ディジタル回路
 
発振器
2000年05月12日 作成
2014年03月14日 更新

はじめに
以前広く利用されていた LC発振回路 は近年減りました。 多くの回路が半導体によりディジタル化されました。 しかし半導体ではL (コイル) を作りにくいこともあり CR発振 が広く利用されるようになりました。 さらに水晶振動子やセラミック振動子が安価になって、 手軽に高精度の発振回路を作れるようになっています。

CR発振器
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インバーター3個を使った発振回路例を示します。 2段で作る事も出来ますが、2段では発振を開始しない危険性が存在します。 そこで3段の回路をお勧めします。 3段なら、安定な発振回路を作ることが出来ます。
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この回路はCの充放電動作によって1段目の入力端子に 瞬間的ですが電源電圧の1.5倍の電圧が加わります。 インバーターの破壊を防ぐため入力端子に直列に保護抵抗 (Rp) を追加する、など 何らかの対策が必要です。

インバータの一つをNORゲートやNANDゲートに置き換えると 発振動作を停止する事が出来ます。

水晶発振器
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インバータは入力と出力が逆相(180度位相)です。 ここに、さらに位相を180度ずらす圧電型の素子をつけることで合計360度位相となります。 この状態でインバータのゲインが1を越えると発振が始まります。

水晶の代わりに安価なセラミック振動子を用いても同じです。

これらの振動子は機械的な振動です。 電源を投入した際、徐々に振幅が増加して行きます。 発振が安定するまでに 1秒 程度の時間がかかる場合があります。

振動周期が機械的な寸法で決まるために極めて高い精度で発振させる事が可能です。 クオーツと呼ばれる時計は、全てこの水晶振動子を用いた発振回路が使われています。 発振精度は通常10のマイナス5乗程度、つまり誤差は0.001%程度です。 周波数はCinとCoutで若干調整できます。

CinとCoutは振動子の周波数によって最適な値があります。 この定数は水晶振動子のメーカーから指定されます。 値を大きくしてゆくと負荷が大きくなって発振しづらくなりますし、 小さくすると安定性が犠牲となります。


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