オーバーホライゾン(ホット・ビィ 1991)
1991年。アーケードにおいては「ストII」がリリースされ、コンシューマでは
スーパーファミコン初期といった辺りの頃であり、1983年以来活躍してきた
ファミコンが、第一線を退きつつあった辺りであった。
が、それゆえにこの頃にリリースされたファミコンソフトは、ハードの
酸いも甘いも知り尽くした作り込みが見られる職人的作品や、もはや治外法権といった
感じのアナーキーin古ハードなソフトが見られる。シューティングで言うと、
前者は「サマーカーニバル'92 烈火」、後者は以前カルトシューティンでも紹介した
「暴れん坊天狗」辺りがそれにあたるだろうか。
この「オーバーホライゾン」も、ひっそりとリリースされた一本であり、俺も
気に留めてなかった(当時はメガドラに移行してたので)のだが、2001年末にもののけさんより
紹介された事を受けてプレイしてみた。
すると、これがなかなかよさげな作品であったので、ここで紹介する次第。
「オーバーホライゾン」は横シューで、ぱっと見は「スペースマンボウ」なんかの
雰囲気を持つ、(基本的に)上下に1個づつオプションがつくゲームとなっている。
ゲームオーバーになったら、そのステージの最初からコンティニュー可能。多分全6面っす。
操作は、FCのAボタンで右攻撃、Bボタンで左攻撃、セレクトでスピードを5段階に変更できる。
また、AB同時押しでオプションのフォーメーションを2種類交互に切り替えられる。
攻撃ボタンは押しっぱなしでOKという親切設計。
左右撃ち分けがある辺り、同社の「鋼鉄帝国」を思い出したり。また、同時押しのフォーメーション
チェンジだけど、Aを押しっぱなしにしてBも押す、といった操作で切り換えができるので、
同時押しという失敗しやすい操作をかなり楽にしている。
あと、スピードチェンジは最初3速で、セレクトを押すたびに4→5→4→3→2→…という感じに
変化する。要は「イメージファイト方式」って事だ。「サンダーフォース方式」じゃないよ。
パワーアップはオプションのほかに武器の変更アイテムが出現する(あと、1UPもある)。
武器はレーザー、ホーミング、ボンバーの3種類。
レーザーはパワーアップするとグラIII風ツインレーザーから極太レーザーに変化する。
ホーミングは誘導性能はそこそこだが、弾速が速いので割と使い勝手は良好。
ボンバーは命中するとそこで炸裂するもの。当然炸裂時にもダメージは与えられる。
どの武器もそれなりに使える(逆に言うと、場面毎に武器を使い分ける必然性が少し薄い)かな?
という印象。ただ、5面ではホーミングがあると結構助かるシーンがある。
パワーアップは取り敢えず何はさておきオプションが欲しいところ。オプションが元気ならみんなが
元気。
さて、いよいよステージを紹介。全6面というと、ボリューム的に不安を感じるかも知れないが、
どのステージも個性的なので速攻で飽きる、という事はないはず。また、ボスも個性があり、
攻略する楽しみは十分味わえる(また、アドリブがそれなりのウェイトを占めるので、パターンはめて
それでオシマイという訳でもないし)。
1面はツタ植物が絡まった地形を進む。花のような敵から大きめの玉がゆっくり飛んでくるのが
ちとウザいのと、ツタで少し画面が見にくいのがちょっと気になる程度で、難易度は低い。
ボスは植物のつぼみ?と護衛のヘビ。このヘビが結構デカい。「ゼロウイング」に似たような
ボスがいたような気がする。いきなりヘビの間を縫って戦うというスキルが要求される。
2面はメカな地形の中を進む。ステージの雰囲気としてはR-TYPEの6面っぽい…かな?
あちこちにスイッチがあり、これを破壊するとシャッターが開いたり閉じたりする。
シャッターが閉じる前に画面前に出ないといけない箇所もいくつかあり。最初は結構戸惑うはず。
あと、ここはレーザーを撃つ砲台が難敵。ついつい忘れてしまう。
ボスは甲殻類を上から見た図、といったデザインのメカ。コイツ自身は左方向にしか攻撃できないが、
シャッターがあちこち開いたり閉じたりしてリアルタイムで地形が変化し、更にボスが動き回るので、
自機のポジショニングとボスの動きの先読みが重要。
3面は氷の洞窟?四角いブロック型の氷を撃つとその方向に動き出す。動いた氷は別の氷などに
当ると跳ねかえって止まる。これを上手い事制御して先へ進まないといけないのだけど、敵の
中にも氷ブロックを押してくる奴がいて、なかなか一筋縄ではいかない。
ボスは巨大な氷に囲まれたコアを持つ奴。上下についた槍を時折伸ばして攻撃してくる。
図体がデカい上に画面上をウロウロ動くので、動作パターンを見切らないと
スリル満点の戦いを強いられる。
4面は砂と岩の惑星。丸い岩が多数浮遊している。
なんか画面上に色数が少ない(ように見える)せいか、この面を見るとMSXのシューティング
をやってる気分になる。所々変な猫のような虎のような岩が火を吹いてきたり、浮遊している岩を
引き寄せる装置があったりする。
ボスは戦艦に4つの変なブロックがついたもの(としか言いようがない)。レーザー発射の前兆を見切って、
安全な位置に退避する事に徹すれば楽勝かも。
5面は要塞の中だけど、所々滝のように水が降っている。これを浴びると下方向に押されるという
「原始島」を思い出すフィーチャーがある。しかもこの面、レーザーを撃つ敵が要所に配置されていて
水に押されながらの戦いはなかなかにテクニカル。面白いのは、水が溢れて下の段に落ちる位置に
自機がいると、水流に流される事。妙に凝ってる。あと、水面にいると自機が水をかき分けるグラフィックに
なる辺りも。
この面には中ボスとボスがいる。中ボスはまぁ普通だが、右側からしかダメージを与える事ができない。
大ボスは流行りモノの巨大戦艦。このゲームでは「サンダークロス」風に、
長い腕の間に挟まって、上下や前からの攻撃を避けつつ戦うというスタイルになる。
6面は多分最終面(済まん、まだ解いてないの)。巨大戦艦の内外を行ったり来たりして戦う。
ちょっと分かりにくいんだけど、緑色のゲート?の間に行くと場面が切り替わるというようになっていて、
何シーンからか構成されている。ステージ自身もそれなりに狭く、敵の攻撃も結構激しい。一部
複数のゲートがあって、ゲートを間違えるとステージの前の方に戻されるというフィーチャーがある
辺り、家庭用だなーって感じ。あ、これ使えば永久パターンできるな。
ラスボスは上下の触手と弱点からの攻撃。上下の触手はうねうね動いているだけだけど、自機の
行動範囲がかなり狭められるのでかなりうっとおしい。この状況下で、弱点からの攻撃を避ける。
なお、弱点からの攻撃は2段階ある事は確認済み。
これがまたアドリブと覚えを上手く要求される作りになっていて、とても楽しい。
さて、こんな感じで駆け足で「オーバーホライゾン」を紹介してきた。ただこれだけだと、
「FC末期にそれなりの完成度でリリースされた横シュー」になってしまうのだけど、このゲームで
面白いのはオプション画面。
難易度変更とかはできないのだが(できないのかよ!)、先に紹介した3種類の武装の
パワーアップ段階を変更したり、オプションのフォーメーションを変更
したりできる。実は武装のパワーアップ段階の変更?というのが正直どう変わるのかよく分からない
のだが、オプションのフォーメーションは見た通り。
自機の周囲数キャラ分の四角形の範囲に自由にオプションを配置できる。もちろん、切り換える2種類の
フォーメーションのいずれも配置可能。
とは言え、デフォルトのフォーメーションで結構戦えてしまうため、ちょっと意義は薄いかな〜と
思わないでもない(ただ、フォーメーションを変えないと辛い戦いを強いられる、というのも
ユーザーフレンドリーじゃないんで、これは止むを得ない事なのかも知れないけど)。
アーケードものに比べると、流石に緻密さ等では劣るが(結構アドリブ主体?)、それでも
家庭用で横シューの醍醐味の一つである「ギミックを楽しむ」事は十分に可能。
結構横シュー初心者向けかもね〜なんて思ってしまうが、今更FC持ってて横シュー初心者で
横シューをやってみようかな…なんて人がどれくらいいるのかねぇ。
ま、それはともかく中古で変なプレミアがついている訳でもないようなんで、興味を持った人は
プレイしてみてはいかがか?PSGそのまんまのBGM(SEで1音減っちゃう辺りのワビサビも)も
味わい深いぞ。