神怪戦(KAZe・メルダック 1990)

ゲームボーイに登場した、異色の妖怪シューティング、それが天神怪戦だ。 ファミ通巻末の新作紹介記事に掲載された時の写真を見た時(もう15年くらい前かよ)、
「これは面白そうだぜ!」
と思ったもんでしたが、ここへ来てスーパーゲームボーイ2と共に購入(単に思い出したとも言う)。 15年越しの思いの結末や、いかに?

操作はレバー操作とAでショット、Bでフォーメーションチェンジ、A+Bは先頭のキャラによる 一定時間無敵の妖怪変化アタック(足軽は散華するだけ)。妖怪変化アタックの時間はかなり長いが、 その後先頭だったキャラは死亡というものスンゲェボンバー攻撃である。更に恐ろしいのは これが残り1人の状態でも実施できるという事で、間違ってAB同時押しした日にゃあーた。
ステージ最初に誰を雇うか決定し、あとは道中を進む。各メンバーは体力制で、体力がなくなると いなくなってしまう。
全6面。どうもマルチエンディングらしく、その条件は最終面クリア時に巫女を連れているかどうか らしい。すまんが確認できず。

プレイヤーが操作可能なキャラは以下の通り。

足軽
一人旅:△
道連れ:×
前方に単発のショットを発射する。悲しいほどにシンプルなその攻撃は いやがおうにも将棋の「歩」を思い出さずにはいられない。
一人旅していると敵の撃ちもらしが多く、それだけ弾を撃たれる機会も増えてしまう。 敵を撃てないから金も貯まらないという悪循環で、ステージが進むほどジリ貧に 陥る。射程距離が長く、弾速が速いというメリットはあるが、遠くからのスナイピングじゃ 小銭が拾えねぇ〜。
道連れ時も単発では当たり判定の拡大を補えるほどのメリットを見出せず。うーん。
ただし、足軽4人による「ファンタスティックフォー」プレイはなぜか非常に熱くなれるので一度は やってみよう。

一人旅:△
道連れ:○
前方に並行ショットを単発発射する。ただ射程距離は短め。このため強制的に敵と 近距離戦をする羽目になるのがちょっと怖い。
しかし並行ショットゆえに上下に幅があるため、多少ズレた位置から撃ってもOKというのが、 狙い撃ち主体のこのゲームにおいて、多少プレイヤーに余裕を持たせてくれる要素と なっている。
同様に道連れ時であっても、上下に移動しながら攻撃する事で、敵の攻撃から逃げながら ショットしたり、単純に攻撃範囲を広げたりする事ができる。 ただしボス戦ではちょっと役に立たない。

忍者
一人旅:○
道連れ:○
前方に2連射可能なショットを発射する。この単純な事実だけで、一人旅プレイ時において 最もマトモに遊べるキャラに仕上っている。
道連れにした場合も、とりあえず2連射である事が幸いしてそれなりにフォローしてくれる。 まぁお供にしても損はないのでは?

僧侶
一人旅:△
道連れ:○
前方斜め2方向にショットを発射する。単発であるし真正面が隙になってしまうが、 この微妙にクセのある性能が挑戦心をかきたてられる。
至近距離で戦いを挑めば縦に2,3匹並んだ敵を一掃できるし、画面左に真っ直ぐ 弾を撃つ敵が結構多いこのゲームにおいては、敵の死角である斜め方向からの攻撃が 可能というメリットがある。
またこのクセのせいか、道連れのお供につれていった時も意外と敵を倒してくれるので、 結構使えるキャラとなっている。

巫女
一人旅:×
道連れ:×
上下にショットを発射するというアナーキー極まりない攻撃をする。その性質のため、 一人旅は無謀の一言。っていうか、ラスボスはまず倒せネェ。
道連れにする場合も、上下からの敵の攻撃は数が少なく(嫌らしい攻撃ではあるけれど)、 金と当たり判定のリスクを負ってまで連れ歩くほどではない。

このゲーム、俺が紹介記事で目を惹かれただけあってドット絵が良く出来ている。 別にグラデーションを多用してモノクロながらも味わい深い絵を作っているとかそういうんではなくて、 もうなんというか、古き良き時代の純粋ドット絵という感じの敵キャラがお見事と言いますか。 どのキャラ(敵味方とも)もうまい事特徴づけている上に背景(障害物)も丁寧にドットが打たれているため、 画面がきれいにまとまっており、結果として見た者に何かを期待させる絵になっている。
最近こういう、「画面写真だけで何かゲームシステムや動いている光景まであれこれ想像してしまえる」ゲームって 少ないような気がする。ポリゴン絵は完全サイドビューとか完全トップビューってなかなかないからかも知れないが。
そしてBGM。こちらも結構なもんで、特に1面&4面のBGM、三味線の軽快さを再現してて耳に残る。
という訳で、第一印象は結構良さげなゲームに見えるのだ。だが、惜しい!と思われる点がやっぱりあるのだな。
このゲームの惜しいと思われる点を挙げるなら、パーティプレイ(複数キャラで 進むこと)が単純に辛い、この一点に尽きるのではないだろうか。
ゲームボーイというハードの制約上、画面の広さと比較して明らかに キャラクタの占める比率が大きくなってしまうのはやむを得ない事実。 それが複数人数のフォーメーションを組んでみなさいよ、画面上で占める面積は 宇宙戦艦ゴモラ級ですぜ。キングスナイトの最終面が可愛く見える。
そんな訳だから、3人以上のキャラで行こうとすると、出現即破壊以外に生き残る 術はない。しかし各キャラの火力はとても貧弱でギャラクシアン、ムーンクレスタ レベルでしかないときている。一本の矢は三本集まってもただの矢でしかなく、 むしろかさばる分だけ厄介度が増しているんだからなぁ。
そして一人旅を結果的に推奨してしまっているのが店のアイテム。まずは品揃えを見ていただこう。
薬(180文)
先頭のキャラが体力3回復。

団子(200文)
全員の体力が1回復。

酒(400文)
全員の体力が3回復。

お札(400文)
キャラクタが変化する。どのキャラに変身するかは決まっている模様。 取り敢えず通常は買う必要なし。因みに一旦変身したキャラがもう一度お札を買っても 変身しないらしい。
変身は、「忍者→僧侶」、「僧侶→巫女」、「足軽→侍」
巻物(400文)
お札とは逆にキャラが変身する。お札で変身したキャラはこれで元に戻る事ができる。
さてこの品揃えの何がキツいのかというと、製作者の当初の意図と違って必要アイテムは薬 一択になってしまう辺りなのだ。
製作者は当初パーティプレイを想定していたと見える。パーティプレイだと、 団子や酒といった集団回復アイテムと安いけど先頭キャラしか回復しない薬と どっちにするネー、といった悩みどころが生じる。薬の180文というビミョーな 価格設定も多分にこれを意識したものであったはず。
ところが前述のように1人旅で行くことにすると、薬以外アイテムはいらないという話に なるし、その薬は何より1人旅であれば文句なしのコストパフォーマンス。 という事は、店が単なる回復所になって、折角の買い物シーンが単調になってしまうのだ。
ただ、このゲームは確かに忍者一人旅でやればかなりクリア率は上がる(しかし単調) ゲームだが、そこを敢えて複数人パーティでプレイするというイバラの道に 踏み込む事で、更なるやり込み甲斐が出てくるというのもまた事実。 3,5面に登場する体力回復の坊さん、尼さんもあるし、結構なんとかなる。
実際俺も今回この文章を書くに当たって、パーティプレイを何度かやっていた訳だが、 当初考えていたよりもなんとかなってしまっている事に気付いた。 更に連れが敵弾に当たらないように気を使ったり、最終面の炸裂弾のような非常にかわし辛い敵に ついては、一番体力の多い奴に対して炸裂弾が炸裂する前に体当たりさせて消してしまったり なんて作戦をとったりして、ごく単調な一人旅よりもゲームに起伏が生まれて正直楽しい。

昔のゲームでよくあった、「敢えてリスクを負うプレイをする事を楽しむ」という スタイル。このゲームはそれを半強制的にやらされてしまうという割ととんでもない ゲームなんだけど、そういうのに波長が合ってしまった人も結構いたんじゃないかなぁ。
今のゲームはその「敢えてリスクを負う事で高得点などが得られる」といった内容の ゲームが多いけど、そんなんじゃなくてなんの見返りもない(製作者からも与えられない) リスクってのがゲームにはあって、それはきっと余裕を持ってゲームをプレイしないと 得られない感覚なんだと思う。 最近のゲームにだってそれはあるはずで(だってプレイヤーが勝手に背負うリスクなんだし)、 近頃感じられないというなら、それはきっとプレイしている我々自身がゲームプレイに余裕を 持って望めてないって事なんじゃないだろうか。

ところでこのゲーム、面セレクト、お金が最初から10000文手に入るなどの隠しコマンドが あるらしいのだが、スーパーゲームボーイじゃできないっぽい。これがあればエンディングの 確認とか楽だったのだろうがねー。

Location

PaCIfIC PASSER-BY/ Cult Shooting 100/ 天神怪戦