水草水槽の立ち上げ方 |
必要な器材編 |
水槽の立ち上げ編 |
1.水槽の準備・・・・・・・・・・水槽の洗浄、設置
2.フィルター・・・・・・・・・・・・濾材の準備、本体の設置
3.底床・・・・・・・・・・・・・・・・洗浄 ソイル編 大磯編
4.ヒーター・・・・・・・・・・・・・使用時の注意 タイプ別機能 適合容量
5.水を入れる・・・・・・・・・・注水の仕方 温度合わせ カルキ抜き
6.バクテリアの発生・・・・・生物濾過の基本 強い水
7.パイロットフィッシュ・・・・選定方法 水槽への入れ方
8.パイロットプランツ・・・・・初めに入れる水草 Co2添加について
9.水を作る・・・・・・・・・・・・・苔の発生しない環境にするには
必要な器材
1.水槽関連
初めて立ち上げるには、60cm×30cm×36cmの標準水槽をおすすめします。このサイズの水槽がなぜか日本では、標準水槽とされており、価格が一番安い、付属品が多くで回っている等の理由でおすすめです。おすすめの水槽はニッソーのスティングレー106です。通信販売で、1,980円で購入できます。水槽の上に照明器具をのせるので、ガラス蓋が必要です。ガラス蓋はフィルターのホースが通せるように両端がカットされている物を購入します。
60cm水槽のガラス蓋は小さいため、4カ所カットされていて、ホースを通さない箇所が有っても支障はないと思います。ガラス蓋はメンテナンスがしやすいように2枚合わせのもを用意しましょう。金銭的に余裕がある方はADAの水槽がおしゃれです。ADAの場合ガラス蓋、照明器具をのせるための専用の金具が必要になります。
2.濾過器
濾過器・フィルターは、外部フィルター・パワーフィルターを購入しましょう。上部フィルターは、照明器具をのせるスペースが無くなるので不向きです。また水中フィルターはレイアウトを損なうためこれも不向きです。外部フィルターは各種のタイプがメーカーから発売されていますが、エーハイムが信用度が高いようです。
フィルターの大きさは、カタログ通りの適合水槽もしくは1ランク上を用意します。大きすぎると水槽の中で激流となり、水草が絶えずたなびき、苔の発生要因となります。(水量調整が出来るタイプは問題有りません。)
濾材は、特にこだわる必要が無いと思いますが、チャネル(止水域)の出来にくい物を選びましょう。メーカーの推奨品で問題ないですが、pHをコントロールする等の本来の濾過目的以外の付加価値がつけられている物は、付加価値以上に価格が高いので、注意しましょう。
またプレフィルターを使用すると、本体のメンテナンスの間隔を延ばすことが出来ます。
3.照明
照明は60cm水槽で20W×3灯は必要です。照明器具は2灯式と1灯式の組み合わせが、メンテナンスがしやすく便利です。器具は安価な物でも構いませんが蛍光灯は水草専用の光量の多い物を購入します。A
DAのNA LAMPは、少々高いですがおすすめ商品です。専門書によっては、短期間で蛍光灯を変えるように書いて有るものがありますが、ガラス蓋をこまめに清掃する、反射板にアルミ箔を貼り付ける等の工夫によって、交換時期を延ばすことが出来ます。
4.底床
底床は是非ソイルの使用をおすすめします。水草の育成が驚くほど順調になります。
但しソイルは崩れやすく、1年ぐらいが寿命です。水草を隙間が無いように植え込むため掃除は殆ど不可能なため、魚の収容数を少な目にする必要があります。大磯を使用する場合は、気にせず掃除することが出来ます。自分の場合、60cm水槽に小型カラシンを20匹飼育、餌は1日1回与えていますが、特に底床に汚れがたまることはありません。ソイルでも表面をホースで吸い出すぐらいの掃除なら問題なくできます。
また底床に明るい物を使用すると光量不足をカバーすることが出来ますが、苔が発生しやすくなる、魚の色が飛んでしまうという弊害があるようです。展示水槽、雑誌の写真等をよく見て好みの物を使用しましょう。
また大磯の場合は、サイズに注意が必要です。水草に適したサイズを用意します。
5.Co2添加器具
Co2を添加しなくても育成出来る水草も有りますが、添加した方が順調に育ちます。但し水草の種類によっては成長しすぎて、節間が間延びしてしまう物が有るので注意しましょう。
ボンベ
是非大型のリースボンベを用意しましょう。5kg
のボンベが7,000円程度で調達出来ます。
Co2の添加方法 ・・・予算にあわせて後で後悔しないように十分検討しましょう。・・・
発酵式
イースト菌を使用して発酵の際に出るCo2を水槽に供給。やったことはないので詳しいことは判りませんが、添加量は少なくなると思います。
スプレー式ボンベ
テトラより発売されている物がありますが、十分な量のCo
2を添加することは出来ない上に、ランニングコストがかかるのでおすすめできません。
小型高圧ボンベ
74g程度が入っているボンベです。1秒/1滴 1日8時間の添加で約1ヶ月持ちます。少ないスペースで済むので照明器具の上にスタンドを利用して設置することも可能です。価格は1本1,000円程度です。
大型ボンベ
2kgのボンベが、20,000円程度で購入できます。詰め替え量は6,000円程度です。2kgのボンベは自立しないため別途スタンドが必要になります。ADAのボンベはインテリア性が高いですが、価格も高いのが欠点です。大型ボンベを設置できるスペースが確保できるので有ればリースのボンベを検討しましょう。
リース大型ボンベ
おすすめのボンベです。飲み屋、酒屋等で調達できます。残量計のついてある物が便利です。取り合いのねじの規格が違う物があるようなので、レギュレーターと合わせて確認してから手配する必要があります。補償金 7,000円 詰め替え料 2,000円とお得ですが、ボンベにビール会社の名前が入っています。
レギュレター
ボンベを使用する ときに必要です。ADAのレギュレターは、添加量を調節するスピードコントローラーと一体になっています。小型ボンベと大型ボンベ は取り合いが異なるため流用できません。(アダプターが必要)
メーカーによっては、専用の取り合いを使用しているため、他のメーカーのボンベと接続できない物が有ります。充分確認してから購入しましょう。
電磁弁
手動で毎日バルブを開閉するのは大変なので、タイマーでコントロールして添加をするようにします。水槽関連の物は耐圧ホースで接続するのでどのメーカーの 物でも使用出来ます。
耐圧チューブ
レギュレターから電磁弁、逆止弁までは耐圧チューブで接続します。逆止弁から拡 散器まではエアーチューブで構いません。
ストップバルブ
添加不要時にCo2の添加を止めます。必ずしも必要ではありません。
逆止弁
Co2は非常に水に溶けやすいため必ず必要です。
カウンター
Co2の添加量を確認するためのカ ウンター、ADA製品は見た目はよいが価格が高め。
見た目で気に入った場合、後悔しないようにいい物を購入しておきましょう。
拡散器
ミキサー ADAのパレングラス トルネード等 どれもいい値段です。
ADAのパレングラスは週に1回程度の 割合で、漂白が必要です。ジャレコのミキサーは、フィルターの後に接続します。トルネードは水槽内の排水パイプに接続します。ど の商品もそれなりに長所・短所があります。一番安価なのは、Co2ストーンです。拡散器も良く検討して購入しましょう。
6.その他
ヒーター
60cm水槽では150wのヒーターが必要 温度固定式、調整機能付き、水温センサー内蔵式等がある。
温度固定式
26度前後に設定されていて、温度調節は不可能。構造が簡単な分、安価である。白天病が出た場合等水温を上げることが出来ない。(水草水槽では、基本的に白天病対策で水温を上げずに、別の容器で薬浴が一般的、薬品も水草には不可)
調整機能付き
20度から30度ぐらいまで温度の設定が出来る。センサー内蔵タイプ一体式と、別式がある。内臓タイプの物は、ヒーターもしくはコントロール部に故障が出るとすべてを交換するが、別になっているタイプではそれぞれを交換できる。
ヒーターは、1年くらいが寿命と考え水温計で水温をこまめに確認する。
扇風機
夏場の気温が30度を超える地域では、夏場の水温対策が必要です。小型の扇風機でも夏場の水温を28度程度で押さえることが出来ます。水草、エビは特に高水温に弱く、30度を超える日が続くと大きなダメージを受ける。
タイマー
ON、Offが2系統コントロールできタイプもしくは逆接点持っているタイマーを用意します。1系統で照明のコントロール、他の1系統でCo2の電磁弁のコントロールを行います。ニッソーのタイマーは2系統、ADAのタイマーは逆接点を使用しています。タイマーを使用すると毎日の規則正しい照明の点灯、Co2の添加が出来ます。照明時間は、8時間を目安にしています。
エアーポンプ
夜間は、エアレーションが必要になるので、エアーポンプ゚も用意しましょう。タイマーに接続して、夜間のみエアーレーションするようにします。
小物
ピンセット
先端が細い物、水草を植え込むのに使用します。
ハサミ
専用の物でなくても可 トリミング用
pH計
Co2添加によるpHの変化を測定。無い場合はエビ、魚の様子を充分観察。
薬液による測定では目安程度にしかなりません。またpH計を使用する場合はこまめに校正しないと意味がありません。
水温計
どんなタイプでも良いので必ず備えましょう。購入時のチェックポイントは、他の水温計と比べて同じ温度をさしている物を選ぶ。(以外と値の正確でない水温計が多い)
メンテナンスツール
掃除用のホース(水槽内で上下に振ることにより排水できるタイプが使いやすい)、バケツ、雑巾、苔取り用のスクラッパー(三角定規、カードで代用可)、苔取り用のスポンジ(台所用で代用できるが、界面活性剤、研磨剤、抗菌処理がされてる物は使用不可)
添加剤
水道水を直接水槽に入れる場合は、塩素を中和させるための添加剤が必要です。ハイポが安くておすすめ。
肥料
底床肥料、液肥等。入れすぎると苔が発生します。充分様子を見ながら使用する。初めは取扱説明書の半分もしくは4分の1位の量から添加する。水槽立ち上げ当初は添加しない方が無難。肥料は水草が順調に育成した所から添加しても遅くないです。
不要な物
休眠バクテリア、苔取り薬品、バクテリアの元、水換え不要をうたった商品。
だいたい上記の物が必要になります。購入の際は十分検討して後悔しないようにしましょう。趣味の世界なので、費用を惜しんで安い物を購入して後から高い物に買い換えるのが一番馬鹿らしいです。
水槽の立ち上げ |
1.水槽の準備
水槽設置場所の選定
水槽は、60cm水槽でも水を入れると60kg近くなり容易に移動出来無くなります。設置
場所は、直射日光が当たらない、60kgの重量に十分耐えられる床、魚を落ち着かせるため振動(ドアの開閉、床の振
動)の無い場所、水換えの際に排水、吸水に便利な場所等を考慮して慎重に決めましょう。
大概の場合、床に直置
きせずにラックを使用します。ラックは強度、作りに信用のおける物を使用しましょう。水槽専門のラックで有れば問
題はないと思いますが市販の物を流用する場合は十分注意しましょう。
また設置する際には、水平が保たれている
かどうかも重要なポイントです。
水槽の準備
設置場所が決定したらいよいよ水槽を設置します。水槽の中
は以外と汚れていますので十分水洗いを行います。この際洗剤は絶対に利用しないこと。60cm水槽で有れば浴室等に持
ち込んで水洗いが可能かと思います。ラックに設置し、ラックにゆがみがないか、ラックと水槽の間に異物が挟まって
いないか、水平が保たれているかを確認しておきましょう。ラックにゆがみがあったり、間に異物が混入していると水
を入れた際に水槽が割れる原因となります。また水平を確認するには水を入れると容易に確認できます。
フィルターの準備
取扱説明書に従い、フィルターを準備します。大半の濾材は水ですすいでから使用します。
ホー
ス類の取り回しはメンテナンスがしやすいように考慮しながら行います。またホースに無理な力が掛かって折れていた
りしないように取り回しを決めましょう。ホースの途中にタップをもうけておくとメンテナンスがしやすくなります。
またフィルターは、呼び水をしてからモーターを回さないと、焼き付けを起こします。から回しは絶対にしてはいけません。
また濾材は、流用の損失にならないように詰めすぎに注意します。
濾材の詰め込みが済んだら設置場所
を決めてホースの取り回しをします。ジャレコのミキサー、紫外線殺菌灯を使用する場合は、この時点で一緒に配管し
ておきます。
底床
ソイルは洗う必要が有りません。大磯、プラントサンド等は事前に洗浄が必要です。
十分な流水で洗浄します。この際も洗剤は絶対に使用してはいけません。以下ソイルと大磯の水槽の入れ方を別々に
記入します。
ソイルの場合
ADAでは、ソイルの下にパワーサンドを入れることを推奨しています。パワーサン
ドを均一に敷いてからソイルを入れます。ソイルはパワーサンドが乱れないように少しずつ入れます。60cm水槽ではパ
ワーサンド2kg、ソイル9kgがADA推奨の量です。底床は水槽全面は低く、後方は高くするのが基本です。(水を入れ
て前方から見ると違和感が無くなります。逆にフラットにした場合はすごい違和感があります。)三角定規等で、縦横
にならしながら均一にします。
大磯の場合
十分に洗浄した大磯を入れます。大磯の場合は、したには何も敷
きません。この場合もソイルと同じように高低差を付けて均一にならします。
ヒーターの設置
ヒーター
は水を入れるではスイッチを入れてはいけません。
ヒーターは、水槽後方の目立たない場所に設置します。60cm
水槽だと150wが標準です。ヒーターにはセンサー一体式の物と別々の物が有ります。一体式の物はカバーをつける
と適正な加熱が出来ない場合があります。プレコ等を使用する場合は、カバーをつけないと魚が火傷しますが、水草水
槽では、プレコは基本的に入れないのでカバーは必要ないと思います。また火傷をしてしまう可能性のある魚を飼育す
る予定のある場合は、ヒーター内蔵のフィルターも有るので検討しましょう。通常の中層を泳ぐカラシン等を飼育する
場合はカバーの心配はありません。またヒーターは途中で水槽から出てしまうことがないようにしっかりキスゴムで本
体、コードを固定します。誤って出てしますと楽しい熱帯魚生活を送るはずが火災に見舞われることになりかねません
。センサーが別にあるタイプでは、センサーが自ら出てしまうことがない位置にしっかりと取り付けます。
水を入れる
初めて水を入れると、ソイルの場合でも良く洗浄した大磯の場合でも水はかなり濁ります。一度入れた
後に排水して再度注水すると短期間で濁りが取れます。
水を入れる場合は、水の勢いで底床が舞い上がらないよう
にします。バケツから直接入れるのは水草水槽の場合は、水換えも含めてレイアウトを壊すので不向きです。風呂用の
吸水ポンプが便利なので是非購入しましょう。バケツに温度を合わせた水を水道の水を入れ、スイッチを押すだけで吸
水してくれます。
水流で底床が舞い上がらないようにするためには、皿をおいてその上に吸水する、発砲スチロー
ルを浮かべて水流を当てる、ホースの先端にスポンジのフィルターをつけて吸水する等の方法があります。水を入れる
と濁りとともに汚れが水槽のガラス面につきますので、落としておきましょう。
水を入れ終わった時点で、フィル
ターの呼び水をしてフィルターを回します。本体、ホースのつなぎ目等から水漏れがないか十分注意します。この時点
では多少の濁りがあっても構いません。次にヒーターを入れます。水草水槽の場合は、高くても26度程度です。(温
度が高い程、Co2がとけ込まなくなります。また水草の生長に影響があります。)通常は魚の飼育と、水草の生育を考
慮して24度〜25度が適温です。初めて水槽に水を入れる場合は、温度を合わせる必要が無いので、冷水でも構わな
いが、適温水を入れるとこの時点でヒーターの加熱の電気代が節約できる。温度合わせは非常に重要なので、初めから
設定した温度の水を作る練習のためにも、温度合わせをした水を入れるようにしましょう。
水を張ってすぐに魚を
入れることはないので、ここでは塩素を中和させる必要は有りません。(しても結構です。)Co2の添加は水草を入れ
てからなので、この時点では絶えず水をエアレーションしておきます。Co2を初めは添加しない場合は、添加器具を水
槽の中に入れておくのは控えましょう。ADAのパレングラス等はすぐに苔がついてしまいます。
魚・水草を入れる状態の水を作る
水を入れるの項目でも必要に水にこだわりましたが、水は非常に重要です。ここでは、水草・
魚の飼える状態にするための準備をします。
諸説が多々ありますが、要はバクテリアによる働きがないと水槽は機
能しません。水を入れて何週間たっても水は出来ません。ここでバクテリアの元を入れても無意味ですので購入しては
いけません。
バクテリアの調達方法
バクテリアはその栄養源さえ有れば自然に水槽に繁殖していきます。
以下繁殖のさせ方
一番簡単なのは、バクテリアを水槽に入れることです。(バクテリアの元ではありません。)ショップ、知り合い等からゆずってもらいましょう。その方法は、濾過の出来ている水槽の、底床(大磯等)を少し分けてもらう、フィルターの濾材をネット等に入れてしばらく水槽に入れてもらいバクテリアを濾材に住まわせる、等があります。自分の水槽に移す場合は、適温で塩素がないことが条件となります。バクテリアを入れると今まで白く濁っていた水が透明になるのが目で見て判ります。(何も入れてない水槽は塩素が抜けた時点で微生物が繁殖して一度必ず白く濁ります。)
バクテリアが手に入らない場合は、バクテリアの栄養源を水槽に入れて自然に繁殖するを待ちます。バクテリアの栄養源はアンモニアです。自然繁殖をする場合は是非水質検査をしましょう。
バクテリア自然繁殖の方法
水温を合わせて塩素が無い水槽が条件
パイロットフィッシュを用意する。(空を飛ぶ魚ではありません)
ちょっと可哀想な気がしますが、魚の排泄物を栄養源にバクテリアが繁
殖するので、濾過の機能していない水槽にパイロットフィッシュを入れて、栄養源を供給します。パイロットフィッシュは、安価に売られている(繁殖力が強くて丈夫な(適応能力が強い)魚を選びます。金魚が安くて一番良いと思いますが水が出来た時点で不要になってしまうので、おすすめは、ラスボラ、小型のカラシンといったところです。
60cm水槽では初めは5匹程度が適当です。魚を入れるに際しては、購入したままの状態(ショップでビニール袋に水と魚、酸素が入っている状態)で、30分から1時間程度水槽に浮かべてビニール内の水の温度を合わせます。急激な温度変化は魚の寿命をまっとうさせます。時間が経過したら、ビニール袋を開けて、水槽内の水を少しづつ入れていきます。初めはビニール袋全体の水量の4分の1ぐらいの水を入れて30分水槽内に放置します。次はビニール袋
の水を4分の1程度破棄して、さらに水槽の水を4分の1程度入れ30分放置するといった具合で水にだんだんと慣らしていきます。4回程度繰り返した後で、魚だけを水槽に入れます。
水槽に入れた時点で、魚はすぐに餌を食べませんので、落ち着くように照明を消して翌日から餌を与えます。餌は1日2回、2、3分程度で食べきる量を与えます。魚が小さい場合は、餌を適当な大きさに細かくしてあげましょう。(テトラミンは小型カラシンにそのまま与えるのでは大きすぎます。)
魚を飼育していてもこの時期は濾過が全く機能していないので水質に十分注意をします。水質で気を付けるのは、アンモニア、硝酸塩、亜硝酸塩です。アンモニアは非常に猛毒で、魚を死に追いやります。検出されないように少量で頻繁に水換えを行います。アンモニアがニトロモリナスによって分解されたのが
硝酸塩です。硝酸塩も魚には、有毒です。硝酸塩がニトロバクターによって亜硝酸塩に分解されるというのが生物濾過になります。完全に濾過が機能するには3ヶ月程度必要ですので、この間はこまめに水質検査を行い、適宜な水換えを行います。パイロットフィッシュは非常に苦しい環境の中で、濾過の完成のために頑張ってくれています。アンモニアを分解するバクテリアは比較的初期に発生しますが硝酸塩を分解するバクテリアの発生するには比較的時間を要します。但し発生すると、劇的に硝酸塩の値が低くなるのですぐに判ります。また水質検査と並行して、pHのチェックも行い、酸性の値を示すときは水質の悪化を疑います。
このように書くと非常に煩わしい感じがしますが、実際には私は全く知らずに魚を飼い始めました。パイロットフィッシュを入れて3日後には次の魚を購入したりしましたが、飼えないことはありませんがやはり生存率は今から思うとやはり低く、可哀想なことをしました。濾過が完成するまでは、魚は控えめにしましょう。
パイロットプランツについて
魚と同じように初期の水槽では水草も非常に住み難い環境にあります。ADAでは濾過を立ち上げる前に水草を入れて居ますが、私個人としては後からの方が良い気がします。
初めに入れる水草も安くて繁殖力の強い丈夫な水草にしましょう。(安くても、成長が遅いナナ等は苔が生えるだけです。)水草を本格的に密生させるのは、濾過が出来上がってから、Co2を方が無難です。
気を遣わなければいけないのは、バクテリアの移植が出来ない初めての水槽のみで、すでに通常の水槽で濾過が完成されている、誰かにバクテリアの住み着いた、濾材、種砂等をゆずってもらえる場合には、最初から水草を密生させて、Co2を添加すれば光合成による気泡が確認できるはずです。Co2無しでも育成する水草はありますが、より順調に育てるので有ればCo2の添加は必須です。エアーレーションを止めて、Co2を添加し、水草が順調に光合成をして酸素を出して魚が酸欠にならないようにするバランスを目指して頑張りましょう。水草は弱酸性の水質を好みますので、飼育する魚も弱酸性の飼育水に適した物を選びましょう。ショップで相談すれば良い物を選んでくれるはずです。
水を作る
パイロットフィッシュを入れて餌を与えていれば自然にバクテリアが住み着いて、生物濾過が始まります。水もどんどん透明度をまして、輝きを増します。濾過が順調に進めば最終段階の硝酸塩を水換えによって水槽の外に出すだけで水槽の維持は出来ますが、ここで発生する問題として悩ましき苔の出現です。水草が生長できる(使い切る)栄養だけが飼育水に含まれていれば苔は理論的に発生しないはずですが、苔には理
論が通じずどうしても顔を出さないと気が済まない性格のようです。立ち上げ当初は、底床肥料、液肥の添加は苔の発生を促進するだけです。水草が光合成を活発に行い順調に生育してからでも肥料の添加は決して遅くありません。先ず目指すのは濾過の順調な立ち上げ、飼育水の貧栄養化です。濾過が立ち上がって、少し水草を入れる時点にはすでに珪藻の発生が見られるはずです。苔駆除の定番、生物兵器の大和沼エビ、オトシンクルスを入れましょう。大和沼エビは経験上餓死などする事は絶対にありませんがオトシンは餓死します。お腹のふくれ具合を見て、やせているようで有れば皮をむいたキュウリの輪切りを水槽に浮かないようにして、底においておきましょう。逆に大和沼エビを入れているのに苔の発生が見られるときは、大和沼エビを産卵箱等に隔離して断食させます。苔の発生が押さえられない場合は、成長の早い有茎草、リシアを導入して貧栄養価を図りましょう。
水が出来て濾過が順調に進めば、水草を密生させてCo2を添加します。添加に際しては魚、エビの状態、pHの推移、水草の気泡をつける状態を確認しながら量を調節します。魚の鼻上げ状態、エビの不活性が確認できるときは、酸欠状態なのですぐにエアレーションをします。60cm水槽で水草を密生させた場合の添加量は、1滴/1秒が目安になります。(ADAグラスカウンター、ジャレコミキサー使用)
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