【 メモリー 】 
メモリーとは、プログラムやデータなどの情報を一時的に記憶する作業領域です。CPUが直接アクセスできるのはメモリーに限られるため、その容量と性能がシステム全体の処理能力に深く関係します。
 

メモリーの容量はどれだけ必要!

 Windowsを利用するには最低でも128MBのメモリーが必要です。しかし、128MBでは足りません。メモリーが不足すると「スワップ」という作業が発生するため、動作速度が極端に遅くなります。スワップとはメモリーの中であまり使われていない部分のデータをいったんハードディスクに保存し、メモリーの空きを作り出すものです。メモリーに比べるとハードディスクを読み書きする速度は圧倒的に遅いため、スワップが起きるたぴに動作が止まるように感じられます。これではどんな高速なCPUであっても、力を引き出すことができません。 スワップを減らすには最初から十分なメモリーを搭載しておくことをおすすめします。できれば512MBは用意しておきたいものです。特にビデオ編集など大量のデータを扱うソフトを使う場合は、たくさんのメモリーを搭載した方がいいでしょう。しかし、1GB以上のメモリーは特別な用途でない限り必要はありません。 最近のメモリーは高速化と引き替えに動作を安定させるのが難しく、マザーボードのメモリーソケットの数も少なくなっています。メモリーソケットが2つしかないマザーボードもあり、容量が足りないからといってあとから何度も増設できるわけではありません。予算が許すなら、最初から十分な量を用意しておくべきです。
 

メモリーの種類


DDR SDRAM
SDRAMというメモリーの改良型です。1回のクロックで2回の読み書きを可能にしたもので、SDRAMの2倍の速度を持っています。

DDR2 SDRAM
DDR SDRAMに改良を加えた新しい規格です。同じクロックでDDR SDRAMの2倍のデータを読み書きできます。
 
  ピン数 動作電圧 モジュール名 動作クロック データ転送速度
DDR SDRAM 184ピン 2.5V PC2100 (DDR266) 266MHz 2.1GB/s
PC2700 (DDR333) 333MHz 2.7GB/s
PC3200 (DDR400) 400MHz 3.2GB/s
DDR2 SDRAM 240ピン 1.8V PC4300 (DDR2 533) 533MHz 4.3GB/s
PC5300 (DDR2 667) 667MHz 5.3GB/s
PC6400 (DDR2 800) 800MHz 6.4GB/s
           
           ※DDR SDRAMとDDR2 SDRAMは互換製はありません。マザボードの仕様で使用できる種類が決まります。
 

デュアルチャンネル

●最近のマザーボードは2つのメモリーモジュールを兼ねて使うことで、データの転送速度を向上杏せるものがあります。これを「デュアルチャンネル」と呼びます「PC3200」のメモリーモジュールの場合、毎秒3.2GBのデータ転送速度をもっていますが、デュアルチャンネルでは毎秒6.4GBまで速度が向上します。
●AMDのCPUの場合、Athlon64や64X2がデュアルチャンネルに対応しています。またインテルのCPUの場合はマザーボードのチップセットの仕様により決まります。
●デュアルチャンネルを利用するときは、まったく同じ仕様のメモリーを2枚セットで装着します。規格が同じメモリーであっても、読み書きの微妙なタイミングの差があるときはデュアルチャンネルとして動作しません。
●デュアルチャンネルでメモリーを使用する場合はブランド品の高品質なメモリーを使用しましょう。
 

ブランド品、ノーブランド品

メモリーを購入する時に悩ましいのは、安い「ノーブランド品」と高い「ブランド品」のどちらを選ぶかだ。自作パソコンにおいて動かない、動作が不安定になる。などのおもな原因がメモリーによるものがほとんどです。信頼製を求めるのであれば、ブランドメモリーを、安さを求めるのであれば、ノーブランドメモリーを選ぶとよいでしょう。

ブランドメモリー
チップのブランドにはSamsungElectronics、Corsair Memory、Micron、Hynix Semiconductor、などがあり有名です、これらのチップメーカーは厳重に製品チェックと相性の検証をしていますので安心して使用することができます。ただし、ノーブランドメモリーからみると値段が高めに設定されています

ノーブランドメモリー
ノーブランドメモリーはチップメーカーでは検査をせずモジュルーメーカーが独自の検査基準で検査したメモリーです。なかには全く検査していないメモリーもあります。その分価格も安く購入しやすくなっています。ノーブランドメモリーでも、問題なく動くことが多く自作ユーザーには人気があります。
保証については販売店独自の保証をつけていることが多く、おおくは初期不良交換のみになっています。
 

メモリーのキーワード

メモリーを選ぶときは次のキーワードも頭に入れておきましょう。

◎ECC
「ErrorCheckin9andCorrectin9」の咤。メモリーの読み書きで発生したエラーを検出し、正しいデータに訂正する機能のことです。メモリーにエラー
が発生することはほとんどありませんが、もしエラーが発生するとシステム全体が停止することもあります。それを防ぐための機構であり、高い信頼性が求められるサーバーで使われます。一般的なパソコンでは必要ありません。

◎Registered DIMM
 メモリーチップをメモリーコントローラヘ直に接続せず、DIMM上においたバッファにいったん信号を蓄積します。メモリーの読み書きを安定させやす
くなります。この方式のDIMMはサーバーで用いられます。一般向けのマザーボードが対応しているのは「Unbufferd DIMM」というタイブです。わざわ
ざ高価なRegistered DIMMを使う必要はありません。

◎CASレイテンシ
 「CL」と略されます。メモリーチップが動作するタイミンクのひとつであり、列アドレスを出力してから、実際に読み書きが始まるまでのクロック数
を表します。この値が小さいほど高速ですが、体感できるほどの違いはありません。メモリー選びの際は気にしなくてもいいでしょう。