薔薇<熱烈な愛>
   

   
仮面ノ下ノ素顔ヲ見ラレタ者ハ、相手ヲ殺スシカ…
   
   
仮面がはがれてしまう
お前を見つけないと
   
私が壊れてしまう
お前を殺してしまわないと
   
闇の中を、ただ走る
少しずつ崩れていく心の鎧を、どこかで感じながら
   
女であることなんか、聖域(ここ)にきた時から捨てていた
ただ強くなりたかった
誰よりも強くなりたかった
   
女だからいらなかった
いらなかった私は、聖域(ここ)へ捨てられた
親の顔なんて知らない
知ってるのは、見知らぬ男の溜め息
たぶん、あれが父親
でも知らない 顔なんて知らない
   
女なんていらない
この仮面を一生被り続けると決めたときから
私の中に、女なんていらない
でも、私の中の捨てきれない「女」が
外へでようといつももがいている
   
   
仮面ノ下ノ素顔ヲ見ラレタ者ハ、相手ヲ殺スカ…
   
   
闇の中を、ただ走る
あの人の姿を求めて、ただひたすらに
   
   
アノ人ヲ殺ス…殺サナケレバ…殺セルノ…?
   
   
私の心が 剥きだしになってしまう
体の中から溢れ出そうとする、ただひとつの言葉
認めたくない
認めたく…ない
認めてしまったら…
私は私でなくなってしまう
   
   
殺セナイ…ナラ…私ハ…私…ハ…アノヒトヲ…
   
   
お前に向かって放たれた拳を受けたのは、
抑えきれなかった私の「女」が出てしまったから
出てしまった「女」は、もう閉じこめられない
だから…だから認めてしまおう
私が、お前に、魅かれていること、を
輝くばかりの温かい、熱い小宇宙をもったこの男に
   
   
「ごめんね…私なんかが…好きになって…」
   
   
仮面ノ下ノ素顔ヲ見ラレタ者ハ、
      相手ヲ殺スカ…愛スルシカナイ…

   
   
   
   
   
   

シャイナさんって、自分の気持ちに素直になれないところが可愛いと思う。
男性社会(だと思うよ、聖域って)の中で必死に突っ張って生きているから
自分の中に、そういう恋とか愛とかっていう感情が芽生えている事自体が
認めたくないものだろうし、同時に怖いんじゃないかなと。
   
ちなみに「捨てられた」うんぬんは、もちろん創作。
   
「女 イコール 弱いもの」「弱いもの イコール いらないもの」
と思っている節がある彼女には、ひょっとしたらこんなトラウマが
あるんじゃないかなぁ?と。勝手な想像っす。


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