Last update Jul.25,2001

超適当マスタリング講座

ほかのコンテンツ書いているときにグチってたら全然関係ない話に暴走したので手直ししてこれ書いてます。

PCに圧縮して音楽を取り込んで楽しんでいる方も多いと思います。 そうやって連続で再生していると古い音源なんかでレベルがえっらい小さい曲があったりするとウザくないですか?あと音像があまりもしょぼい曲とか。 そんなときはせっかくPCに取り込んでデジタルでいじり放題なのですから勝手にマスタリングをやりなおしちゃいましょう! なんせいまやプロの世界でもコンピュター使って音をいじるのは当たり前のことで本当に世界のトッププロが使っているのと同じエフェクトが簡単に(ハードウェアだったころに比べるて)手に入ります。

マスタリングとは

曲を作る段階で、楽器ごとに別々に録音して音質や音の定位などを調節する作業がミックスダウン。 そしてミックスダウンして2ch(ステレオのLR)にまとめられた音源に最終調整としてまたエフェクトを掛けるのがマスタリング。 普通は一枚のCDを通したときや舞台や映像などで連続して使用する際に楽曲間の音像の統一をもたせるために行います。

んでそのマスタリングをやり直しちゃうからリマスタリングと。 再発CDなんかでリマスター盤とかあるのはこれと同じで、オリジナルのマスターテープから現在の機材でもう一度マスタリングしなおしてあるってことです。 でも劇的に音質が改善された盤にいままで一度も出会ったことがない・・・

基本的な方法

普段音楽を聞くときにも音が気に食わないときはEQを使われていることでしょう。 ちなみにこのEQ=イコライザーなる物、その名の通りイコール・ライザーなので周波数特性(要するに低音から高音までのバランス)をフラットにするための物です。 勘違いしている人が多々いるようですけど。 ま、楽しみ方は人それぞれなので別に文句があるわけじゃないですけど・・・あえて言うなら一回ステージに立ってみろ。もしくは本物のアーティストのライブを見ろ。ですかね。

基本的に音源には信じられないような耳を持った人間がシャレにならない高価な機材を使ってちゃんと聞こえるようにミックスしてあるので、まともなオーディオシステムで再生すればEQなんて必要ありません。その証拠に高いオーディオのプリアンプにはEQなんて付いてないでしょ? ていうか、そもそもプリアンプにEQが搭載されているということは、作ったメーカー自身が安物だと認めて売っているということです。 別にそういった普及機の存在を否定するわけじゃないですけど、ネットで知ったかオーディオマニアの戯言を目にすると・・・

はぁい!早速脱線です。 話を元に戻すと、マジでしょぼい音を改善しようと思えばコンプレッサーを使うしかないってことです。

まじめにやるならば、 レベルが小さい場合には曲の雰囲気に合わせてコンプレッサーとエキスパンダーを使い分けて単純に音を大きくするのではなくダイナミックレンジを稼ぎます。すべてはそこからです。 そしてまずはEQでバランス整えて、ステレオ感を調節するのにステレオイメージャーをかましてコンプ/リミッターで音圧を調整。最後にリバーブ、コーラス、ショートディレイで空気感を決めて、リミッターで最終調整をする。 というものですが、ここまでマジにやると汎用性がなくなり、雑多な曲を連続再生する際の組み方としてはNGなのでそこら辺はうまくお茶を濁してやります。

一番簡単な方法

EQとは単純にある周波数帯を増減させるだけなので普通にEQといわれて想像するグラフィックEQではメチャクチャたくさんのバンドがないと曲の音像とかみ合わない場合が多々あります。んでいじれるところが多くなれば慣れてない人はどこから手をつけて良いのか分からなくなります・・・ 周波数特性まで自分でデザインできるパラメトリックEQならなおさらです。 しかも各楽器が別々に収録されているマルチトラック状態のデータなら楽器ごとに適当にグライコを掛ければ良いのですが、2chに全楽器が統合された後だと楽器には演奏した音程+倍音というものがあるので良い感じに調節するのはさらに難しくなります。

じゃあどうするのかといえば、その倍音を付加してやるのです。 まずはじめにコンプを使って全体のレベル調節をしてから高音と低音にサブハーモニクスを付加するエフェクトを掛けてやります。 こうすることで単純に高音や低音が大きくなるのとは一味違った、高音や低音が立ち上がってハッキリ聞こえるという効果が得られます。 上はSteinbergのスペクトララーザー。もしくは普通エキサイターとか言われてるエフェクトがコレ(だと思う。さすがにマニュアル読んでもアルゴリズムまでは載ってないものが多い。それでパラメーターまで少ないと判断のしようが・・・) 下はWavesのMaxxBassとかSteinbergのLoudnessMaxとかだったと思う。 (下用のはあんまり使わないから・・・) ま、大概の曲はコレで十分です。 ていうかアマチュアのデモテープ作成ならおつり来るな。

実際のところ

ま、上のようにサブハーモニクスの付加だけでは追いつかない場合で割と簡単にやりたい場合で音源間のレベル調整とEQ処理に汎用性を持たせるために単なるコンプではなく周波数帯ごとにコンプレッサーが掛けられるマルチバンドコンプレッサーというリーサルウエポンをかまします。WavesのC4がお気に入り。そして後は上と同様に、足らない上と下の成分をサブハーモニクスで補えば解決。

このサブハーモニクスの付加によってレベルオーバーするときはさらにもう一度コンプレッサーで押さえます。WavesのC1とかSonic FoundryのGraphics DynamicsとかTCのNative DeXとかが良い感じです。この用途だとWavesのRCLはちょっと向かないです。

ここまでやってもどうにも音圧が足らない、どうしようもなくしょぼしょぼな曲にはTLAudioのEQ-1を出力/入力=-30dB/+30dBという極悪な設定で掛けてやります。

また、あまりにもドライで奥行がないときにはWavesのReneissance Reverberator使います。TCのNative Reverbも良いのですが、パラメーターが少ないのですでにマスタリングされている音源にさらに上掛けするにはなかなか難しいです。

で、こんなことしてるとまたレベルオーバーしちゃうので最後の最後にリッミター掛けてやります。あ〜エフェクトだらけだ。

最後に

ざっとこんな感じになります。 しかし、上記に上げたやつはどれもすごい威力な分大概パラメーターの設定が難しいのでプリセットがやたらと即戦力なSonicFoundryのPluginで全部まかなったほうが良いかも。マジに適当にプリセットパッチを切り替えるだけでい〜感じにかかります。自分で微調整する必要すらほとんどないです。 以前のSoundForgeにバンドルされている物は内部処理が24bitで良い感じながらも荒かったのですが、ForgeがVer5に上がったのに伴いエフェクトの方も32bitに対応したらしくシビアな用途にも使えるようになりました。 それでいて今は新発売記念価格で爆安なので音楽が好きなら自分で曲をつくらない人でも(+作る人でMIDI音源メインな人も)買った方が幸せになれますよ。 ていうか、マジで昔7万くらい出してVer4とか買った人はどう思うんでしょうね・・・今の大盤振る舞いっぷり。 しかもWMAの読み書きにも対応しているし、昔は高嶺の花だったのにいきなりお買い得度万点なソフトになったな・・・SteinbergのWavelabにシェア食われてるのか?

ていうか、自作の曲もまともにないのにエフェクトの使い方だけ知ってどうするつもりなんだろうかオレ・・・

あと、もう元の音なんでどうでも良いくらい変えたいときにはBitなんとかってところのOhmboysでキマリです。音もイカれてるなら見た目もイカれてる。インターフェイスから容赦ないってのがもうどうしようもなく洋物。さすがだ。