私を育てて下さった誠の声(肥)
東平安分教会長夫人 大下千香子
結婚して早や二十八年が過ぎようとしている今日、お道のこと、まして教会の事な
ど何一つ知らずに教会へ嫁いで来て、周りの先輩先生方に育てて頂きました。今、私
がその先生方の年令になってきて、初めて人を育てる難しさと、まだ/\私が成人出
来ていない、生み育てる親になれていない事の反省ばかりをしています。 先輩先生
方は、少しの時間を割いてでも、よくお話をして下さいました。今は亡き中野トシ先
生は、「人は宝やで、人を大切にしいや、教会にお参りに来て下さる方には、なんで
もどうでも喜んで帰って頂くようにネ」と、常に口癖のようにお仕込み下さり、又、
「教会に来て下さる人は真実を運んで下さるのや、だから教会に住まわして頂いてい
る者は、誠の心で接し喜んでもらえるようにしなければ」と、一つ/\信者様に仕え
る真実の出し方を何も知らない私に丁寧に教えて下さり「用木は、おさづけを使わせ
て頂き、そのおさづけに神様に働いてもらえるように、日々不足をせず神様に受け
取って頂けるような通り方をするのやで」とも聞かせて頂きました。又、子供や主人
が熱を出していると「あんた、どんな心使ってるのや」と言ってすぐにおさづけを取
り次いで下さった清水美津重先生。また、ある時、子供がおたふく風邪にかかった
時、お母さんに言うと「今日は遠くから松尾先生が帰って来て下さっているから先生
にお話を聞かしてもらい」と言われ、松尾先生は、「あんたなあ鏡を見てみ、おたふ
くの姿を見たらよう解るやろう、プウとふくれんようにな」と言っておさづけを取り
次いで下さり、何も解らない私にその時/\に応じてお話をよく分かるようにお諭し
下さいました。
初めは、何故私ばかりに身上や事情のお仕込みを下さるのかと思いましたが、今に
なって本当にありがたいなあーと思えるようになって来ました。また、大教会へひの
きしんに出させて頂いている時でも、先生方に「唯、ひのきしんをするのやないで、
心におみやげを持って帰るように」といろ/\なお話を聞かせて頂きました。良い、
お話を一杯聞かせて頂きながら、なか/\実行出来ずにいる自分を歯痒く思います
が、こんな私でも親神様の大いなる御守護を頂き毎日を健康に勇んで通らせて頂いて
います。
これからは、人を育てさせて頂く年令 ですから、自分が育てて頂いた事を思い
出し、「育つ努力」「育てる丹精」「一手一 つの和」を常に心に持って、まず自
分から しっかりつとめさせて頂きたいと存じます。