深夜に

深夜である
明かりを消した部屋の中から
外をぼんやり眺めている

内なる闇と 外なる闇とに同化した
闇なる僕に見えたものは

まばらに光る街の灯と
遠くを行き交う車のライト

ただ それだけ

開けたサッシに寄りかかり
慣れぬ煙草を吸ってみた

視界には
綿のような白煙が
暗闇に溶けていくのが見えた

えもいわれぬ
本当の大気が
僕の身体に浸透していくのを感じた

今は午前二時
深夜である