外には雨が降っている
雨粒が窓ガラスについて外を見えなくする
わたしの唯一の窓を・・・・
私は今病院の病室にいる。私は小さいときから体か弱く、入退院を繰り返している。
しかし、今回の入院は少々勝手が違うらしい。
「楓どうしたの?しかめっ面してぇ」
理由@:母親が優しい
「ほらっ お菓子持ってきたよ」
理由A:病室にお菓子がたまっている。
「すぐに退院できるからねぇ」
理由B:退院の話が多い
そして極めつけは・・・・
「初めての個室だねぇ」
理由C:個室である
私はこれまで8人ぐらいの大部屋に入院してきた。どんな時にも側に誰かがいた。
しかし、今回は個室だ。この部屋に入ってから体中から重苦しさがとれないでいる。やはり、もう長くはないのだ。
「おかあさん 家に帰るからねぇ」
面会時間が終わったのだろう。母親は帰っていった。
あの人が私の母親になったのはいつのことだったろうか。父親は私の母と関係を持ち、私を引き取った。私はいわゆる「不倫の子」というやつなのである。父親はそれが原因だったのか、それからすぐに離婚し、すぐに再婚した。だから、わたしは産みの母の顔も知らない。知らないでもいいと思う。どうせ、死ぬんだから。
「楓ちゃん 回診の時間だよ」
顔見知りの看護婦さんが言った。看護婦さんは一通りの『作業』を終えて帰っていく。
私は病院の窓から見える外の景色が大好きだ。昼は近くの湖が日の光を反射してキラキラとまぶしく、夜は遊園地の照明がチカチカと奇麗なのだ。それは、大部屋の時も個室も変わらない景色だ。
今、外では奇麓な照明が瞬いている。それを見ながら小さなライトをつけて本を読んでいる。本といってもそんな高尚なものではなくマンガや恋愛小説の様なものなのだけれど・・・。
「楓ちゃん 消灯の時間だよ」
見回りの看護婦さんがそう言い残し去っていった。私はライトを消し、目をつぶった。
私は夢を見た。そこは一面の光の渦で、その渦は私を取り囲んでいる。よく見るとそれは無数の光る蝶だった。それが私を上へ上へ運んでいく。私はその光の中で確かに飛んだのだ。私は自由になったのだ。
私はその後の記憶を持っていない。まったく持っていない。
私は聞いた気がする。私の周りにいた人の声を。
「 朝 声をかけたらもうすでにこんな状態でした。声をかけても窓の外を見たままで・・・。」
「 私の診察ではただの貧血だったんですけどねぇ」
誰かが私を抱きしめている。
「 楓ぇ・・・ 楓ぇ!!」
雨が降っている。
雨粒が窓ガラスについて外を見えなくする。
私の唯一の窓をその清らな雨粒で
その雨粒は私の心まで暖かさで濡らして行く
それは母の涙だった
・・・・・tapestop
「日野君。どうでしたか?」
「えぇ・・・この子は幸せだったのでしょうか?」
「まぁ 人の幸せというものはそれぞれ違うものですから自分の尺度では語れないでしょう。でも、ひとつ言えることはこの子には愛情を持って接してくれる人がいなかったと言うことでしょうか」
「僕が もし楓ちゃんだったならばきっと何も感じられなくなると思います」
「日野君らしい考えですね。最終的に彼女は精神病院に移されて一生を終えました。どこまでを一生とするかはそれぞれですけれど・・・」
「なんで楓ちゃんはああいう状態になったんですか?」
「それは生きることを放棄したからです。『生きる』にはその代償が必ずついてきます。例えば、苦しみ・怒り・悲しみなどがそれに当たるのでしょう。彼女はそれを放棄したのです」
「最後に出てきた人は産みの母親ですか」
「さぁ そこまでは知りません。でも本当に心配していた人には間違いありません。自分以外の人のために涙を流せる人は少ないですから」
あとがき
ひの:今回もやってまいりました。登場人物がしゃべくるこのコーナー!!
アンナ:今回出番の無かったアンナでぇーすぅ。
ひの:やめろ気持ち悪い!!べたべたくっつくな!!暑苦しい
アンナ:なんでひの君そんなに冷たいのぉ?昨日はあんなに燃えたのにぃ?
ひの:わぁ!!そんなことこんな所でしゃべんな!!
楓ちゃん(以下かえで):あ・・あの・・・。
ひの:なんですか!!
かえで:(ビクッ)・・・もういいです。
ひの:あっ、すいません。今回のゲストは病窓の美少女楓ちゃんです!!
かえで:(グスグス)さようなら・・・。
ひの:あっ、ごめんってば。ねえ、期限なおしてよあやまるから
─── カラン コローン
アンナ:なーかしたなーかした オーナーに言ってやろ
ひの:元はといえばおまえが・・・
にしか:呼びましたか?
ひの:いっいえなんでも
アンナ:ひの君が楓ちゃん泣かせて帰らせちゃいましたぁ
にしか:そうですか・・・それはいけませんねぇ・・・・・。(ニヤリ)
ひの:なっなんなんですかっ!!その大きな鎌は!!
にしか:これで何年か寿命をへらさせていただきます。
ひの:たぁーすぅーけぇーてぇーーーーーー(エコー)
〜〜glassarcade 店内にて
p.s.:今回も長いあとがきですみません。このごろはNTTへもいけずにろくすっぽネットもできない状態でございます。だからこのような形で参加しようと思っております。(パソコンは有るのになぁ・・・心の声)
あぁ、カキコしたいよぅ(笑)
この作品をよんでくれた方どうもありがとうございます。前作でのクイズですが期間を伸ばそうと思います。早い者勝ちで3名、管理人さんのところに必要事項を書いてメールを送ってくれると、るーさんがタルカスに渡してくれる寸法になっていると思います。るーさんは、きっと安心できる人だと思いますが(笑)。タルカスは言った事を必ず(?)守るので、どんなに遠くの人でも送りつけます。あっ、あと返送は不可です(笑)。
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