ぜんまい時計

天の時計が故障した
天の時計が動かなくなった
気まぐれ天使のいたずらなんだと
ある神様が愚痴をこぼした

雲間から見える下界は
蟻一匹の動きもなく
まるで写真のように止まっていた

慌てた神様が力を込めて
身の丈もある鍵で
山ほどもある時計の扉を開いた

なるほど 天使の矢が
時計のぜんまいに突き刺さっていた
ため息をついた神様が
優しく天使の矢を引き抜いた

すると
止まっていた世界が動き出した
何も知らずに動き始めた

それを見た神様は
ようやく といった感じてフッと胸をなでおろした