おくすり110番
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成分(一般名) ST合剤
製品例 バクタ配合錠、バクタミニ配合錠、バクタ配合顆粒、バクトラミン配合錠、バクトラミン配合顆粒 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の化学療法剤/配合剤/合成抗菌剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 細菌など病原微生物を殺菌するお薬です。それらが原因のいろいろな感染症に用います。
作用

【働き-1】

感染症は、病原微生物が人の体に侵入し悪さをする病気です。腫れや発赤を生じ、ときに化膿し、痛みや発熱により苦痛をもたらします(実は、このような症状は病原微生物と戦うための体の防衛システムでもあるのです)。

病原微生物には、細菌やウイルス、真菌(カビ)、原虫などが含まれます。このお薬が有効なのは おもに“細菌”による感染症です。細菌以外では、ある種の真菌(ニューモシスチス)やトキソプラズマ原虫にも有効です。病原菌が死滅すれば、腫れや発赤がおさまり、痛みがとれ、熱があれば解熱します。膀胱炎など尿路感染症に用いられることが多いです。

【働き-2】

ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)は、いわゆる日和見感染症のひとつです。健康な人は心配ないのですが、エイズの患者さんや、免疫抑制療法などで抵抗力が落ちている人が感染すると たいへんやっかいです。治療が困難で、命にかかわることも少なくありません。

このお薬は、ニューモシスチス肺炎を引き起こすニューモシスチス・イロベチーという酵母様真菌に対しても強い抗菌作用を発揮します。ニューモシスチス肺炎の治療に用いるほか、発症抑制薬として予防的に使用することも可能です。治療には大量を、予防には少量を用います。

【薬理】

有効成分は、サルファ薬とトリメトプリムの2種類です。サルファ薬のスルファメトキサゾールは微生物の葉酸の合成を阻害し、トリメトプリムは葉酸活性化を阻害します。これらが相乗的に働き、強い抗菌作用を発揮します。一般的な抗生物質とは効きかたが違います。
特徴
  • ST合剤と呼ばれています(Sulfa + Trimethoprim)。腎臓や肺への移行が良好で、慢性的な吸器疾患や膀胱炎に対して、少量を長期に用いることがあります。ただ、血液障害など副作用がやや多いこともあり、日常的な感染症に処方されることは少なくなりました。一般的な抗生物質が効かない場合などに、第二、第三選択されるものです。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)にも応用されます。
  • 2012年に公知申請という特例で、ニューモシスチス肺炎の効能が正式に追加承認されました。ニューモシスチス肺炎に対しては、まずこの薬が処方されることが多く、その第一選択薬として有用です。
注意
【診察で】
  • アレルギーを起こしやすい人は、医師に伝えておきましょう。
  • 持病のある人は医師に伝えてください。
  • 妊娠中、またその予定のある人は医師に話しておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。
  • 副作用や注意事項について、医師から十分説明を受けておきましょう。

【注意する人】

サルファ薬にアレルギーのある人は飲んではいけません。喘息やじん麻疹などアレルギー性の病気、また血液に病気のある人も原則避けます。腎臓の働きが落ちている場合は、減量するなど服用量の調整が必要です。妊娠中の服用は避けてください。

  • 適さないケース..サルファ薬アレルギー、新生児、妊娠中の人など。
  • 注意が必要なケース..アレルギー体質(喘息、じん麻疹・・)、血液障害、肝臓病、腎臓病、葉酸欠乏または代謝異常、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、薬の作用に悪い影響をしたり、副作用がでやすくなります。たとえば、抗リウマチ薬のメトトレキサート(リウマトレックス)、抗血栓薬のワルファリン(ワーファリン)、抗けいれん薬のフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)やタクロリムス(プログラフ)、強心薬のジゴキシン(ジゴシン)、ある種の血糖降下薬(オイグルコン、ダオニール、グリミクロン、 アマリール、シュアポスト)、抗ウイルス薬のバルガンシクロビル(バリキサ)、ラミブジン(ゼフィックス、エピビル、トリーメク、エプジコム、コンビビル)、ジドブジン(レトロビル)、ある種の降圧薬や心不全治療薬(レニベース、ブロプレス、アルダクトン、セララ等)・・これらの主作用や副作用を増強するおそれがあります。

【使用にあたり】
  • 病状や治療目的によって飲みかたが違います。用法・用量は医師からの指示どおりにしてください。コップ1杯以上の十分な水で飲みましょう。
  • 指示された期間飲み続けてください。症状によっては少し長めになるかもしれません。自分だけの判断で止めてしまうと、再発したり治りにくくなります。

【検査】

服用が長くなるときは、検査を受けて副作用をチェックするようにしましょう。とくに血液の検査が重要です。

【妊娠・授乳】

赤ちゃんの発育に悪い影響をおよぼすおそれがありますから、妊娠中の服用は避けます。
効能
【一般感染症】
<適応菌種>

スルファメトキサゾール/トリメトプリムに感性の腸球菌属、大腸菌、赤痢菌、チフス菌、パラチフス菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、インフルエンザ菌
<適応症>
  • 肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
  • 複雑性膀胱炎、腎盂腎炎
  • 感染性腸炎、腸チフス、パラチフス

【ニューモシスチス肺炎の治療及び発症抑制】
<適応菌種>

ニューモシスチス・イロベチー
<適応症>

ニューモシスチス肺炎、ニューモシスチス肺炎の発症抑制

【効能関連の注意】
<効能共通>

他剤耐性菌による上記適応症において、他剤が無効又は使用できない場合に投与すること。
<感染性腸炎>

「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
<ニューモシスチス肺炎の発症抑制>

ニューモシスチス肺炎の発症リスクを有する患者(免疫抑制剤が投与されている患者、免疫抑制状態の患者、ニューモシスチス肺炎の既往歴がある患者等)を対象とすること。
用法

【一般感染症】

通常、成人は以下の1日量を2回に分割し、経口服用する。ただし、年齢、症状に応じて適宜増減する。

  • 配合錠:1日4錠
  • ミニ配合錠:1日16錠
  • 配合顆粒:1日4g

【.ニューモシスチス肺炎の治療及び発症抑制】
<治療に用いる場合>

通常、以下の1日量を3〜4回に分割し、経口服用する。ただし、年齢、症状に応じて適宜増減する。

・配合錠(成人):1日9〜12錠

・ミニ配合錠(成人):1日36〜48錠

・配合顆粒(成人):1日9〜12g

・小児:トリメトプリムとして15〜20mg/kg
<発症抑制に用いる場合>

通常、以下の1日量を連日又は週3日経口服用する。

・配合錠(成人):1日1回1〜2錠

・ミニ配合錠(成人):1日1回4〜8錠

・配合顆粒(成人):1日1回1〜2g

・小児:トリメトプリムとして4〜8mg/kgを2回に分割

【用法関連の注意】
<効能共通>

腎障害のある患者には、下表を目安に投与量を調節し、慎重に投与すること。

・30<Ccr(mL/min):通常用量

・15≦Ccr≦30:通常の1/2量

・Ccr<15r:投与しないことが望ましい
<ニューモシスチス肺炎>

小児の用法・用量については、国内外の各種ガイドライン等、最新の情報を参考にして投与すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 多くはありませんが、人によっては飲みはじめにショックやアナフィラキシーを含め強いアレルギー症状を起こすことがあります。とくに、アレルギー体質の人は要注意です(原則禁止)。

もう一つ重要なのが血液障害です。赤血球や白血球または血小板が減少したり、赤血球の異常で貧血を起こしたりします。症状としては、発熱や喉の痛み、皮下出血など出血傾向があらわれます。このような場合は、直ちに受診してください。

発疹や発赤など皮膚に異常がみられたときも、いったん中止し医師と相談してください。発疹は、血液障害や肝障害のサインのこともありますし、重い皮膚障害に進展するおそれもあります。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 血液障害、溶血性貧血..発熱、喉の痛み、だるい、出血傾向(血豆・青あざ、歯肉出血、鼻血、血尿)、息切れ、動悸、黄疸(皮膚や白目が黄色)、むくみ、尿量減少。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 遅発性の重い過敏症状..発疹、発熱、だるい、吐き気、リンパ節の腫れ、皮膚や白目が黄色くなる。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 肺障害(間質性肺炎など)..息切れ、息苦しさ、から咳、痰、発熱。
  • 膵炎..吐き気、吐く、持続的な激しい腹痛、上腹部または腰から背中の激痛、発熱。
  • 大腸炎..激しい腹痛、頻回な下痢、血便、発熱。
  • 高カリウム血症、低ナトリウム血症..だるい、息切れ、脈の乱れ、口が渇く、手足のしびれ、不安感、取り乱す。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・こわばり、脱力、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。

【その他】
  • 食欲不振、吐き気、下痢
  • 頭痛、めまい
  • 発疹、かゆみ、光線過敏症
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye