ある戦士のお話4
夕暮れに生まれた子供は、死んだら妖精になる
夜明けに生まれた子供は、死んだら魔物になる
むせ返るような草いきれ
脇腹からどくどく流れる血の音に
占い婆ぁのしわがれた声が
よみがえり 重なり こだまする
死ぬときが近づいたらお仲間が迎えに来るのさ
夕暮れに生まれた者には妖精が
夜明けに生まれた者には、そうさ、魔物が・・・
俺は両親を知らない
生まれた時刻も知らない
だから放っといてくれ
そんな目で俺を見ないでくれ
瞳の青は空の青 忘却の色だ
俺は吸い込まれ
すいこまれ
そして・・・・