か行


 カンフー・マスター ! 


    
Kung-fu Master ! ('87) フランス
監督:アニエス・バルダ 出演:ジェーン・バーキン、シャルロット・ゲンズブール

タイトルだけだとジャッキー・チェンの映画?と間違えそうですが、内容は自分の子供と同い年の14歳の少年と恋に落ちてしまう40歳の母とのラブストーリー、…いかにもフランスな作品。
なんとも生々しい題材だけど、バーキンだからこそ回避できるんだなと。
ちなみにタイトルは恋に落ちる二人が好きなテレビゲームです。
そう、日本製のファミコンゲームのアレです(笑)
ラストはホロ苦いです、はい。


 吸血鬼ボボラカ 


    
Isle of the Dead! ('45) アメリカ
監督:マーク・ロブソン 出演:ボリス・カーロフ、エレン・ドリュー、マーク・クレイマー

戦時中のギリシャで伝染病が蔓延する。
迷信家から悪霊ボボラカが若い娘に取り憑いているからだと言い出す。

あのー、吸血鬼なんていないんですけど…。
せめて「悪霊ボボラカ」なんじゃ…。
と、タイトルだけ見ると怪しさ炸裂してますが、どっこい内容は結構恐かったです。
閉鎖的で追いつめられた人間の姿が実に恐いもんだな、と。
でも一番恐いのは、カーロフの顔なんですけど。


 キラー・スノーマン 


   
Jack Frost ('96) アメリカ
監督:マイケル・クーニー 出演:クリストファー・オールポート、ステファン・メンデル、スコット・マクドナルド、ロブ・ラベル

5年間に38人殺人を犯したシリアルキラーがとうとう捕まり、死刑執行のため護送される。
しかし、護送中に衝突した遺伝子研究所の薬を浴びシリアルキラーがスノーマンに変身して逃亡する。
そしてスノーマン大会が催される街で殺人を重ねる。

邦題だけで、絶対見ようと決めちゃいました。
タイトルで期待してたとおり、素晴らしきB級映画です。
無邪気な笑顔のスノーマンが殺人を犯すだなんて恐いでしょー!って、10年以上前の「チャイルド・プレイ」のチャッキーじゃーん!
ソリと頭がぶつかっただけでスコーンと頭飛んじゃって、駆けつけた警察はすっ飛んだド頭をビニール袋に入れちゃって、市場で買った野菜の様に持ってくし。
なんかおかしいなぁ…?って思ってたら、これコメディみたいです。ホラーコメディ。
惨殺シーンなんかノリノリ・ロケンローで、しょぼい人工雪なんか諸戸もせず、暴走するスノーマンは結構面白かったり。
バカバカしさが愛しさに感じてくるとは…。
スノーマンの作り物相手に格闘してるあたり、エド・ウッドの意志を継ぐモノだわ(笑)

…スノーマンとファ○クシーンなんかあるんだぜ。
  


 恋する女たち 


    
Woman in Love ('69) イギリス
監督:ケン・ラッセル 出演:アラン・ベイツ、オリバー・リード、グレンダ・ジャクソン

1920年代のイギリス。炭坑町に住む姉妹。
教師の姉は町の視学官と恋に落ち、一方、彫刻家の妹も炭坑主と恋におちる。
保守的な社会の中で、2人は互いに傷つき合い正反対の結末を迎える。

タイトルは「女」ですが、内容は「男」ですな、「恋する男たち」(笑)
姉側の恋人アラン・ベイツが、常に劇中語っている「愛」についてが、この映画の主軸となって、二つのカップルを投影してゆきます。
男と女の愛を欲する姉、その愛とは違う愛だと感じた妹、寂しさから妹に癒しの愛を求めた男、男女間の愛と同性間の愛の二つとも欲した姉の恋人。

ケン・ラッセルのエキセントリックな演出(突然踊り出すシーンや、セット美術っだったり)、特に妹役のグレンダ・ジャクソンを通して見ることができます。
しかし、それを狂気と見せない圧倒的存在感をアピールしたジャクソンに、惚れてしまった…。
目がね、目が、シャーロット・ランプリングに似ているの。
ちょっと退廃的なあの目が。
いい女だ。うむ。


 殺しの接吻 


    
No Way to Treat a Lady ('68) アメリカ
監督:ジャック・スマイト 出演:ロッド・スタイガー、リー・レミック、ジョージ・シーガル

これ、日本未公開、その上ビデオ発売すらしてないんですよね。いや〜、もったいない!
つい先日「夜の大走査線」を見たばっかりなもんで、犯人役のロッド・スタイガーの異様な役どころは目を疑っちゃいました。
マザコンで少々トロい刑事と、これまたマザコンの犯人が何度も電話で会話を交わす内に、何かを通い合わせる。
マザコン同士だなんて、それだけで妙ですよね、ロッド・スタイガーの変装っぷりも変態ちっくだし。
ブルース・ウィリスの「ジャッカル」とロッド・スタイガーの変装レベルが同じ…否、スタイガーの方が上かな。
90年代という時代で30年前の同レベルの変装してちゃあいけませんな、ウィリスのおっさん!
スタイガーのホモちっくな変装&シーガルのモッサリなルックスが素敵な、結構お気に入りの映画です。


 殺しの分け前 ポイント・ブランク 


    
Point Blank ('67) アメリカ
監督:ジョン・ブアマン 出演:リー・マービン、アンジー・ディッキンソン、キーナン・ウェイン

親友と妻に裏切られた主人公が執拗なまで追い続けるハードボイルド・アクション。

出だしから格好良いなぁ。マービンが何故倒れていたかをカットバックで見せ、彼がゆっくりと立ちがあり物語がスタート。
きゃー!男の映画です。骨太な男臭いハードボイルド!
アラン・ドロンの「サムライ」みたいな線の細い男映画とワケが違う。
男前じゃハードボイルドは成り立ちません。ブロンソンやマービンみたいな岩男系でなくっちゃ。
映像の撮り方ひとつひとつが緊張感あって、わたくしドキドキしっぱなし。
しつこいですがオープニングからにして、カットバック手法が随所に見られていて、独特の映像を堪能させて頂きました。

やっぱマービンはジャームッシュに似てるわぁ。