概説 |
真菌(カビ)を抑えるお薬です。真菌が原因の病気に用います。 |
作用 | カビの仲間を専門的に“真菌”といいます。体の抵抗力が落ちている人では、その真菌が消化管や肺など体の内部で異常増殖することがあります。内臓真菌症(深在性真菌症)です。
このお薬は抗真菌薬です。真菌細胞内に選択的に取り込まれたあと、核酸合成系を阻害して、真菌の発育を阻止します。カンジダ、クリプトコックスなどの酵母真菌にとくに有効です。適応は、真菌性髄膜炎、呼吸器真菌症、消化管真菌症などの内臓真菌症になります。 |
特徴 |
- フッ化ピリミジン系の抗真菌薬です(5-FC)。真菌の細胞内で、5-FUという成分に変わって効果を発揮します。
- 吸収がよく、肺や髄液に高濃度に移行します。
- 副作用は少ないほうですが、効きめが悪くなり耐性を生じやすいのが欠点です。そのため、ファンギゾン注など他の抗真菌薬といっしょに使用して効果を上げるようにします。
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注意 |
 【診察で】
- 腎臓病など持病のある人は、医師に伝えてください。
- 妊娠中、またその予定のある人は医師に話しておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 腎臓の悪い人や高齢の人は、薬の排泄が遅れがちです。用量を少なめにするなど慎重に用いるようにします。また、抗がん剤や放射線治療を受けている人では、血液の副作用に注意が必要です。妊娠中は用いません。
- 適さないケース..妊娠中。
- 注意が必要なケース..腎臓病、肝臓病、血液の病気、高齢の人、抗がん剤・放射線治療を受けている人など。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 併用が禁止されている薬に、抗がん剤のティーエスワンがあります。併用により血液障害などの重い副作用の危険性があるためです。ティーエスワンの服用中および中止後少なくとも7日以内は併用を避けます。
- 飲み合わせの悪い薬..ティーエスワン。
- 飲み合わせに注意..トリフルリジン・チピラシル(ロンサーフ)、抗がん薬など骨髄抑制を起こすおそれのある薬。

- 【使用にあたり】

- 指示された期間続けることが大切です。症状によってはかなり長めになります。自分だけの判断で止めてしまうと、再発したり治りにくくなります。

- 【検査】

- 必要な検査を受けて、副作用をチェックするようにしましょう。とくに腎機能や肝機能、血液の検査が重要です。

- 【妊娠・授乳】

- 赤ちゃんの発育に悪い影響をおよぼすおそれがありますから、妊娠中の服用は避けます。
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効能 |

- 【有効菌種】

- クリプトコックス、カンジダ、アスペルギルス、ヒアロホーラ、ホンセカエア。

- 【適応症】

- 真菌血症、真菌性髄膜炎、真菌性呼吸器感染症、黒色真菌症、尿路真菌症、消化管真菌症。
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用法 |
- 真菌血症、真菌性髄膜炎、真菌性呼吸器感染症、黒色真菌症には通常フルシトシンとして1日100〜200mg/kgを4回に分割経口服用する。
- 尿路真菌症、消化管真菌症には通常フルシトシンとして1日50〜100mg/kgを4回に分割経口服用する。なお、患者の症状に応じて適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
わりと多いのは、吐き気や嘔吐、食欲不振などの胃腸症状です。ひどいときは、早めに受診してください。
そのほか、白血球や血小板が減少してくることがあります。重症化することはまれですが、予防のため、定期的に血液検査を受けるようにしましょう。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
- 腎不全..尿が少ない・出ない、むくみ、尿の濁り、血尿、だるい、吐き気、頭痛、のどが渇く、けいれん、血圧上昇。
 【その他】
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