一枚の古びた写真に寄せて

セピア色に染まった
古い写真に息づいていた彼女は

僕の瞳を見た瞬間
頬を染めた

この写真は と問うてみれば
生きている人も少ないという過去の遺物

時を超えて生きた人よ

確かに魂は
この写真に捕らわれている様だ

彼女と連れ添う筈だった人は
今ではもう
遠い野原を眺める様な目をした
老いた人

彼女は若くして逝き
そして姿だけが残り

今 僕と出会った