おくすり110番
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成分(一般名) メサドン塩酸塩
製品例 メサペイン錠5mg~10mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 合成麻薬/強オピオイド/癌疼痛治療剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
概説 がんの強い痛みをおさえるお薬です。
作用

【働き】

激しい痛みは心身を疲弊させ、平穏な日々を送るのに何よりの障害となります。このような痛みを無理にがまんする必要はありません。昔と比べ、痛みに対する理解が深まり、その治療も系統的にきちんと行われるようになりました。

このお薬には、痛みをおさえる強力な作用があります。とくに持続する鈍痛に効果が高く、一般的な鎮痛薬が効きにくい各種のがんの痛みに有効です。初めから使うのではなく、他の鎮痛薬で十分な効果が得られないがん性疼痛に限り用います。

【薬理】

がん性疼痛に対する抗侵害作用は、おもに痛みの抑制系に働くオピオイドμ受容体を刺激することによります。これにくわえ、神経障害性疼痛にかかわるNMDA受容体を阻害する作用も合わせ持つようです。

【臨床試験】

他の鎮痛薬から、この薬に切り替えた場合の有効性を検証する試験がおこなわれています。参加したのは別の強オピオイド鎮痛薬で効果不十分ながん性疼痛に苦しむ患者さん20人。その痛みの程度は、疼痛強度が11段階で4以上、または鎮痛薬(レスキュー・ドーズ)の頓用回数が1日3回以上の患者さんです。有効性の判定は、疼痛コントロールの達成率(至適用量に到達できた割合)でおこないます。

その結果、疼痛強度が切り替え前の値以下となり、かつ頓用回数が1日2回以下に減るなど疼痛コントロールができるようになった人は20人中で17人、その割合は85%(17/20人)でした。さらに疼痛強度が切り替え前の値未満に低下するなど疼痛が明らかに改善したと判定されたのは13人、その割合は65%(13/20人)でした。他の強オピオイド鎮痛薬で治療困難ながん性疼痛においても、この薬の有効性が示されたわけです。
特徴
  • オピオイドと呼ばれる麻薬系の鎮痛薬です。そのなかでも強力な強オピオイド鎮痛薬になります。WHO方式がん疼痛治療法で第3段階に位置づけられ、中等度から高度のがん痛に適応します。オピオイドとしては、ゆっくりと長く効く持効型で、依存や耐性を生じにくいとされます。
  • モルヒネと同様にオピオイドμ受容体を介して鎮痛作用を発揮します。そのほか、副次的な作用としてNMDA受容体拮抗作用も持ち合わせており、これが神経障害性疼痛や耐性形成の抑制に関与している可能性があります。
  • モルヒネに代表される他の強オピオイドとは効きかたや性質が少し違います。交差耐性が不完全とされ、モルヒネやフェンタニルで鎮痛コントロールが不十分な場合でも高い有効性を示します。このため、標準的なオピオイド鎮痛薬で耐性が生じた難治性がん性疼痛に対する新たな選択肢として期待されるところです。
  • 難点としてあげられるのが、効きかたに個人差があり用量調節が難しいこと、不整脈や呼吸抑制をはじめとする重い副作用の懸念、薬物相互作用を起こしやすい点などです。半減期が長いため過量による体内蓄積を生じやすく、あとから遅発性の副作用が発現したり、重篤な副作用が長く続く可能性もあります。
  • 安易な使用を避けるため、がん性疼痛の治療に精通した登録済みの医師によってのみ処方されます。さらに調剤にあたる薬局では、登録医師による処方であることを確認したうえで調剤しなければなりません。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 別の薬を使用している場合は、その薬を医師に教えてください。
  • 具体的な服用方法、注意事項、副作用などについて十分説明を受けてください。その内容をよく理解し、同意のうえで治療にあたりましょう。

【注意する人】

呼吸の弱っている人、あるいは慢性閉塞性肺疾患など呼吸器系に病気のある人は使用できないことがあります。麻痺性イレウスや出血性大腸炎のある人も禁止です。そのほか、心臓病、低血圧、喘息、肝臓病、腎臓病、てんかん、甲状腺機能低下症、前立腺肥大、胆石、膵炎などのある人は、病状の悪化に注意するなど慎重に用いる必要があります。

  • 適さないケース..重い呼吸抑制、重い慢性閉塞性肺疾患、喘息発作中、麻痺性イレウス、急性アルコール中毒、出血性大腸炎、細菌性下痢症のある人など。
  • 注意が必要なケース..心臓病、低血圧、低カリウム血症など電解質異常のある人、喘息など呼吸器系疾患、肝臓病や腎臓病、脳に器質的障害のある人、ショック状態、代謝性アシドーシス、てんかん、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、前立腺肥大症や尿道狭窄などで尿の出の悪い人、腸に閉塞や通過障害のある人、潰瘍性大腸炎、クローン病、胆嚢障害、胆石、膵炎などがある人、体の弱っている人、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • この薬には不整脈(QT延長)を起こしやすい性質があります。このため、不整脈の副作用をもつ別の薬と併用する場合は、その発現に十分注意しなければなりません。多くの抗不整脈薬のほか、ピモジド(オーラップ)に代表される抗精神病薬、抗うつ薬のクロミプラミン(アナフラニール)やイミプラミン(トフラニール)、アミトリプチリン(トリプタノール)、マプロチリン(ルジオミール)、高脂血症治療薬のプロブコール(ロレルコ、シンレスタール)、抗菌薬のモキシフロキサシン(アベロックス)、抗がん薬のスニチニブ(スーテント)やダサチニブ(スプリセル)などに注意が必要です。また、利尿薬や副腎皮質ステロイド薬の服用で低カリウム血症を生じると、不整脈が誘発されやすくなります。
  • 安定薬や鎮静薬、抗うつ薬など脳の神経をしずめる薬と併用すると、神経系の副作用がでやすくなります。併用のさいは、眠気やふらつき、過度の鎮静、呼吸抑制、低血圧などに留意してください。
  • 便秘や排尿障害を起こしやすくなる飲み合わせもあります。たとえば、かぜ薬のPL顆粒、アレルギー薬のクロルフェニラミン(ポララミン、セレスタミン)、抗不整脈薬のジソピラミド(リスモダン)、頻尿治療薬(ポラキス、ベシケア、デトルシトール等)、抗うつ薬(トリプタノール、アナフラニール、アモキサン等)、抗コリン作用をもつ胃腸薬(ブスコパン、チアトン、コランチル等)やパーキンソン病治療薬(アーテン等)などです。
  • ある種の薬と飲み合わせると、この薬の代謝や排泄が遅れ副作用が強まるおそれがあります。抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)やボリコナゾール(ブイフェンド)、抗菌薬のエリスロマイシン(エリスロシン)やクラリスロマイシン(クラリス)、血圧と心臓の薬のジルチアゼム(ヘルベッサー)、抗うつ薬のフルボキサミン(デプロメール、ルボックス)やセルトラリン(ジェイゾロフト)、制酸・尿アルカリ薬の炭酸水素ナトリウム(重曹)などに注意が必要です。
  • 逆に他の薬の影響で、この薬の血中濃度が低下し効力が弱まる可能性もあります。たとえば、抗結核薬のリファンピシン(リファジン)、リファブチン(ミコブティン)、エファビレンツ(ストックリン)やリルピビリン(エジュラント)などある種の抗エイズウイルス薬、抗けいれん薬のカルバマゼピン(テグレトール)やフェノバルビタール(フェノバール)などとの併用時です。
  • セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品はとらないでください。この薬の作用を弱める可能性があります。
  • 飲酒はできるだけ控えたほうがよいでしょう。めまいや眠気、呼吸抑制などの副作用がでやすくなります。

【使用にあたり】
  • モルヒネなど他のオピオイド鎮痛薬から切り替えて使用するのが基本です。服用量は、それまでの鎮痛薬の種類や使用量、さらに飲み合わせなどが考慮されて決まります。医師から指示された用法・用量を厳守してください。
  • 効き具合をみながらちょうどよい量に調整します。もし、痛みが残るようでしたら、遠慮なく医師に申し出てください。必要に応じ増量可能です。ただし、鎮痛効果が得られるまでに相当の時間がかかりますので、初回服用後あるいは増量後少なくとも7日間は増量しないで様子をみるようにします。
  • 逆に、痛みは消失するものの、眠気が強く昼間からうとうとしてしまうときは、薬の量が多すぎるかもしれません。この場合も、医師とよく相談してください。
  • ゆっくりと長く効くのが特徴です。いわゆるレスキュー・ドーズとして頓服には向きません。急な痛みには別の速効性のオピオイド鎮痛薬を使用してください。
  • 長期使用後に中止する場合は、医師の指示のもと徐々に減量するようにします。
  • 痛み止めとして他人にあげてはいけません。何らかの理由で、不用となった場合は、病院または薬局へ返却してください。
  • 子供の手の届かない、涼しいところに保管しましょう。

【検査】

副作用をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。とくに重要なのが心電図検査と電解質検査です。不整脈(QT延長)の前兆を見逃さないためです。

【食生活】
  • 眠気やめまいを起こしやすいです。車の運転をふくめ危険をともなう機械の操作や作業は避けてください。
  • 強い眠気は過量のサインかもしれません。日常生活や仕事に支障となる場合は、早めに受信し医師に報告してください。たとえば会話中にうとうと眠こんでしまったり、目覚めてもつじつまが合わない会話をする場合などです。さらに、呼吸が浅く速いなど呼吸に異常がみられるなら、直ちに医師に連絡してください。

【備考】

がん疼痛治療のお手本にWHO方式があります。痛みの強さを3段階に分け、段階的に鎮痛薬を選択する方法です。軽い痛みには、まず第1段として一般的な非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs、アセトアミノフェン)を定期使用します。それで効果不十分な中くらいの痛みには、第2段階として麻薬系の弱オピオイド鎮痛薬(トラマール、コデイン)を追加します。さらに第3段階では、第1段階の薬剤に強オピオイド鎮痛薬(モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル)を追加することになります。この薬は第3段階にふくまれますが、他と同列ではなく、難治ながん痛に適用する最後の砦です。
効能

【効能】

他の強オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛

  • 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌

【注意】

本剤は、他の強オピオイド鎮痛剤の投与では十分な鎮痛効果が得られない患者で、かつオピオイド鎮痛剤の継続的な投与を必要とするがん性疼痛の管理にのみ使用すること。
用法 本剤は、他の強オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する。通常、成人に対し初回投与量は本剤投与前に使用していた強オピオイド鎮痛剤の用法・用量を勘案して、メサドン塩酸塩として1回5〜15mgを1日3回経口投与する。その後の投与量は患者の症状や状態により適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用で多いのは、眠気と吐き気、それと便秘です。眠けと吐き気は徐々に軽くなりますが、便秘は長く続きます。つらいときは早めに受診し医師と相談してください。吐き気や嘔吐に対しては吐き気止めで、便秘には通じ薬で対処可能です。

異常に強い眠気がしたり、うとうと意識がもうろうとしてくる場合は、薬の量が多過ぎるかもしれません。ことに高齢の人など、過量による呼吸抑制を起こしかねませんので要注意です。ご家族や周囲の方もその点に気をつけ、異変に気付いたら医師と連絡をとり指示をあおぎましょう。

特異な副作用として、ある種の不整脈(QT延長、心室性頻拍)を誘発することがあります。動悸や脈拍の異常、めまいやふらつき、気を失うといった症状に注意し、そのような場合は直ちに医師に連絡してください。もともと心臓に病気のある人などとくに注意が必要です。

長く続けていると、体が薬に頼りがちになってくることがあります。このとき急に中止すると、吐き気や嘔吐、頭痛、不安感、震えなど反発的な症状が出現します。ただし、がん疼痛治療においては、強い依存性を生じることは少ないといわれています。あまり心配しすぎないで、十分な鎮痛効果が得られる必要最小量を指示どおりに用いることが大切です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 呼吸抑制..息切れ、呼吸が少ない・弱い、不規則な呼吸、異常なイビキ。
  • 重い不整脈、心不全..動悸、脈が異常に遅いまたは速い、脈の乱れ、めまい、失神、息切れ、息苦しい、むくみ。
  • ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 肺水腫、無気肺、気管支痙攣..咳、痰、胸の痛み、息苦しい、ゼーゼー咳き込む。
  • 腸閉塞、麻痺性イレウス..激しい腹痛、吐く、ひどい便秘、お腹がふくれる。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • せん妄、錯乱..もうろう状態、非現実な体験、異常な言動、混乱・興奮、取り乱す。
  • 依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。

【その他】
  • 吐き気、吐く、便秘
  • 眠気、昼間から眠りがち、ぼんやり、意識もうろう
  • めまい、ふらつき
  • 発疹
   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
  









用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。
すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。
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Good luck & Good bye