「こら、さくら!」
「庵、そっち行った!」
「――――――痛っ!!」
「テメェェ、庵を引っかきやがったなぁぁぁ!」
「炎を使うな!! あっ、待て!」
「だーっ、ムカツクぅぅ」
「どうでもいいから早く捕まえろ!」
さくらが来てから数週間。
毎日こんな調子で夜が来る。
いたずら盛りの子猫は、毎日家のどこかを引っ掻き回していた。
昨日は京の制服。今日は庵のベースケース。明日はきっと別の物。
いつもは、子猫相手に怒るわけにもいかず許していた庵だったが
(京は烈火の如く怒った)、今日はさすがに怒った。
本体に傷が付かなかったとはいえ、大切なベースが危険にさらされたのだ。
京とさくらの追いかけっこに、庵が初めて加わった。
「あっ、京、それをどけてくれ―――っ!」
さくらが向かうところには、書きこみのされた譜面。先日やっとできあがった新曲
だった。
なんにでも興味を示すさくらは、目標に向かって突っ走る。目指すは譜面。
ダダダダダダダッ!!
間一髪、京が勝利を収めた。
「ほら」
譜面を手渡すと、ほっとした表情でそれを自室へと持っていく。
さくらは狙っていた遊び道具を奪われて、憤慨した様子で京を睨みつけた。
「いい度胸じゃねーか。今日こそ誰が最強か教えてやる」
京も負けじと睨みつける。
戦いのゴングが今、鳴り響いた。
ここが防音設備のあるところでよかった。
心底庵はそう思っていた。
毎日毎夜、京とさくらはケンカする。時折庵も加わって、全員参加の鬼ごっこが繰
り広げられているのだ。
リビングではまた、人間と猫の戦いが始まっている。
どたばたと、時間無制限ノールールのデスマッチ。
がしゃん!
リビングでガラスの割れる音が響いた。また、何か割ったな。
危険なので片付けなければ、そう思い部屋から出ると、案の定、コップが割れてい
た。
はあ…。
溜息をついて、一人と一匹を見て。
「楽には死ねんぞ!」
『裏百八式 八酒杯』を放った。
見事に命中し、ここで戦いは終了。これもいつものことだった。
割れたコップを片付ける庵を眺めながら。
(最強はこいつじゃねーの?)
京は硬直したまま呟いた。
END
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<めそさんのコメント>
一応続きだったりします。
猫シリーズ?(こんな短くてシリーズも何もないっつーの)
しかし猫とケンカって京サマ大人気ない。…って書いたの私ですねぇ。
あっはっはっー。
……でも制服ボロボロにされたら私も怒るなぁ、うん。
タイトル、猫バトルっていうより、バトル猫?
京とはりあう子猫。
きっと大人になったら辺り一体のボス猫となるでしょう。
さくら本当はメス猫イメージして書いてたんですが、これじゃあオスだ。
でも美猫なことにはかわりなし。強くて綺麗で元気で可愛い。
京と庵さんのいいトコ取りな猫です。設定は。
あー、猫飼いたい。でも家には犬が。犬も可愛いんですけどねぇ。
やっぱ猫の方が好き。
いつか黒と白の猫を飼う、というのが私のささやかな夢。
もちろん名前は京と庵!!
ひゃっほう!!!(壊れた)
最後に
♪もちろんこれも、パソコンに直打ち♪♪
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しらす:続きだ、続きだ〜〜〜vvvすげえや、めそさん!!書くの早い、早い!
京ちゃん、大人げなーい。(笑) さくらのちょろちょろした感じがカワイイッ!!!
さて、どんな大人猫になっていくのか…!?
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