思うに僕は

思うに僕は繰り返し
同じ所を歩いています

飽きることなく
てくてくと
同じ所を
巡っています

レコード盤の溝中を
ぐるぐる走る針に似て

静かに音を奏でています

その音楽の優しさと
その音楽の哀れさに

本音も出せずに僕たちは
それでもてくてく歩きます

思うに僕は
世の中を
平気な顔して歩いています