概説 |
マラリア寄生虫を駆除するお薬です。マラリヤの治療に用います。 |
作用 | 熱帯未開地域の旅行でマラリアに感染するケースがあります。マラリアは、ハマダラカという蚊が媒介するマラリア寄生虫(原虫)により引き起こされます。
このお薬は、血液中のマラリア寄生虫に作用して、その増殖を抑制、制圧します。ことに三日熱に対して効果が高いです。 |
特徴 |
- 南米アンデス山地に自生する“キナ”という木から発見されたアルカロイド成分です。キニーネはキナアルカロイド中、抗マラリア作用が最も強く、昔からマラリアの特効薬として重宝されてきました。現在でも、他の薬が効かない耐性マラリアに用いられています。
- マラリア寄生虫の無性生殖体に対する効果が高いです。一方、胞子体や前赤芽球内発育期の組織型には致死作用はありません。予防効果はあまり期待できないので、予防には他の薬を用いるのが一般的です。
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注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中や、その可能性のある人は申し出てください。
- 服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 肝臓病のある人は慎重に用います。妊娠中は服用禁止です。
- 適さないケース..妊娠中。
- 注意が必要なケース..肝臓病。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 抗血栓薬のワルファリンの作用を強めることがあるので、その用量を減量するなど注意が必要です。
- 飲み合わせに注意..ワルファリン(ワーファリ)、リトナビル(ノービア)。
 【使用にあたり】
- 指示どおりに正しくお飲みください。
- 他のマラリア治療薬と併用することがあります。

- 【備考】

- マラリア寄生虫には、いくつかのタイプがあります。タイプや発育時期によって、薬の効き方が違います。効果がみられない場合には他の薬に切り替える必要があります。ファンシダール、メファキン、ビブラマイシン、ミノマイシンなどが有効です。国内未承認ですが、プリマキンやクロロキンも使われます。
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効能 |
マラリヤ。 |
用法 |
硫酸キニーネとして、通常、成人1回0.5gを1日3回経口服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
おもな副作用は、頭痛やめまい、吐き気や嘔吐、食欲不振、発疹などです。量が多めになると、不安感やイライラ感、混乱など精神的な変調をきたすこともあります。
重い副作用は多くありませんが、視神経障害や血液障害、腎障害などに注意が必要です。目の見え方がおかしくなったり、皮下出血など出血傾向がみられたときは、すぐ医師に伝えてください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 黒水熱..発熱、血尿、皮膚や白目が黄色くなる。
- 黒内障..視力低下、まぶしい、視野に暗点。
- 血液障害、溶血性貧血..発熱、喉の痛み、だるい、出血傾向(血豆・青あざ、歯肉出血、鼻血、血尿)、息切れ、動悸、黄疸(皮膚や白目が黄色)、むくみ、尿量減少。
- 腎不全..尿が少ない・出ない、むくみ、尿の濁り、血尿、だるい、吐き気、頭痛、のどが渇く、けいれん、血圧上昇。
 【その他】
- 食欲不振、吐き気、吐く
- 頭痛、めまい、耳鳴り
- 不安感、イライラ感、興奮、混乱
- 発疹、発赤、じん麻疹
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