狂宴―――――めそ様





 恐怖なんて、今まで感じたことなどないに等しかったはずなのに。
 死んでしまいたくなるほどの恐怖を味わっている。
 眠るのが、怖い。目を覚ましているのも、怖い。
 眠ればまた、あの夢を見る。起きていればまた、奴が来る。
 いいように貪られ、プライドを踏みにじられる夢。
 いいように貪られ、プライドを踏みにじられる現実。
 誰でもいいから、助けて欲しい。
 誰でもいいから。

「アッ…はぁ…」
 ぬるり、とした何かが体の上を這いまわっている。
 それがなんなのか知っている。
 一匹の巨大な蛇と無数の小型の蛇。
 赤い目をして、嘲り笑うように自分を見ている。
 腕は頭上で闇に絡め取られ、動かすことができない。
 夢だと分かっているのに、逃れられない。
「愚かな…八神」
 大蛇が笑う。
 ソレは徐々に姿を変え、見知った者に…。
 オロチ。
「我と共に生きていれば、このようなことにはならなかったものを」
 ずるり、ずるり。
 蛇が、足に絡まる。
「…ク……あっ!」
 体を回すようにして、一匹の蛇が体内に潜り込んでくる。
「うぐ…ぐっ…ぅう!!」
 体内に、もう一匹潜り込んできて。
 自身には二股に分かれた蛇の舌。
(助けて……)
 いくら心の中で悲鳴を上げようとも、助けなど現れない。

「ふうっうっ…ぐぅぅ!!」
 体内に巣くう蛇を、オロチが乱暴に引きぬく。
 必死で声を上げるまいと、唇を噛み締めても。
「声を聞かせよ」
 そう言われれば、戒めを解いてしまう。
 言いなりの人形。
「アッ…ああっ、あう…っ!!」
 ぐちゃり、と。
 オロチが体内を抉る。
 後ろから獣のように犯されて。
「これは我の夢。我が望めば、この世界では現実になる」 
 ぞくん。
 背筋を駆ける凄まじい快感。
 オロチは何を望んだ?
「我の望みとは、八神が我を受け入れ、身も世もなく乱れること」
「あは、あ………っ……、―――――ッッ!!」
 息が、詰まる。
 声が出ない。
 この快感は、強すぎる。
 どくり、と自身が脈打って。
 先端から白濁した液が溢れる。
 それに蛇が。
 水を求めたかのように、群がる。
 その淫猥さ。
「―――っ! ひぃぃぃっ!!」
 足りないとでも言うように、蛇が自身に絡み付き。
 尿道の奥深くまで。
 その二股の舌を挿し入れた。
「ああ…あぁは……も、う…いっや…ぁ…、や…だぁっ!」
 オロチが体内を。
 蹂躙し尽くす。
 乾くことのない、涙。
 途切れることのない、嬌声。
 早く。
 早く、解放されたいと。
 泣いて許しを乞うても。
 オロチは攻めの手を休めない。
 肉体のない、精神だけの状態だからなのか。
 オロチは決して果てようとはせずに。
 熱く太い楔は、体内に納められたまま。

「っふ…あああああんっっ!!」
 最後には、自ら足を開く、愛玩奴隷となり。
 もっと奥まで欲しい、と。
 浅ましく強請る。
「や…っあ……ん。抜かない…でっ…ぇ」
 愚かな。
 自分に吐き気がする。
 けれど。
 止まらない。
「あ、ひゃっ……あはあっ……も、ダメぇ…・っ!!」
 あまりの心地良さに意識を手放し。
「お前は我の物だ」 
 最後にオロチの嘲笑を目に捕らえ。


 現実の世界に戻る。


 汗にまみれた自分から。
 夢と同じ臭いがする。
 オロチと蛇と汗と精液の。
 自身にそっと手を伸ばせば。
 狂乱の名残。
 夢と現実。
 一体どちらが本当なのか。
 現実世界では草薙に屠られ。
 夢の世界ではオロチに屠られる。
 一体どちらを。
 草薙とオロチ。
 逃れられない二つの血の。
 一体どちらを望むのか。


「また、あの夢を見たんだ」
 視線を廻らせれば。
 そこには。
 草薙。
 良からぬ笑みを浮かべて。
 手を伸ばし。
 精液に塗れた自身を掴まれ。
 悲鳴を上げる。
 くちゅくちゅと。
 扱かれて起こる音に耳を塞ぎたくても。
 そうすることで受ける罰に。
 怯えてできない。
「あっ…は…ぁ…っ」
 快感を享受して。
 喘がされて。
 夢でも散々貪られたソコに。
 草薙の凶器が侵入を果たす。
「…ふ…うっ…あああっ! …ひっ…あ」
 悲鳴が乱反射して。
 部屋を埋め尽くす。
(もう、イヤだ…)
 心はこんなに悲鳴を上げていると言うのに。
 口から洩れるのは嬌声だけ。
 しばらくして、満足したのか。
 草薙が離れる。
 安心したのも束の間。
 別のモノが。
 押しこまれる感触は、今までに何度も味わったモノ。
 スイッチを入れて。
 自身は紐で縛られ。
 しばらくこのまま放置される。

「…っく…やああっ!! もう、イかせ…ってぇ…!!」
 耐えきれなくなった頃。
 草薙は自身を解放する。
 その時見せる顔は。
「お前は俺のものだ」
 夢と同じ、嘲笑。
 


 八神を欲する二つの血。
 どちらを自分は望むのか。
 どうしても。
 選ぶことができない。
 それもまた。
 オロチと草薙の呪縛。
 


 太陽の出ている間は。
 目を覚ましている時間は。
 草薙が。

 月の出ている間は。
 眠っている時間は。
 オロチが。
 

 八神の全てを支配する。



 恐怖なんて、今まで感じたことなどないに等しかったはずなのに。
 死んでしまいたくなるほどの恐怖を味わっている。
 眠るのが、怖い。目を覚ましているのも、怖い。
 眠ればまた、あの夢を見る。起きていればまた、奴が来る。
 いいように貪られ、プライドを踏みにじられる夢。
 いいように貪られ、プライドを踏みにじられる現実。
 誰でもいいから、助けて欲しい。
 誰でもいいから。




END

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<めそさんのコメント>

よく分からないです。
 とりあえず、書いてみたんですけど。
 やっぱり、エロ……。

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しらす:急いでこれを載せてます、今。(日本語変) すいません!
きゃーーん、ヘビ×庵ですぅーー!!!!チャット中に生まれたらしいこの話vv
私、人間以外×人って好きなんですよーー!!!(笑)
ああ、チャット設置して良かった…v