとよいでしょう。
- インフルエンザが流行してきたら、お年寄りや体の弱い人は、できるだけ人混みは避けたほうがよいでしょう。外出時のマスク、帰宅時のうがいや手洗いも忘れずに。
- ふだん健康な若い人は、重症化することなく自然に治るものです(新型インフルエンザにおいては、ごく一部重症例が報告されています)。抗ウイルス薬の必要性が高いのはハイリスク感染者および一部の重症例であり、大半の軽症例では投与することなく治癒がみこまれます。必ずしも薬を必要としません。休養と睡眠、そして十分な水分と栄養をとることが大切です。
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効能 |
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療 |
用法 |

- 【成人】

- ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。

- 【小児】

- 10歳未満の場合、ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与する。10歳以上の場合、ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。
※注意1:症状発現後、可能な限り速やかに投与を開始することが望ましい。(症状発現から48時間を経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。)
※注意2:本剤は、1容器あたりラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを含有し、薬剤が2箇所に充てんされている。成人及び10歳以上の小児には2容器(計4箇所に充てんされた薬剤をそれぞれ吸入)、10歳未満の小児には1容器(計2箇所に充てんされた薬剤をそれぞれ吸入)を投与すること。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はほとんどありません。喘息のある人は、発作の誘発に念のため注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
 【その他】
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