概説 |
インフルエンザウイルスの増殖をおさえるお薬です。インフルエンザの治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症です。高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛などの症状が急激に現れ、ノドの痛み、鼻水、咳といった症状もでてきます。ふつう、3、4日間熱が続いたあと回復に向かいます。治癒後、インフルエンザに対する抵抗力(抗体)ができます。
このお薬は、インフルエンザウイルスに直接作用し、ウイルスの増殖をおさえます。A型とB型の両方のウイルスに有効です。専用吸入器(ディスクヘラー)を用いて粉薬を吸入し、インフルエンザウイルスの増殖部位である気道に作用させます。感染初期に使用することで、症状の軽減と、治りが1〜2日早くなることが期待できます。

- 【薬理】

- インフルエンザウイルスの増殖に欠かせないノイラミニダーゼというの酵素の働きを阻害する作用があります。
 【臨床試験】
- 南半球、欧州の試験では、この薬を使っていた人のほうが、プラセボ(にせ薬)を使用していた人よりも治癒が1日程度早くなることが示されました。しかし、症例数の多い北米の試験では、プラセボとの差は認められませんでした。
- 国内でも、プラセボ(にせ薬)を対照にした二重盲検比較試験(333人)がおこなわれています。症状がよくなった日の平均は4日目で、プラセボを使用していた人と変わりませんでした。熱は、プラセボよりも早く下がる傾向がみられました。
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特徴 | インフルエンザウイルスに直接作用する世界初の薬剤。 |
注意 |
 【診察で】
- 喘息など呼吸器に病気のある人は医師に伝えておきましょう。
- 正しい使用方法の説明を受けてください。
 【注意する人】
- 気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患など呼吸器に病気のある人は、慎重に使用する必要があります。発作の引き金になる可能性があるためです。気管支拡張薬など喘息用の吸入薬を併用する場合は、喘息用の吸入薬を先に使用するようにしましょう。
- 子供における安全性は確立していません(国内での使用経験が少ない)。
 【使用にあたり】
- 説明書をよく読み、正しく使用するようにしてください。きちんと吸入しないと、効果がでません。
- 吸湿性が高いので、ブリスターは吸入の直前に穴をあけてください。
- 発症後、できるだけ早く使用するようにします。症状発現から48時間経過後に使用したケースにおいて、有効性を裏付けるデータは得られていません。
 【備考】
- 対症療法的に、カゼ薬、解熱鎮痛薬、咳止め、痰きり薬なども処方されます。ただし、アスピリンなど一部の解熱鎮痛薬は、子供のインフルエンザには使用しません(脳症との因果関係)。そのほか、肺炎など細菌による二次感染時やその予防に抗生物質も処方されます。
- 「予防にまさる治療はない」といわれるのがインフルエンザ。やはりワクチンの予防接種が基本です。とくにお年寄りや、持病で体の弱っている人は重症化しやすいので、冬のシーズンに入る前にかかりつけの医師と相談されるとよいでしょう。
- インフルエンザが流行してきたら、お年寄りや体の弱い人は、できるだけ人混みは避けたほうがよいでしょう。外出時のマスク、帰宅時のうがいや手洗いも忘れずに。
- ふだん健康な若い人は、重症化することなく自然治癒するものです。必ずしも薬を必要としません。休養と睡眠、そして十分な水分と栄養をとることが大切です。
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効能 |
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症。 |
用法 |
通常、成人には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日2回、5日間、専用の吸入器を用いて吸入する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用はほとんどありません。喘息のある人は、発作の誘発に念のため注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- アナフィラキシー様症状..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい(ゼーゼー)。
- 喘息発作の誘発..ゼーゼーする、息が苦しい。
 【その他】
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