【 ハードディスク(HDD) 】 
プログラムやデータを記録するためのパーツ。急速に容量が大きくなっていますが、
同時にデータ転送の高速化も着実に進行しています。比較的値が張るパーツなので、
予算によってどんなハードディスクを選ぶかが変わってきそうです。

ハードディスクの選び方

ハードディスク選びで難しいのは、価格と容量とのバランスをどう取るかです。容量が大きいに越したことはありませんが、大容量のハードディスクほど値段が高くなります。どこで妥協するかが悩みどころでしょう。あれこれ悩むよりも、きっぱり値段で決めてしまうことをおすすめします。
 この数年の動きを見ると、1万円台半ばのハードディスクがもっともお買い得です。それ以下の値段では容量が急に小さくなってしまい、費用対効果の点で不利になります。わずか数千円の違いで容量が半分になってしまうともあります。反対に最新の大容量ハードディスクは値段が急に高くなります。
 ハードディスクも大容量化が急速に進み、2〜3年ごとに容量は倍になっています。同じ金額を出したとき、あとになるほど容量の大きなハードディスクが手に入るわけです。ですから、無理をして高い大容量ハードディスクを買うよりも、手ごろな値段のハードディスクを選んでおくのが賢い方法です。将来的にハードディスクの容量が不足してきたら、その時点でもっともお買い得なハードディスクに交換しましょう。また、−般的にハードディスクは容量が大きくなるほど読み書きも高速であるため、スピードアップの効果も得られます。


オススメ!
250GBと300GB

ハードディスクの仕組み

ハードディスクの中には毎分数千回転という速さで回転するディスクが入っています。このディスクはガラス基盤に磁性体を塗布したものであり、堅い材質でできていることからハードディスクと呼ばれるようになりました。ハードディスクに格納されているディスクは「プラッタ」とも呼ばれます。大容量
のハードディスクは3〜4枚のプラッタを内蔵することで容量を増やしています。たとえば、133GBのプラッタを3枚内蔵すると400GBのハードディスクになります。
ディスク上のデータは磁気ヘッドで読みとります。磁気ヘッドはディスクから数ミクロン浮き上がった状態でデータを読み書きします。ハードディスクの内部にホコリが侵入し、磁気ヘッドとディスクの間に入り込むとディスクにキズがついてしまいます。このため、ハードディスクは信頼性を高めるために完全に密封され、内部をのぞくことができないようになっています。
 磁気ヘッドはディスクから目的の位置にデータを読み書きするため、高速に移動します。ハードディスクが動作するときにカラカラと書がすることがあ
りますが、これは磁気ヘッドが移動するときの書です。
 

IDEとS-ATA

 ハードディスクの接続方式には「lDE(アイディーイー)」と「シリアルATA(シリアル・アタ)」の2種類があります。lDEは古くから使われてきた方
式であり、どのマザーボードにもlDEの接続端子が備わっています。もうひとつのシリアルATAは最近になって登場した新しい規格です。現在では大部分のマザーボードがシリアルATAの接続端子を備えるようになり、ハードディスクもシリアルATAタイブの方が主流になりつつあります。これからハードディスクを買うのであれば、シリアルATAに対応したものを選ぶべきです。IDEとシリアルATAには次のような違いがあります。

シリアルATA
(S-ATA)
●シリアルATAのデータ転送速度は150MB/s、シリアルATAUは300MB/sと高速です。
●シリアルATAは接続端子と記憶装置を1対1でつなぎます。HDD側にジャンパーピンによる設定は必要ありません。
●シリアルATAでは細いケーブルで接続します。接続が簡単なだけではなく、ケース内の空気の流れをさまたげることもありません。

現在のマザーボードにはS-ATAの端子がついていますが、OSをセットアップするために、特別な作業をしなければならないマザーボードもあります。OSをインストールするハードディスクはIDE接続の方が無難です。
(i945以降のマザーボードではIDEと同じようにOSをインストールできます。)

IDE
●IDEの転送速度は100MB/sの「UltraATA/100」と133MB/sの「UltraATA/133」の2種類があります。
●マザーボードには「プライマリーlDE」と「セカンダリー旧E」という2つの接続端子があり、それぞれに2台ずつの記憶装置を接続できます。同じ端子に  接続する記憶装置は、優先順位を決めるためにジャンパースイッチで「マスター」と「スレーブ」のどちらかに設定しておかなければなりません。
●lDEは幅広のフラットケーブルにより接続します。フラットケーブルは取り回しが難しく、ケースの中で空気の流れを阻害し、パーツの温度の上昇を
まねくこともあります。

ハードディスクの回転速度

速度に大きな影響を与えるのはディスクの回転数です。かつてのハードディスクは毎分5,400回転が主流でしたが、現在ではほとんどがより高速な
7,200回転のドライブになっています。サーバーで利用されるSCS一方式の製品はもっと高性能で、10,000回転や15,000回転のハードディスクもあります。
 ただし、回転数が高くなるとハードディスクの発熱が増えるため、放熱をきちんと行なわなければハードディスクの寿命が縮まってしまいます。動作音も大きくなる点にも注意してください。特に発熱の大きな製品を使うときは、ハードディスクを冷却するためのファンを追加した方がいいかもしれませ
ん。

プラッタあたりの記憶容量

容量もスピードと密接な関係があります。容量が大きなハードディスクほどデータの記録密度が高く、同じ速度で回転させればそれだけ多くのデータ
を読み出せます。そのとき注目すべきなのはプラッタごとの記録容量です。ハードディスクの容量はプラッタの枚数でも左右されるため、必ずしも大容量のハードディスクが記録密度が高いとは限りません。

シークタイムとアクセスタイム

シークタイムやアクセスタイムという指標もあります。ディスク上のデータを読み出すためには磁気ヘッドを移動させなければなりません。シークタイ
ムとは目的の場所まで移動させる時間、アクセスタイムは読み出しの命令を出してから実際にデータを読み込むまでの時間です。この数値が小さいほどデータに素早くアクセスできますが、全体的に高速化が進んでいるので使い勝手に影響するほどの差は見られません。

キャッシュメモリーの容量

データ読み出しを効率化するために、ハードディスクはキャッシュメモリーを内蔵しています。通常のハードディスクは数MBのキャッシュメモリーを持っています。しかし、WindowsなどのOSもディスクキャッシュの機能を持っており(メインメモリーをキャッシュとして利用します)、必ずしもキャッシュメモリーをたくさん搭載したハードディスクが高速だとは言えません。
 −方、サーバーでの利用を見込んだSCSl方式のハードディスクには数十MBのキャッシュメモリーを備えた製品もあります。多数のユーザーがいっせいにアクセスするようなサーバー環境では高いパフォーマンスを発揮できますが、一般のパソコンではコストに見合うだけの効果は得られないでしょう。

ハードディスクの寿命

ハードディスクには寿命があり、平均的な使い方では4〜5年経過すると故障の可能性がたかくなります。最近のハードデスクは高速で高密度なので2〜3年が寿命といわれています。信頼性の面からもハードディスクは定期的にグレードアップするのが有利です。

3.5インチと2.5インチ・ハードディスク

3.5インチハードディスクはディスクトップPCに使用されます。自作PCはほとんどがこの3.5インチハードディスクを使用します。5400回転/分と7200回転/分があります。容量は現在500GBまであります。

2.5インチハードディスクはノートPCや小型PCに使用します。4200回転/分と5400回転/分があります。特徴は消費電力が低く、発熱も少ない。
音が静かなどがあります。容量は現在120GBまであります。