僕の物語


時を越えて輝き続けた
彼女の瞳は
僕に何を見出したというのでしょう

彼女の記憶に薄い父の姿は
限りなく白く柔らかい
彼女の心の根底に息づく優しさ?

時代を生き光を失った
彼女の瞳は
僕に何を見出したというのでしょう

彼女の記憶に深い夫の姿は
限りなく赤く燃えたぎった
彼女の根底に息づく青春?

世は巡り人の血は絶えることなく
遠い過去から未来へと
白い心に赤い心を宿しては消え
また それらを育んでいく

僕の時にもそんな心打つ
物語が生きている