少年

山道でしゃがんでみたなら
ある少年の姿が見えた

たった一人の山道で
頬つたう風は今、晩秋

少年は
植林された杉の木で
かくれんぼして遊んでいる

彼は夢中で遊んでいる
空は青くて 雲も浮かび
水の流れは心地よく

僕は
ひとつの微笑みを残して
通り過ぎていく

おお
強い風が吹いて
山がウォーツと泣いている

多分 彼は怖がって
身を縮めているだろう

僕によく似た少年よ
また会う日まで