岩の心 土道の真ん中に「でん」と居座る醜い岩 どんなに蹴っても叩いても 口元さえゆがめない固い奴 どんなに蹴っても叩いても 自分の心を現さない固い奴 皮だけの物体 どんなに皮を剥いだとしても その皮は尽きることはない 結局 皮だけの奴 笑われても 笑われても それを感じない醜い岩 蹴られても 蹴られても 動かない固い奴 その醜さは その醜さが その醜さに 俺はそいつを正視できない そいつがまっ二つに割れたとき 俺は一粒のダイヤモンドを見つけた 醜い身体の中に仕舞われていた一粒の光 その一粒のダイヤモンドが その一粒のダイヤモンドが 素直な岩の心 美しい純粋な本当の心 土道の真ん中で二つに割れた醜い岩 もう蹴ることのできない 叩くことのできない その身体 後に残ったものは 冷たくなった一粒のダイヤモンド 次第に光を失って 炭素になったダイヤモンドは 知らぬ間に「カサリ」と割れた その醜さは その醜さが その醜さに 俺はそいつを正視することができない