や行


 予告された殺人の記録 


   
Cronaca di una Morte Annunciata ('87) イタリア=フランス
監督:フランチェスコ・ロージ 出演:ジャン・マリア・ボロンテ、ルパート・エベレット、オルネラ・ムーティ、アントニー・ドロン

宗教色が強いラテンのとある町で起きる不条理な殺人事件。
十分すぎる殺人予告がありながら、一人の男は殺されてしまった。
本当の事実を探るべく、親友だった男がその町で調査を始める。

サスペンス色が強いと思った本作でしたが、異国の男ルパート・エヴェレットと町の娘オルネラ・ムーティの恋を美しいセットと音楽で綴られています。
本当の事実はどこにあるのか、分からないままエンドマークを迎えますが、それがロージの答えなのかも。
閉鎖的な町だからこそ、納得いかない殺人事件が起きたこと、起こしてしまったことが…。
否、その前に訪れるあの二人の出会いがかもしれません(ネタばらしになりそうなので誰かは言わない)。
言ってる事がわかりませんよね。具体的に上げちゃうとネタバラしそうなんだもん。
ただはっきり分かるのは、アラン・ドロンの息子アントニー・ドロンは涼しげなお父様と違って暑苦しい顔立ちだってこと。
眉毛つながってるのよ〜。
  


 夜ごとの美女 


  
Les Belles du Nuit (52) フランス
監督:ルネ・クレール 出演:ジェラール・フィリップ、ジーナ・ロロブリジーダ

ジェラール・フィリップ作品の中でも好きな作品の一つであります。
古典劇&悲劇を演ずるフィリップも素敵なんだけど、こういったロマンチックな役所はこういう(男前な)人でなくては、私は夢見る乙女になれないのであります(笑)
夢から夢へと渡り歩くフィリップはさながらコスプレ状態。映画を見ている乙女たちはフィリップと共に夢へ誘われてゆくのです。
ロマンスあり、アクションあり、ドタバタあり、気のいい下町の人々あり、となんだかイタリア映画みたいなの。
最後にフィリップが生歌聞かせてくれるけど、お上手じゃありません。
彼の場合、いろんな面で天は二物を与えてますが、歌だけは与えてなかったみたい(笑)
クレールの下町情緒溢れる映像は、デ・シーカ、ジェルミと並ぶお気に入りなんです。

あ、そうだ、ロロブリジーダはやっぱ綺麗だぞ。