LIVE OR DIE


2001年2月17日、この日を俺は一生忘れる事はないだろう。
一つの始まりであり一つの終わりでもあったあの日・・・。

当日の朝、俺は緊張と期待と不安が渦巻き眠れずにいた。
やるべき事は全てやったはずだったが、何故か焦燥感がぬぐいきれないでいた。
まだ見ぬ世界に足を踏みいれる不安なのだろうか?そんなものに押し潰されそうになっていた。
そんな自分を振り切るかの様に、俺は冷静に支度を整えながら気持ちを高めていった。
そして定刻通り、決戦の地「町田ACT」に向かった。

現地に到着しメンバーと顔を合わせても、まだ俺の緊張は解けなかった。
それどころかどんどん緊張は増し、時間が迫るにつれ、限界点に達しようとしていた。
やがて他のバンドとの顔合わせ後、リハーサルが始まった。
そこで俺は初めてステージってもんの上に立った。
そこから見えた初めての景色・・・客が入ってないせいもあってか、妙な開放感があった。
単純な広さだけの問題でなく、なんかこう・・・・無限に続く何かを感じた。
ステージ上で初めて出した音はいつもと変わらないものだった。
ただ、演奏としては最低の部類だった。どこか歯車がズレていた様な気がする。
気負いだけが空回りして両手が付いてこない、そんな感じだった。
その違和感を解消出来ないままリハーサルは終わり、俺は更に追込まれる事になった。

それから本番までの時間、俺は何をしていたかはっきり覚えていない。
ただ、身体と心がどんどん離れて行く感覚だけは覚えている。
勝手に追込まれていった俺は肝心なモノをこの時に手放してしまったのかもしれない。
そして・・・・時が来た。

扉を抜けステージに出る。
そこはリハーサルの時とはまったく違った風景だった。
情けない話だが、果てしなく広がる暗闇に俺は少しの恐怖を覚えた。
ただ、客が居るって事に対してはあまり何も感じなかった。
そして演奏ははじまった。俺はただ必死で演奏を続けた。
結果はサイアクだった・・・・。
技術的な事は言う気もないし、元々俺は持ち合わせていないいないものだからいいとしても、
メンタルな部分で自分がちぐはぐだったのが許せなかった。
一番重要な魂の部分を俺は置き忘れてしまったのだろう。
あの日の俺はステージでベースを弾いていない。ただ、弦を弾いていただけだ。
何故自分がバンドをやっているのかさえ忘れていた。
それは「初めてだから」とか「経験が無いから」とかで済まされる問題じゃなかった。
そんな言い訳が通用しないぐらいの酷い有り様だった。
元々俺はその程度の人間だったのかもしれない・・・
とにかく、あの日俺は確実に負けた。

あの日俺は初めてステージに立った。夢にまで見た景色を見た。
それはバンドとして一つの始まりであり、意味のあった事だろう。
そして完膚なきまでに叩きのめされ敗北した。そこでバンドとして一つの終わりを迎えた。
ただ、俺は負けたまま黙って引き下がるつもりはない。それなら死んだほうがマシだ。
やられた事は数倍にして返してやるのが俺の流儀だ。
この敗北は俺にとってバンドの新たなスタートになるだろう。
そして近いうちに必ずあの場所に戻り、きっちりカタを付けてやる。
それが今の俺の生きる意味だ。

                            神風

 追記 ・俺・・・誰?(笑)

追記2・あの日来てくださった方々、重ね重ね感謝あんど謝罪。
    次回をお楽しみにっ。


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