疾風魔法大作戦(ライジング・エイティング 1994)
1993年、彩京とライジング・エイティングのアーケードデビューによって
シューティングの復権が始まったという見方は、割と多くの人の支持を受けられる
ような気がするね。
まぁ実際、これ以降コンスタントに縦シューがリリースされるようになったと思うし。
で、そのシューティング復権に一役買ったと思われるライジング・エイティングの
ちょっと御乱心ぎみな作品がこの疾風魔法大作戦。
ライジング・エイティングはゲームタイトルのセンスがお世辞にも今風とは言いがたい。
つーか、今時造語でタイトルつけるメーカーなんて貴重もいいとこだと思うんですよ。
ガレッガって何さ?バクレイドって?80年代前半のナムコじゃないんだから(もっとも、
タイトルから受けるイメージの方向性は全然違うが)。
第1作からして「魔法大作戦」ときた。もともとこれは「魔法大戦争」というタイトル
だったというが、いずれにせよカタギのタイトルではない。余談だが、この
「魔法大作戦」のロゴはステキ過ぎて語る言葉がありません。
その続編がリリース!タイトルは!?「疾風魔法大作戦」!
「KINGDOM GRANDPRIX」というサブタイトルでごまかし?てはいるものの、
そのアマチュアの恐ろしさの片鱗を感じさせるタイトルセンス。
田沢&松尾コンビならずとも、「また何ぞ悪い予感がするのう」
と呟いたことだろう。
悪い予感は的中。つーか、1994年のこの時代において、
「レースとシューティングのドッキング!」
といういかがわしさガモガモな内容はどうですか(聞くな)?
しかもドライバーズポイントなんてのまでついてて、力の配分を間違ったとしか
思えない作り。
ショットボタン押しっぱなしでハイパーブースト?加速中はショット撃てないってか!
この1項目だけで、すでにゲーム性破綻の予感がしまくりですな。
実際レースで勝つためにはスタートダッシュでボンバーを使ってライバルを落とし入れるか、
もしくはショットを撃たずに安置にいながらハイパーブーストでひたすら耐える必要が
あるという…。
しかも「2周目に行くためには1周目のドライバーズポイントで総合優勝しないと
いけない」という条件つき。つまり、2周目を拝もうと思ったら、
シューティングを捨ててレースで勝つ攻略法を組みたてないといけないという寸法!
なんつーか、プレイヤーを変な方向の制約で縛り付けてるような作りなのでぃす。
ステージも、2〜5ステージまでは2コースから選べ、最終6面は3コースから
選べるのだが、2周目は1周目で選ばなかった方をプレイさせられる。
よって、2周クリアするなら1周目はわざとに難しいステージを消化しておくという
作戦も必要に!
これを「面白いやん」と思うか、「中途半端なシューティング作って変なとこ凝ってんじゃ
ねぇ!」と思うかは人それぞれだけど、1994年という時代においてはかなり「浮いた」
存在だったと思う。
だって、AというジャンルとBというジャンルを合わせてなんか新しげなゲーム性を
作ってみたゼー!というゲームが多く出たのはファミコン時代からせいぜいその次の
世代(PCエンジン、メガドラ、スーファミ辺り)くらいまででしょ?
とりわけアーケードのシューティングはマニア指向が強過ぎた反省と「雷電」のヒット
から、「ルールがシンプルで、プレイヤーが自分はシューティングが上手いと勘違い
できるようなゲーム」というスタイルが手堅い!とどこも思っていた時期だと思う
んですが。
で、レースを捨ててシューティングを楽しもうとしても、敵弾を避けている間に
後続のキャラが自分を追い抜く際に激突した反動で敵弾に突っ込むという、
プレイヤーにとってはなんとも理不尽臭いシーンなどがあったりして、
「ジャンル複合モノの多くは、複合したジャンルが本来持っていた面白さを
壊してしまっている」
という経験則をさらに強固なものにする一事例になってしまう始末。
決して成功した作品とは言いがたいと思うのですよ。
けど、細かい部分で面白いと思ったことが多くて、
ステージとキャラの間にスピードに関する関係があったり
(あるキャラはこのステージでは速い、一方このキャラは逆に遅いといった感じ)、
ショットを撃たずにハイパーブーストでひたすら好タイムを狙ったり(そういや、ステージ
でのコースレコードでも名前入れがあるのな)、
その日の調子で次のステージの作戦を立てたり(今回このステージで1位落としたから、
このステージでは開幕ボンバー使ってもトップを取ろうとか)なんて
ことやったりしてたのだ。
ステージ終わってドライバーズポイント一覧を見ながらポイント計算したりしてな。
シューティングとしては荒っぽい作りな印象を受けやすく、いかにもライジング・エイティング
といった感じ(ライジング・エイティングのシューティングって、最初かなり
荒っぽく作ってるような印象を受けないすか?俺はそうなんですが(例外:蒼穹紅蓮隊
))。
自機も敵とごっつんごっつん衝突するし、こっちが苦労してボスと戦っていると
横からスーッと追いぬいて行ってしまうし。
そしてドライバーズポイントも、乱戦気味になることもあれば、本命vs対抗、あとは
ザコという展開になることもある。結構ランダム性が強いらしいのだ。
ゆえに、その日の前半レースでおおよそ見極めなんてやりながら、後半戦マークすべき輩
をチェックしておいたりする必要があったり。
まぁ実際そこまできっちりやってる奴なんていなかった(つぅか、俺の周辺で
プレイしてた人って聞かないなァ)けどな。
あと、このゲームは「ステージ毎」にBGMがある。
で、先に述べたように、ステージ2以降はコースを選べる。
つまり、同一ステージの違うコース2つ(ないし3つ)に同じBGMが
割り当てられているということになるのだが、
これが上手いことに、どちらのステージの雰囲気にも合う(違和感が少ない)
BGMになっている。
まぁステージ2だったら、どっちもサワヤカさんな太陽の下でレースを繰り広げるナリよ〜!
といった雰囲気なのでまぁ当然といえば当然なのだが、
ステージ3:「空中戦艦どうしが交戦中のシーン」と「巨大ドラキュラの館」
ステージ5:「ウッソウとした森」と「高高度での空中戦」
ステージ6:「首都に戻って障害物の多いレース」「コボルドたちが建てた宇宙に届くタワー」
「忍者屋敷」
という、節操のないとり合わせにおいてもそれを保っているてのはちょっとイカすとか
思ったり。偶然ですか?ひいきですか?すいません。
自機の性能については結構格差があって、格闘じゃないからまぁいいんすけど、
ブルギンとオネストジョン辺りはちょっと辛かった。ニルヴァーナとミヤモトが
楽かと思われる。
ライジング・エイティングの初期の2作品(「魔法〜」と「疾風魔法〜」)は、それ以降
の作品(要は「ガレッガ」以降)と違う、ラフな印象に溢れまくった、新参メーカー
らしさに溢れた作品だと思うんですよ。
参入当初からかっちりした作りだった彩京と好対照だなぁとか思います。