おくすり110番
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成分(一般名) メトロニダゾール
製品例 フラジール内服錠250mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗原虫剤/その他/抗原虫剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 原虫や細菌を駆除するお薬です。それらが原因のいろいろな病気に用います。
作用

【働き-1】

トリコモナス症(トリコモナス膣炎)は、おもに女性の膣や尿道に、寄生虫の一種 トリコモナス原虫が感染して起こる病気です。外陰部の痛みやかゆみ、排尿時の不快感、泡だったおりものが増えたりします。

このお薬は、抗トリコモナス薬です。トリコモナス原虫に対し、殺虫的に作用します。トリコモナス原虫がいなくなれば、それによる不快な症状もなくなります。トリコモナス症のほか、嫌気性菌などによる細菌性の腟症にも有効です。

【働き-2】

一般的な抗生物質が効きにくい嫌気性菌による各種の細菌感染症によい効果を示します。偽膜性大腸炎を含めクロストリジウム属・ディフィシル菌による感染性腸炎にも適用可能です。

さらに、胃炎や胃潰瘍の原因菌ヘリコバクター・ピロリ菌に対しても強い殺菌作用を示し、その除菌に第2選択されます。この場合、別の抗生物質のアモキシシリンと胃酸分泌抑制薬のPPI(プロトンポンプインヒビター)といっしょに飲む必要があります。併用により除菌成功率が高まるのです。

【働き-3】

原虫類による赤痢アメーバー、ランブル鞭毛虫(ジアルジア)、さらには毛包虫(ニキビダニ)などにも有効で、これらによる感染症にも応用されます。

【薬理】

微生物のなかで還元されニトロソ化合物(R-NO)に変化、これがDNA合成を阻害し、抗原虫・抗菌作用を発揮します。また、反応の途中でフリーラジカルが生成され、微生物のDNAの二重鎖を切断し機能障害を起こすことで、分裂増殖を抑制すると考えられます。一般的な抗生物質とは効きかたが異なり、原虫や嫌気性菌によく効くのが特徴です。
特徴
  • 古くからトリコモナス症に第一選択される特効薬です。内服錠のほか、膣に直接作用させる膣錠もあります。2012年に公知申請という特例で、その他の各種細菌感染症、原虫症に対する効能も追加承認されました。
  • ヘリコバクター・ピロリの除菌には、3剤併用除菌療法をおこないます(PPI+アモキシシリン+メトロニダゾール)。ただし、第一選択薬とはせず、一次除菌療法(PPI+アモキシシリン+クラリスロマイシン)の不成功例に対してのみ適応となります。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 妊娠中の人は医師に申し出てください。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。

【注意する人】

脳や脊髄に病気のある人は使用できないことがあります。また、肝機能障害があると血中濃度が上昇しやすいので慎重に用いるようにします。

  • 適さないケース..脳・脊髄に器質的疾患(脳膿瘍を除く)がある場合、妊娠3ヵ月以内(有益性が高い場合は除く)
  • 注意が必要なケース..血液疾患、脳膿瘍、肝機能障害、コケイン症候群などがある人

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • 抗血栓薬のワルファリ(ワーファリン)や気分安定薬のリチウム(リーマス)の血中濃度を上昇させ、それらの副作用が強まるおそれがあります。
  • 抗酒薬のジスルフィラム(ノックビン)との併用により、精神症状の副作用が出現することがあります。
  • 抗がん薬のフルオロウラシル(5-FU)や免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)の血中濃度を上昇させる可能性があります。
  • 飲酒は禁止です。併用すると、アルコールによる悪心・嘔吐、腹痛、頭痛、動悸、紅潮といった症状が強まります。エリキシル剤などアルコール(エタノール)を含む医薬品にも注意が必要です。たとえば、エイズの薬のノービア内用液などです。

【使用にあたり】
  • 病状や治療目的によって飲みかたが違います。用法・用量は医師からの指示どおりにしてください。
  • トリコモナス症の場合、ふつう10日間服用します。自分だけの判断で途中で止めてしまうと、再発してしまいます。指示された期間続けることが大切です。
  • ピロリ菌の除菌には、他の2種類の薬とともに7日間服用します。併用薬の一つは抗生物質のアモキシシリン(アモリン、サワシリン)です。もう一つは胃酸分泌抑制薬のPPI(プロトンポンプインヒビター)になります。PPIには、ランソプラゾール(タケプロン)、オメプラゾール(オメプラール、オメプラゾン)、ラベプラゾール(パリエット)、エソメプラゾール(ネキシウム)、ボノプラザン(タケキャブ)などがあります。

【妊娠・授乳】

とくに必要な場合を除き、妊娠中はできるだけ控えます。とくに妊娠初期(3ヵ月以内)は避けることが望ましいです。

【食生活】
  • 飲酒はいけません。薬の影響でアルコールに弱くなり、悪酔いしやすくなるのです。お酒に強い人でも、顔が真っ赤になり、吐き気や嘔吐、腹痛、頭痛など激しい症状を起こすおそれがあります。
  • 尿の色が暗赤色に変わるかもしれません。これは、薬の影響ですので心配いりません。
効能

【効能A:トリコモナス症】

トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)

【効能B:嫌気性菌感染症】
<適応菌種>

本剤に感性のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属
<適応症>
  • 深在性皮膚感染症
  • 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
  • 骨髄炎
  • 肺炎、肺膿瘍
  • 骨盤内炎症性疾患
  • 腹膜炎、腹腔内膿瘍
  • 肝膿瘍
  • 脳膿瘍

【効能C:感染性腸炎】
<適応菌種>

本剤に感性のクロストリジウム・ディフィシル
<適応症>

感染性腸炎 (偽膜性大腸炎を含む)

【効能D:細菌性腟症】
<適応菌種>

本剤に感性のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス・フラジリス、プレボテラ・ビビア、モビルンカス属、ガードネラ・バジナリス
<適応症>

細菌性腟症

【効能E:ヘリコバクター・ピロリ感染症】
<適応菌種>

本剤に感性のヘリコバクター・ピロリ
<適応症>

胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

【効能F:アメーバ赤痢】

アメーバ赤痢

【効能G:ランブル鞭毛虫感染症】

ランブル鞭毛虫感染症

【応用】

クローン病、潰瘍性大腸炎、プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症、毛包虫(ニキビダニ)、歯周組織炎、口臭除去、その他

【効能・効果に関連する使用上の注意】
<本剤をヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる場合>
  • 注意1:プロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾールナトリウム、エソメプラゾール又はボノプラザン)、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシン併用による除菌治療が不成功だった患者に適用すること。
  • 注意2:進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。
  • 注意3:特発性血小板減少性紫斑病に対しては、ガイドライン等を参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行うこと。
  • 注意4:早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。
  • 注意5:ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる場合は、ヘリコバクター・ピロリが陽性であること及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認すること。
用法

【効能A:トリコモナス症】

通常、成人はメトロニダゾールとして、1クールとして、1回250mgを1日2回、10日間経口服用する。

【効能B:嫌気性菌感染症】

通常、成人はメトロニダゾールとして1回500mgを1日3回又は4回経口服用する。

【効能C:感染性腸炎】

通常、成人はメトロニダゾールとして1回250mgを1日4回又は1回500mgを1日3回、10〜14日間経口服用する。

【効能D:細菌性腟症】

通常、成人はメトロニダゾールとして、1回250mgを1日3回又は1回500mgを1日2回7日間経口服用する。

【効能E:ヘリコバクター・ピロリ感染症】

アモキシシリン、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合、通常、成人はメトロニダゾールとして1回250mg、アモキシシリンとして1回750mg(力価)及びプロトンポンプインヒビターの3剤を同時に1日2回、7日間経口服用する。

【効能F:アメーバ赤痢】

通常、成人はメトロニダゾールとして1回500mgを1日3回10日間経口服用する。なお、症状に応じて1回750mgを1日3回経口服用する。

【効能G:ランブル鞭毛虫感染症】

通常、成人はメトロニダゾールとして1回250mgを1日3回5〜7日間経口服用する。

  • 注意1:本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の服用にとどめること。
  • 注意2:本剤をヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる場合、プロトンポンプインヒビター(PPI)はランソプラゾールとして1回30mg、オメプラゾールとして1回20mg、ラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、エソメプラゾールとして1回20mg又はボノプラザンとして1回20mgのいずれか1剤を選択する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用は少ないほうです。ときに、食欲不振、胃の不快感、吐き気などをもよおすことがあります。もし、血便がみられたり、頻回の下痢や腹痛が続くときは、すぐに受診し継続の可否について医師と相談してください。

重い副作用はまずありませんが、大量あるいは長期服用においては、末梢神経障害や中枢神経障害を起こしやすくなります。手足のしびれやピリピリ感、ふらつき、ろれつが回らない、意識障害といった症状に念のため注意してください。もともと、けいれんを起こしやすい人では、けいれん発作にも要注意です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 末梢神経障害..手足のしびれ、感覚が鈍い、灼熱感、ピリピリ痛む。
  • 中枢神経障害..ふらつき、よろける、ろれつが回らない、話せない、手足のしびれ、けいれん、物忘れ、混乱・もうろう状態、幻覚、意識低下。
  • 無菌性髄膜炎..首の硬直、発熱、頭痛、吐き気・嘔吐、意識もうろう。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 膵炎..吐き気、吐く、持続的な激しい腹痛、とくに上腹部〜背中の痛み。
  • 白血球減少、好中球減少..発熱、のどの痛み、口内炎、咳、だるい。
  • 大腸炎..激しい腹痛、頻回な下痢、発熱、血液便、下血。

【その他】
  • 食欲不振、胃の不快感、吐き気、下痢、腹痛
  • 発疹、かゆみ
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye