星が張り付く暗いとき


星が張り付く暗いとき 
砂地に腰を掛けてた僕は
大きな時計の針を見つけた

地平線の向こうから 
水平線の彼方へと
動く時計の針を見つけた

無数の細かな歯車が 
見えないくらい入り乱れ
時計の針を動かしていた

生意気にもその時計は正確で

一分一秒の誤差も認めず
ねじ一本の緩みも認めず
ちり一つの汚れも認めず

人はせっせと 時計の手入れを務めていた

その滑稽な姿に 僕は笑って言ってやった

『時っていうものは正確だったんですね 人間なんて不正確なものなのに』