黒い男

誰もいない小さな駅のホームで
黒い男がベンチに座っています
黒い帽子、黒いスーツに黒いかばん
ただそのあくびをした馬のように長く、
ひからびたジャガイモのようにしわの入った顔だけが
真っ白でありました
男はそろえた膝の上にかばんを置き
そのくぼんだ目を、ゆっくりと動かしました
その先にあるのは・・・・ただの・・・虚空・・・
時の流れがその歩みを止めてしまったようなこの空間に
黒い男はずっと座っているのであります
ずっと・・・・もうずっと長い間・・・・・

男の目がふとその動きを止めました
そしてゆっくりと大きく見開かれてゆきます
--------時が・・・・・・動き出す---------
黒い男は虚空の中に
一人の少女を見いだしたのであります
--------時は動き出す・・・・・ゆっくりと---------
男は膝の上のかばんを小脇に抱え
立ち上がりました

   そうして・・・・・・

叫び声をあげたのであります
--------時は動き出す・・・・・・激しく---------
男の咆哮は
何もなかった虚空の世界に
薄い薄い色を付けていくのでありました 

この詩に関してシエルさんよりイメージ画を描いて頂きました。ありがとうございます m(__)m

===ちょっと解説===

ええ、この詩は俺的に非常にいつも違和感を感じてしまう詩です。
ある日、ただぼやぁ〜〜っとしてるときに突然こう・・・天から言葉が降ってくるようなイメージで俺の脳みそに浮かび上がり、手が勝手のその辺の紙に走り書きをはじめた・・・自動書記って言うのはああいうのを言うんでしょうな・・・・ともかく、そういう不思議な因縁を持った詩です。まず俺だったらこんなかんじの詩、書かないもの・・・

ってわけで、不思議に思ったので、何人かの方にこの詩のイメージ画を描いて頂く様お願いしました。
俺のイメージと、読んでくれた方のイメージがどんくらい違うのか・・・とにかく自分の書いた詩なら読んでくれた人がどういう気持ちになるか・・・いろいろ想像したりするものなのですが・・・この詩に関しては全く創造きかなかったもので・・・

ってわけでまずはシエルさんにお願いしたものを載せていただきます。
あなたのイメージと比べてみてどうでしょう・・・・ぜひともご意見を聞かせていただければ幸いです。