風の破片 by 若月 裕

 

さっきまでの雨は止み すずしげな風が吹いた

雫の空を越えても 辿り着けない忘れ物

時代の中を駆け抜け 何を失い手に入れた

ありふれた問いが痛くて 目を伏せた夏の日だまり

 

人込みに疲れた夜はいつも 誰だって寂しさを飼ってる

そばにいたい誰かのために 笑顔をくれる人のために

 

いつだって 会えたらいいのに

 

帰る事はもう無いね もういかなくちゃいけない

町角に消えた向日葵 雨上がりの雫の中

 

風の破片を集めて 遠い海辺に放つよ

僕が生きてた証に この空越えて飛んで行け

 


2000.05.09

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