京が俺の家に同居するにあたって、出した条件は4つ。
1.きちんと学校に行く。
2.家事の手伝いをする。
3.炎を使わない。
4.片づけをする。
そして最近、もうひとつ条件を増やした。
それは、さくらに嫉妬しないこと。
しかし、この5番目の条件が守られたことは一度もなかった。
「…………」
明らかに京が不機嫌になっているのが分かった。
何かを訴えかけるようにこっちをじっと見ている。
「……なんだ」
話しかけてやれば、京が無言で指をさした。
俺の膝の上で、気持ちよさそうに眠っている黒い生き物。
さくらが近くにいる以上、京はこっちには寄ってこない。
俺に、さくらと自分を比べられるのが嫌なのだ。
まったく、俺をなんだと思っているんだ。
いくらなんでも、猫と人間を比べるわけがないのに。
第一、比べられるか!(照)
「…少し待っていろ」
さくらを俺の寝室に連れていく。ドアを閉じると、リビングで何かが砕けた音がした。
また何かに当たっているな……。
リビングに戻ると、京がソファーでクッションを抱えて拗ねていた。
俺を見た途端、クッションを投げ付けてくる。
「何をした」
受け止めたクッションを投げ返してそう問えば、何も言わずにキッチンを指差した。
見てみれば、割れたガラスのコップが片付けてあった。
きちんと片付けをしたのは誉めてやる。だが、片付けるくらいなら、しなければいいものを。
「ずるい」
「なにがだ」
京の隣に座ってやれば、飛びつくように抱きついてきた。
「俺には膝枕、してくれないクセに」
「して欲しいのか」
そんなことで物を壊さなくなるなら、いくらでもしてやる。
そう言えば、京は途端に機嫌を直した。
まったくゲンキンな奴だな。
「な、な、じゃあさ、してくれよ」
今すぐにか?
仕様のない奴だ。
俺が座りなおすと、すぐさま京が頭を乗せてきた。
さくらより重い。まあ、当然か。
しかしこれでは、すぐに痺れてしまうな。
「これでいいのか?」
「うん。庵サンキューvv すっげー気持ちイイ」
筋肉のついたごつごつした男の膝で膝枕されて、何が気持ちイイのだろうか。
されたことなどないから俺には分からん。
しばらくして満足したのか、京が起き上がった。
「もういいぜ。アリガトな、庵」
「そうか」
動かない俺を変に思ったらしい京が、顔を覗きこんでくる。
「なに、どうした?」
「べつに何も…。俺のことなどどうでもいいから、さっさと行け」
焦っても、どうしようもない。
どうやら京も気付いたらしい。
「……足、痺れたんだろ」
くっ。
ええい、笑うな!! 大体貴様のせいだろうが!
「しょーがねーなー。運んでやるよ」
運ぶ…?
「っわ…こら、降ろせ!!」
こ、これは、俗に言う『お姫サマ抱っこ』とかいうものではないか!?
くそ、おーろーせー!!
「無駄無駄、ほら行くぜ」
軽々しくとはいかないまでも、それでも俺を抱き上げた京の顔が分かりやすいくらいに弛んでいる。
…やらなければ良かった。
その後、5番目の条件が守られたかどうかは、神のみぞ知る。
END
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<めそさんのコメント>
猫、関係なかった。
あとタイトルもなんか違う。
…膝枕かぁ。庵さんに膝枕されてみたいなあぁぁ。(←想像している)
ひゃっほーぅ!!!!! (←ラッキー・グローバーの口調で)
恥ずかしい女だ。
でも正確に言うと、あれって膝じゃないですよね!?
…太腿だから、腿枕……?
ももまくら…………(平仮名で書くな)。
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しらす:くぅ〜〜〜〜っ!!!!!(><)
こういう「てめぇら、もう勝手にしろ!!俺はもう知らん!!」って言うくらいの
ラブラブ、大好きじゃ〜〜〜!!!!!拗ねる京も良い!!
ももまくらだよね。(平仮名で書くなっつの)
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