無題 by 若月 裕

 

かすかな痛みに震えて 目を覚ました

同じ時間が走り出す

薄っぺらい日常の上を

今日も人は歩いて行く

 

月の見えない夜に優しさを求めた

傷つくことが恐かったから

いつだって二人笑ってた

互いの笑顔を失うことが 何より恐かったから

 

与えることのできない 自分の弱さを

「それでもいい」 と微笑ってくれたから

 

もう傷つくことの無い

忘れていくだけの 愛しさよ

僕はいつか言えるだろうか

 

あなたに 「サヨナラ」


2000.05.07

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