或る願い 奴に願う 「返しておくれ あの時を」 奴に請う 「帰っておくれ あの時に」 時の番人よ 「少しの不正を犯しておくれ」 時は正直な奴 狂うことの無い存在でいて 確かに狂った事の無い奴 しかし お前の犯した罪の多さに お前の犯した間違いの多さに お前は 気付いているのだろうか 進むことしか知らぬ奴 振り向くことを知らぬ奴 世に起こる全ての物事が 偶然の為だと言うならば この世が偶然に成り立つ世界なら この世は何と不公平な世界だろう 時よ 時の番人よ 全てなるものの支配者よ 時は刻一刻と過ぎていく そして、この世に物事が起こっている その中において 人が悲しみ 人が泣き 死んでいく 偶然に偶然が重なって 追い込まれた人々の悲しみは お前の責任ではないというのか だから 時の番人よ 「少しの不正を許しておくれ」![]()