習慣―――――めそ様 |
「っぎゃあああぁぁぁぁっっっ!!」 突然の庵の悲鳴に、俺は慌てて脱衣所から飛び出した。 「どうした庵っ!」 それだけ言うと、腰が抜けたのか、しゃがみ込んでしまった。 まさかな…。 その時、さくらが誇らしげに何かを見せてきた。 これは、一般の家庭で最も嫌われ、繁殖力も強く、 「ゴキブリ…?」 庵はこれを見て腰を抜かしたらしい。 「散歩に行っていてな……帰って来た気配がしたから玄関を開けてやったら……」 そういやなんかのテレビで言ってたな。猫は捕らえた獲物を飼い主に見せるって。 「大丈夫かよ、お前」 いつもなら、散歩から帰って来たら必ず背を撫でてくれる庵が、今日に限って触れ それに庵が気付いた。 ……舐める…? 情事の後で、何でゴキブリが嫌いなのか庵に聞いてみた。 「……八神家にはあんな生き物いなかった」 「だいたい何であんな生き物がこの世に存在しているんだ。 そんなことを考えていたら、庵がぎゅっと俺にしがみついてきた。 「…あれが夢に出てくるかもしれないから……」 「なら出てこないように、俺が守ってやるよ」 END −−−−−−−−−−−−−−−−−−− <めそさんのコメント> ゴキブリすら京庵のラブラブ材料にする俺に乾杯!!! −−−−−−−−−−−−−−−−−−− しらす:………〜〜〜〜〜〜っ!!!(庵の可愛さに声にならない声)。 |
続・習慣 |
学校帰り、さくらに出会った。 「待て、お前その口に咥えてるモンを寄越せ」 こいつ最近いーっつもゴキブリ咥えて帰ってくるんだよ!! だからいつも俺がこうやって、愛する庵のために処分してやってんだ。 「ああ、待てっ!! それ持って帰んな!!」 さくらが耳を伏せて、敵意をあらわした。 「いくぜ!!」 今日も何とか俺が勝ったぜ。 猫相手に何とか、ってのも間抜けだけどな。 それにこいつ、並みの猫じゃねーんだよ。 ま、何回やっても、俺が勝つけどな。 帰って来た俺を迎えたのは、庵の怒鳴り声だった。 END −−−−−−−−−−−−−−−−−−− <めそさんのコメント> 庵さんは何も知らずに平和に日々を過ごしている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− しらす:(内なるしらす:…ちっ!さくら、なんとか京の目をかいくぐるのだ!!) |