概説 |
おなかの便を排泄し、大腸検査などにそなえるお薬です。 |
作用 | 
- 【働き】

- 大腸検査(内視鏡やレントゲン)を行うには、腸内をきれいにしておく必要があります。このお薬は、便を水分でやわらかくし、十分に排泄させるのに用います。

- 【薬理】

- 腸内に水分を引き寄せ、便を軟化増大させます。その刺激で腸の運動が活発になり便通がつきます。塩類下剤と呼ばれています。
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注意 |
 【診察で】
- 胃腸の病気や糖尿病など持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中の人は医師に申し出てください。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
- 注意事項や副作用について十分説明を受けてください。

- 【注意する人】

- 腸閉塞のある人、その疑いのある人は使用できません。便秘がちの人も医師に伝えておいてください。また、糖尿病でインスリンや血糖降下薬を使用している場合は、食事制限による低血糖症に注意が必要です。
- 適さないケース..腸閉塞、胃腸管閉塞症、腸管穿孔、中毒性巨大結腸症のある人など。
- 注意が必要なケース..心臓病、腎臓病、腸管狭窄、腸管憩室、ひどい便秘、胃腸の手術を受けたことのある人、飲み込みが弱っている人、高齢の人、インスリンや血糖降下薬を使用している場合など。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 腸管洗浄により、他の薬の吸収を妨げるおそれがあります。服用中の薬がある場合は、事前に医師と相談しておきましょう。
- 絶食する検査当日の朝は、インスリンの注射や血糖降下薬の服用を避ける必要があります。一般的には、検査終了後 食事をとってから再開します。糖尿病のある人は、対処法を確認しておきましょう。
 【使用にあたり】
- 服用前日から便通のないときは、服用に先立ち医師に相談してください。
- 飲む日や時間は医師または薬剤師から指示されます。決められた手順にならい服用してください。
- 万一の副作用にそなえ、家族や付き添いの人のもとで飲むようにしましょう。
- とくに飲み始めのコップ2〜3杯目までは、体の変調に注意しながら、ゆっくりと飲んでください。もし、吐き気や嘔吐、寒気、顔面蒼白、じんま疹、顔や口内の腫れ、ゼーゼーして息苦しい・・といった症状があらわれたら、服用を中止し、直ちに受診してください。
- 強い吐き気や嘔吐、ひどい腹痛が続くときは、医師に連絡するか直ちに受診してください。
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効能 |

- 【内用剤】

- 大腸内視鏡検査、バリウム注腸X線造影検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除

- 【内用液(ムーベン)】

- 大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除
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用法 |

- 【内用剤】

- 本品1袋を水に溶解して約2Lとし、溶解液とする。通常、成人は、1回溶解液2〜4Lを1時間あたり約1Lの速度で経口服用する。ただし、排泄液が透明になった時点で服用を終了し、4Lを超えての服用は行わない。

- 【内用液(ムーベン)】

- 本品1本(500mL)を水で4倍に希釈して全量約2Lの希釈液とする。通常、成人1回希釈液2〜4Lを1時間あたり約1Lの速度で経口服用する。ただし、排泄液が透明になった時点で服用を終了し、4Lを超えての服用は行わない。
- 大腸内視鏡検査前処置(検査当日に服用する場合)..当日の朝食は絶食(水分摂取のみ可)とし、検査開始予定時間の約4時間前から服用を開始する。
- 大腸内視鏡検査前処置(検査前日に服用する場合)..前日の夕食後は絶食(水分摂取のみ可)とし、夕食後約1時間以上経過した後、服用を開始する。ただし、前日の朝食、昼食は残渣の少ないもの、夕食は固形物の入っていない液状食とする。
- バリウム注腸X線造影検査前処置..検査当日の朝は絶食(水分摂取のみ可)とし、検査開始予定時間の約6時間前から服用を開始する。通常、成人は、溶解液の服用開始時にモサプリドクエン酸塩として20mgを溶解液(約180mL)で経口服用する。また、溶解液服用終了後、モサプリドクエン酸塩として20mgを少量の水で経口服用する。
- 大腸手術前処置..手術前日の昼食後は絶食(水分摂取のみ可)とし、昼食後約3時間以上経過した後、服用を開始する。
 【用法関連の注意】
- 排便、腹痛等の状況を確認しながら慎重に投与すること。
- 約1Lを投与しても排便がない場合には、腹痛、嘔気、嘔吐のないことを必ず確認したうえで投与を継続し、排便が認められるまで十分観察すること。
- 2Lを投与しても排便がない場合は投与を中断し、腹痛、嘔吐等がないことを確認するとともに、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、投与継続の可否について、慎重に検討すること。
- 高齢者では特に時間をかけて投与すること。
- 本剤をバリウム注腸X線造影検査に用いる際には、2回目のモサプリドクエン酸塩水和物を投与した後はバリウム注腸X線造影検査までは飲食物の摂取を行わないこと。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
下剤ですのである程度しかたないのですが、吐き気や腹痛を起こしたり、おなかが張ってゴロゴロしたります。また、急激な排便により、めまいがしたり、脱力感や寒気を感じることがあります。強い腹痛や激しい嘔吐など胃腸症状がひどいときや長く続くときは、医師に連絡するか受診するようにしてください。
まれに、ショックや強いアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こすことが あります。前兆として、吐き気や嘔吐、悪寒、めまい、顔面蒼白、じんま疹、顔や口内の腫れる、呼吸困難などがあらわれますから、そのような場合は服用を中止し、直ちに受診してください。
そのほか、腸管穿孔や腸閉塞、虚血性大腸炎、マロリー・ワイス症候群などを起こし重症化する例も報告されています。きわめてまれなケースですが、ともと胃腸に病気のある人やひどい便秘が続いている人、また高齢の人などは要注意です。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎..おなかが膨れる、強い吐き気、吐く、腹痛、血便。
- マロリー・ワイス症候群..激しい嘔吐、吐血、血便。
- ショック、アナフィラキシー..気持ちが悪い、胸苦しい、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔のむくみ・腫れ、のどが腫れゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
- 低ナトリウム血症..だるい、吐き気、嘔吐、意識もうろう、意味不明な言動、けいれん。
 【その他】
- 腹部膨満感、ゴロゴロ、腹痛、吐き気、嘔吐。
- めまい、ふらつき、脱力感、寒気、一過性の血圧低下。
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