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 宮城県では仙台市営バスの他に一般路線バスを営業している会社は宮城交通とその系列会社,JRバス東北,山交バス(旧山形交通)のみです.しかも仙台市営以外では宮城交通(以下宮交.宮崎交通ではない)以外はほとんど見ることが出来ません.
 市バスと宮交はライバル会社というよりは共存の形を取っており,一部に重複があるものの中心となっている営業エリアにははっきりと棲み分けのようなものが見られます.
 以前は共通回数券には使用エリアに制限がありましたがバスカード導入後には制限が全く無く,カードリーダーの搭載車であればどちらの事業者発行のカードでも使用出来るようになっています(市内には非搭載の車は無い).また市営地下鉄乗り継ぎ券の発行機は宮交にも搭載されています.
 市バスと宮交の共通路線についてまとめました.
関係の形態
区間
コメント
完全な共有路線
(現在は全て宮城交通に移管され市営バスは担当していない)
(共通定期券があり,市バス発行の時刻表に宮交の時刻も掲載されている)
ただしバス停はそれぞれ立てている.
八乙女駅-加茂五丁目北 加茂小学校経由.賀茂神社経由どちらも有り.
市バスは全便長命が丘二丁目始発. 路線図
泉中央駅-泉パークタウン車庫 全経路(7通り)中5経路について有り.宮交の行先で泉パークタウン車庫となっているが,これは市バスの車庫(宮交は色々な所から回送されてくる.市バスの車庫には入らない).仙台駅発着は宮交のみ.路線図
泉中央駅-将監団地(循環) 循環系統になる前の北回り, 南回り(将監交番前起終点)の時代から全く同じ経路 . 
以前は宮交の一部は鷹の杜北まで延長されていた.また,現在仙台駅発着便は宮交のみ.
経路・区間ともに同じであるにも関わらず,全く独立の形態である線. 仙台駅-長町 市バスは長町営業所,宮交は旧長町ターミナル起終点だがほとんど同じ場所.宮交の大多数は松が丘経由(それでもほんの数百メートルしか違わない)だが市バスと全く同じ経路のもの(八木山市民センター経由)もある.
 宮交の松が丘経由は全便仙台駅起終点だが八木山市民センター経由はなぜか県庁市役所起終点.一方市バスは仙台駅,市役所,交通局起終点と様々.
2000年より1時間に宮交3本,市営1本の体制になった.
宮交に続いて市バスも泉崎一丁目北経由に経路変更した.路線図
区間は同じだが経路が異なる線 市役所前-八木山南団地 市バスは動物公園経由,宮交は鹿野経由となっている.本数としては市バスが圧倒的に多い.路線図
仙台駅-秋保大滝(野尻) 市バスは国道48号経由,宮交は国道286号経由となっている.以前は市営バスも仙台駅前発着の便があったが,現在は愛子駅,陸前白沢駅でJR仙山線に接続する路線に短縮されてしまった.宮交は北仙台起終点から県庁市役所起終点に変更となった.現在は秋保温泉〜秋保大滝の区間が競合となっている.本数は市バス・宮交ともに少ない.一時期宮交の上ノ原行きが森安まで延長となり,秋保大滝発着の1往復も森安経由に変更となったが短期間で廃止となった.路線図
仙台駅-茂庭台・茂庭 宮交は市役所前起終点.市バスは国道48号(大崎八幡宮経由.西道路経由)を通り,宮交は国道286号を通る.茂庭発着は宮交が秋保温泉系統があるため本数がかなり多く,市バスは1日に数本だが,茂庭台団地は宮交にとっては枝線系統になるため少ない.ちなみに茂庭台は市バスは団地内に北側よりはいるため茂庭台一丁目が終点だが,宮交は南側から入るため茂庭台四丁目が終点である.市バスは茂庭台には積極的に本数を投入し,西道路経由も多いので昼間であれば所要時間は宮交に比べかなり短い.
 以前の市バスには茂庭台を通らず茂庭へ行く便もあった.路線図
市役所前-夢メッセみやぎ 宮交は国道45号経由,市バスは産業道路経由である.厳密には起終点は宮交は北仙台-仙台港フェリーターミナル(一部),市バスは交通局-キリンビールである.宮交・市バス共に既存の路線の経路を変更しただけ.本数はどちらも少ないが,宮城交通がやや多い.夢メッセでの催事時には宮城交通が臨時便を出す.
仙台駅・旭ヶ丘駅-宮城学院 もともとは経路も全く同じでありながら,独立の形態をとる路線であった.旭ヶ丘駅発着便は新道経由・仙台駅発着便は旧道経由.市営バスの仙台駅系統は上杉経由がメインで,逆に宮交の上杉経由はわずかであった.市バスは桜ヶ丘経由が新設され現在に至る,2004年には上杉経由と旭ヶ丘駅発着便が急行も含め全て宮城交通に移管された.路線図
長町南駅-尚絅短大(しょうけいたんだい) 市バスは南仙台駅経由,宮交は西多賀経由であった.市バスは太白大橋開通に伴い旧国道4号経由から変更となり,これによって南仙台駅の踏切通過がなくなりほとんどの便が長町南駅へ行くようになった.また以前は別系統であった那智が丘線がみどり台団地の道路開通により統合され,それまで1日数本しかなかった那智が丘地区の乗り入れ本数も大幅な増加となり利便性が向上した.2004年には市バスの全ての便が宮城交通に移管された.路線図

山交バスと仙台市営

 山交バスは高速バスの他に一般路線バスとして仙台駅西口-新庄駅(R48・13経由)の路線があります.
 以前は仙台駅-天童駅の路線もあったのですが1997年に廃止されました.また2000年春までは市バスの仙台駅-作並温泉間の路線と経路的には100%重複していましたが,現在は広瀬通一番町-西道路-熊ヶ根駅前という経路に改められました.ダイヤ上の連携はこれまでにとられていません.山交バスは特急(市バスも平成3年までは急行を運行していた)ですが都市間連絡というわけではなく,作並温泉までで市内に4つほど停留所があり(1区間の乗車も可能)料金は同じです.
 実は山交バスが近年まで西道路に経路変更もせず1社のみで宮城県内に路線を乗り入れていた背景には仙台市交通局も関係していました.
 その裏には前述の天童線があり,40年ほど前に交通局は天童経由で上山温泉に,旧山形交通は山形駅−仙台駅-松島海岸で相互乗り入れという形で合意しましたが,運輸省の認可が完全には下りず山形交通の天童−仙台間のみの認可(もし市バスが上山へ行っていたとしても現在まで存続してはいないでしょう)となった結果です.現在バス停のポールは全て別々に立っており,またダイヤも相互を意識していないあたりから関係が絶たれたように見えますが,山交バスの仙台での折返し場はこの路線のみ仙台市営バス新寺車庫になっていました.
仙台市交通局新寺車庫に駐車中の山交バス
(後方は東北新幹線)

(クリックするとわかりますが,バス後方の柵に"山形交通新庄営業所9:00-19:00"の駐車位置指定板があります)