亀裂
不意に踏み外した亀裂の中は
時間の集まる 無重力の世界でありました面積の無い大空間に
色鮮やかな時が集まり別れして
無数に散らばる その風景は
確かに 大宇宙の星雲の姿であったのです自分は 一つの巨大引力に導かれ
光の速さで導かれ
仮死状態で吸い込まれていきまたそこは 総ベての生命の源の時でした
そこは 総べての生命の創造される 星でした荒涼とした地平線が
遠くに繁る 雑林が
ゆったり流れる その大河が
その独特な雰囲気が自分の心を何かで締めつけるのです
一粒の涙が大地に零れ
自分は消えていきました亀裂の中の物語であります