学校から帰ってきてみると、朝まではいなかった筈の生き物がいた。 うろうろ、ぞろぞろ。
それは足元を行ったり来たりしていた。
時々懐いてくるそれは、どう見ても猫だった。
それも、子猫。大人猫もいたが、ほとんどが子猫。
それだけならまだいい。だだ、その数。
「これ、何匹いんの?」
「13匹」
じゅっ……13匹ぃ!?
そんな数の子猫をどこから連れてきたんだ?
「へー……まぁいっか。今日の晩飯なに?」
それより腹が減っちまった。
「秋刀魚」
「マジ? やった、サンキュー庵!」
肉好きの庵が魚を焼いてくれることは滅多になくて。
でもこうやって俺の好きな魚を焼いてくれるってことは。
俺って愛されてるよなぁ〜vvv
「………ついでだからな」
ぽつり、と告げた言葉を俺は聞き逃さなかった。
ついで…?
ひょっとして、猫のついでか?
「庵、テメェ、俺は猫のついでかよ!!!」
庵がびっくりした顔をしてこっちを見た。「聞こえていたのか」と、目が語っている。
ふぅん、俺を猫のついでにするとは。
おしおきが必要だなぁ。
俺は庵を担ぎ上げると、寝室へと連れこんだ。
腹は減っていたが、これからのことを考えると、どうでもよかった。
ベッドに庵ごと倒れこむと、着ているものを脱がしていく。
嫌がる庵の耳元で名前を呼んでやれば、首を竦めて息を吐いた。
こいつってば、耳元弱いんだよなー。だからここを舐めてやれば抵抗しなくなる。
抵抗がないことをいいことに、俺は現われた真っ白な庵の肌に接吻けた。
ぴくん、と反応をかえすのが可愛い。
男に可愛いなんて、どうかしてるってよく庵に言われるけど、
可愛いんだからしょうがねえよなぁ。
「んっ…」
胸の飾りに触れると、押しつぶすように刺激してやる。それだけで庵は
声をあげて仰け反った。
「きもちいいんだ」
そう言うと、真っ赤になって顔を背けた。くうー、可愛い。
「や…ああっ」
もっと快楽に歪む表情を見たくて、下に手を伸ばす。
庵自身を掴んでゆっくりと上下に扱いてやると、先端から先走りの液が零れた。
いつもならこのまま一回イかせてやるんだけど、今回はおしおきだから、
まだイかせない。
サイドテーブルの上にあった革紐をわざと庵に見せる。
「な…なにするつもりだっ」
怯えた目をして庵が聞いてきた。
なにって、決まってんじゃん。
ぐるぐるとそれを庵の根元に結んでやる。これでそう簡単にはイけないだろう。
「ふっ…んんあっ…」
濡れた先端にキスをすると、庵が苦しそうにに喘ぐ。
「俺サマをついで扱いした罪は重いんだぜ」
そう言って笑うと、目の前にあった庵自身を口に含んだ。
「ヤメッ……くぅぅ…っひぃ」
鈴口を舌で刺激すれば、悲鳴を上げてよがる。
それがおもしろくて、何度もそこを責めたてた。
「やぁっ…あっああ……きょ、キョウッ……あんっ…んんん、っふ…やああぁぁ」
イけない苦しさからか、庵が俺の頭を退けようと必死になって髪を掴む。
髪をひっぱられる痛みに顔を上げ、ようやく解放してやると、荒く息をつく庵が
涙で潤んだ瞳で俺を睨みつけた。
本人は睨んでるつもりかもしれないけど、それじゃ全然逆効果。誘ってるようにし
か見えない。
「庵、可愛い。なあ、俺にもしてくれる?」
してくれないと…。
「…っ……ぁ」
俺の性格をよく知っている庵は、俺の望むようにしないとどうなるか、よく知って
いる。
それに、今のこいつには理性なんてほとんど残ってない。
無理に体を起こして、座る俺の前に四つん這いになると、恐る恐る俺自身を舐め始
めた。
「もっと音立ててしゃぶれって」
途端、粘ついた音が響き出した。庵はイきたい一心で俺に奉仕する。
「ふぁ…ん」
苦しげに吐き出される吐息や声に促され、俺は庵の後ろに手を伸ばす。
軽く周辺をなぞってやると、ひくりと反応した。
しばらくなぞってから、前触れもなしに指を一本突き入れる。
「くんっ…んんっ…くふっ、っはああ」
ぎゅうぎゅうに締め付けてくる内部で指を動かすと、口を離した。
「やめ……ゃ…や、も…もぉっ」
強請る言葉に思わず笑いが零れた。
「ちゃんと慣らさないと辛いだろー」
指をもう一本増やす。
「ひゃあっ……ああぁ」
ぐちゅぐちゅという音に、俺も庵も煽られる。
そろそろいいかな。
庵を仰向けにすると、その上にのしかかった。庵は期待と不安に揺れる目で俺を見
上げた。
「……っ」
ゆっくりと庵の中に進入する。きゅっと窄まった内部が凄く気持ちイイ。
やっぱりコイツってば、最高。
一旦、全てを納めると、激しく動き出した。
「あっ、ああっ、や、あくっ……ヒ…ィ、きょ、も…おぉ」
「い、おり…」
「い…かせ……おねが……ヒアァァ」
庵が背中に爪を立てた。これって庵が俺のものっていう証拠だよなぁ。
「イきたいの? 庵」
「………きた、イ…た………」
息も絶え絶えにそう告げる庵に接吻けて、紐を外した。
「―――――――っ!! あああああっ」
どくん、と庵が白濁した液を吐き出した。
イった時のイオリの締め付けで、俺も庵の中に放った。
「俺を怒らせたらどーなるか、思い知っただろ」
ぐったりと枕に顔を埋める庵にそう言うと、庵は疲れた顔をしてこっちを見た。
眠いのか、とろんとした目が可愛い。
結局あの後、何度も庵を貪って、解放した頃にはすっかり日も落ちて月が出てい
た。
「あの猫、どーすんの?」
まさか飼うつもりじゃねーよなぁ。
「……飼ってもいいが、それだとお前が嫌なんだろう? だから…」
「だから?」
「飼い主を探す。お前も手伝え」
拾ってきたのはお前だろ。…でも庵の知り合いってあんましいねーしなぁ。
それにやっぱり早く二人きりになりたいし。
「分かった。手伝う」
「言っておくが、二階堂や矢吹に全部押し付けたりしたら3ヶ月、日干しだからな」
うそ。何で考えてることが分かったんだ? それに3ヶ月なしかよ。
露骨に顔に出てたのか、「お前は分かりやすい」と笑うと、庵はまた枕につっぷし
て、眠ってしまった。
ちくしょう。こうなったら意地でも見つけてやる。
結局、全部の猫の飼い主が見つかったのは、一ヶ月後。
情の移った庵が、猫を手放す時に寂しそうな顔をして。そのたびになんだか、こっ
ちまで寂しくなって。
最後の一匹をになった時、庵がぽつりと俺に告げる。
「なあ、京。こいつ、飼ったらダメか?」
それが凄く寂しそうで。そういえば庵が猫好きだったことを思い出す。
猫は背を撫でられる感触に、喉を鳴らして喜んでいる。
だーっもう、んな寂しそうな顔されたら、ダメって言えねーよ!
「名前、どーする?」
ぱっと庵が顔を上げて俺を見た。その貌が見る間に嬉しそうに歪む。
まあいいか。庵が喜んでくれるなら。猫一匹くらい、ここに置いてやるよ。
「で、結局名前どーすんの?」
「……さくら」
「なんで?」
「好きな花だから」
やっぱめちゃくちゃ可愛いわ、こいつ!
というわけで、さくらが新しくこの部屋の住人(住猫?)になった。
END
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<めそさんのコメント>
庵さん猫好きだったら嬉しいなー、と思って書いた話です。
でも猫意味なかった。
エロ書くのは恥ずかしい。ラブ書くのも恥ずかしい。何書いても恥ずかしい。
文才ないから。(ダメダメじゃん)
そして京が偉そう。部屋の主は庵さんだっつーの。
京の一人称は書きやすかったっス。でも庵さんのは難しい。
私は庵さんと同化して京への愛を語るより、京と同化して
庵さんを愛でる方が楽しい……。
所詮私は庵ファン。
さくらって私の庵のイメージなんです。あと、テレビで福山雅治の「桜坂」が
流れてたんで、猫の名前そのまま「さくら」にしました。
あんなんで良かったら、また書きます。
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しらす:楽しみにしております〜〜〜!!!次はさくらちゃんを混ぜた京庵ですねっ!!!
もう、めそさんの庵ちゃんってば、可愛すぎ!!私も一番好きな花だよ、桜vv
めそさんの庵ちゃんと同じですねっvv(嬉しいらしい)
桜かぁー。咲いてる時綺麗で、散るときすら綺麗って思わせてくれる花ですね〜。
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