あらすじ
葉っぱのノベルシリーズの第一段。
主人公のクラスメートの太田加奈子が授業中に突然発狂。淫乱な言葉を並べたて、そのまま精神病院へ運び込まれてしまう。そして、様々な噂が飛び交う教室。
ことを重大に見た学校はついに調査を開始。けれども、どうも先を越されてしまう教師陣は、主人公の叔父を通して、学校の調査を主人公に依頼し、主人公は調査を開始するが
…。
感想っす!!
まず、最初に僕がいっておかなければならないのは、「流石」の一言。以前に、トゥーハートの紹介をしたが、あのLEAFだ。事件の真相そのものは、なんとも陳腐なイメージを脱し得ないが、そこに流れる人間の心理というものは、まさに流石の一言。
学校という平凡な生活の中で、「狂気」を妄想する主人公は、ほかならぬ、我々一般の象徴といえそうだ。
きっと誰にでもあるんだろう一面を見せてくれる。それが、カギになっていくあたりも 面白い。
ただし、ゲームとしては、どうも分岐が大まか過ぎる点がある。ストーリー展開も、T Hほどではなく、ゲームというよりは、まさしく「小説」としての価値が高いかもしれな
い。
ただ、あの、恐怖をともなったインパクトには引きずり込まれるものがある。肉体的、 心理的恐怖のリアルな描写に、思わずゾクッとするものがあり、THとは対照的に、最後まで、暗く、悲劇なイメージを拭い去れない一品。
キャラクター紹介
主人公
名前については、非常に聞いたことがあるんだが…。一応、三部作に登場する長瀬の親戚ということになっている。
まず、この主人公の妄想癖のすごさに脱帽!
僕個人がかなり妄想癖の持ち主で、授業中に夢を…ZZZzzz…じゃなくて、妄想を見ることがある。誰にでもある狂気の世界への憧れが強調されて、冒頭から主人公の中にある「向こうの世界」に引きづり込まれそうになる当たりがなんとも…。
新城沙織

一応、お気に入りキャラだ。明るく、ちょっと怖がりで、気が強くてそのくせ甘えん坊で…。全体として「夜」なイメージのこの作品の中で、「太陽」としての役割を果たしてく
れているといえる。が、彼女について、選択肢を間違えると悲劇所のことではなくなる。
最初にやってしまったが、まさしく情けないとしか言い様のない、悲劇だ。
ただし、彼女の場合はベストエンドに行ってもどうも煮え切らないものがあるんだが…。
藍原瑞穂

ショートカットで眼鏡でちょっとロリ系で…。条件を並べたら人気はでそうですが、個人的にはなんと最下位。ただし、ストーリーはよかったですよ。それなりに…。あの小道具なんかも非常に美しく人間の心を打ってくれますねぇ。
月島瑠璃子

一人心の奥底に闇を抱え込む女性。なんとも「お姉さん」的なイメージが僕のなかに残っている。闇を内包するが故の優しさなるものが微妙に表現されていて良いです。
この感覚は「痕」の四姉妹や「TH」の先輩に受け継がれているようですな…。
さらに、全ての事件の応えを知っている唯一の人物であり、あらゆる場面でのキーパー ソン。
太田加奈子

「本編では」一ちゃん最初に発狂しちゃって「人間」としての彼女は描写されていな い!!
この悲劇!
もちろん、その彼女の「人間」も垣間見ることもできるのでみなさん、頑張ってくださいな。
で、その彼女の人間性は「TH」の綾香に通じるものがあるような気が…。瑞穂が「親友」といい「クラスでも人気の」という辺りも納得がいくかと…。本作品では僕の一番の
お気に入りですので、彼女を闇の世界へ突き落とした「犯人」が許せない限りですが…。
ゲーム評価
総合評価 (☆☆☆★★)
キャラクター (☆☆★★★)
若干一人を除いては「TH」よりもさらに日常的にキャラクターが描かれています。ただ、設定が瑠璃子に偏りすぎているという印象がぬぐい切れません。
シナリオ (☆☆★★★)
主題が重く、それに引きずられてかなり非現実的な(ただし、現実ととなりあわせの)シナリオではなかったかと思います。全体に暗いイメージが引き、昼間はほとんどなかったといっていいほどで…。いずれにせよ、複雑な読後感があることは確かです。
システム (☆☆☆☆☆)
シナリオが短いせいもあり、選択肢は多くありません。おまけに、前半の他愛もない選択肢で、大きく分岐するので、ゲームをしているという感覚よりもむしろ小説を読んでいるという感覚の方が大きい様に思います。
CG (☆☆☆☆★)
癖があります。人間を描いてはいますが、どのキャラクーもTHよりタレ目で…。
音楽 (☆☆☆★★)
怖いです。ゲーム全体のイメージにぴったりあっていて、ゾクッとするものを感じる曲たちです。THにもそのなごりなるものがのこっていますが、根本的にかなり違いがありそうです…。
サブゲーム (☆☆★★★)
太田加奈子ばんざい。あれに似たシナリオを前々から考えていました…。あと、異次元人は…なんとも…。
つけくわえ
今回は、忙しさの間に一気にやって、一気に書きましたので、かなり粗雑レポートになってまして…。申し訳ない。
個人的には「痕」の方が気に入っているの、やりこみましたので、いずれそちらのレポ ートも書きたいかと…。
一応、
痕(PC)、「北へ。」(DC)、Reborn'sDay(PC)、野々村病院の人々(SS)についてのレポートを暇になってから書きたいと思っています。(野々村はやりこんだわけではな
いので、簡単なものになりそうですが…)
あとは、僕が個人で書いて電撃文庫に応募した作品。あれをゲームシナリオにしてみたいというのがささやかな考えではありますが(賞がとれなかったと仮定して)、そうなった
ら、「葉っぱ」にでも売り込みいって見ようかな…。(一体、何年後の話だろうか…?)
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