ケースの重みづけ
- SPSSのデータはふつう1行がひとつの観測値(1人の被験者)を表している。
- だから、たとえば「賛成が300人、反対が250人」などというデータは合計で550行のデータを入力する必要がある。
- もちろんこんな“生データ”を入力しておき、SPSSに賛成と反対の度数を数えさせ、カイ2乗検定に持ち込むこともできる。
- しかし便法としてこれを2行(賛成と反対の2カテゴリだから2、一般に値の種類の数)ですませる手がある。
- 「賛成」とか「反対」という値を被験者の人数分並べるのではなくて、その値をとる被験者の度数を入力する方法である。
賛否 度数
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賛成 300
反対 250
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- この場合の変数「度数」は、たとえば「賛成」というデータが300個ありますよ(=300行ありますよ)という「重み」を表している。
- だからこれを「重みづけ」とよび、SPSSでは特にそれを指定しておく。
データの例
- 「イヌ」と「ネコ」と「たれぱんだ」のどれが一番好きか、について6人に聞きました。
- このデータは次のように表せる。SPSSのデータファイルはここ。
- この形式の場合[データ]→[ケースの重みづけ]を選び、度数変数に「人数」を指定する。
好み 人数
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イヌ 2
ネコ 1
たれぱんだ 3
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- しかし、1人の被験者が1行(=1つの観測値)という原則に従えば、下のように表せる。被験者は6人だから、ひとりについて1行で全部で6行。SPSSのデータファイルはここ。
- データに「被験者」という変数を加える必要はないが、ここではわかりやすいように加えてある。
被験者 好み
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1 イヌ
2 たれぱんだ
3 ネコ
4 たれぱんだ
5 たれぱんだ
6 イヌ
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