Last update Oct.11,2001

CDの盤面に傷が入ったら

まず最初にですけど、CDのデータというのはレーベル側(タイトルとか書いてあるほう)に記録されています。裏っ側じゃないです勘違いしてる人いますけど。よく「レーベル面にボールペンなど固いもので書き込まないでください」とあるのもそのためです。 レーベル面に傷が入ってピット(=でこぼこ、こいつにデータが入っている)がつぶれると読み出せなくなります。 対して裏面(キラキラしてるほう、プレステは黒いけど)は実際はほとんどがポリカーボネイトで実際にデータが記録されているピットからは結構距離があります。 しかもこのポリカーボネイト層がレンズの役目も果たし表面に傷があってもレーザーがポリカーボネイト層を通ってピットまで辿り着いたときには盤面表面における傷の大きさよりも相対的に少なくなるように工夫されています。あたま良い人もいるもんです。

それはともかくこんな構造になっているので裏っ側には少々の傷が入っても大丈夫なのです。 (CD屋やゲーム屋で買い取るときにはアホみたいに突っ込まれるけど) 使っているうちに裏面に読み込めないほどの傷が入ったりすることがありますが上記のように実際のデータはレーベル側に刻まれていて、裏側はほとんどがポリカーボネイトの層なのでそのポリカーボネイト層に入った傷を取り除いてやれば読み込めるようになります。

で、どうするのか。 模型屋や日曜大工店に行って「コンパウンド」というのを買ってきましょう。 ¥200くらいです。扱いやすさを考えると模型用のほうがいいのでグンゼとかから出てるやつ買ってきましょう。 こいつを不識布に少量つけて傷が大丈夫っぽいくらい目立たなくなるところまで磨きましょう。(べつにティッシュペーパーでもいいけど、少々の細かい傷ならデーター訂正で補正できるから、デジタル万歳!) なおこのときに磨く方向は円周方向ではなく半径方向です。 円周に沿って読み込むという仕組み上円周方向の連続したエラーには弱いのです。 同じサイズの傷が入っているとしてもこれが半径方向なら一周おきに小さな傷があるだけですみますが、これが円周方向だとその傷のサイズだけずっと読み込めないことになり符号化によるエラー訂正では追いつかない可能性が高くなるからです。 というわけである程度傷が目立たなくなったら読み込み性能が超強力なCD-Rドライブで読み込んでとっとと複製を作りましょう。これで大概の傷は大丈夫です。

しかし、コンパウンドで少々磨いたくらいでは復活できないような深い傷の場合は あまりにも特定の箇所だけ薄くするわけにもいかないし、コンパウンドでは目が細かすぎておっつかないので水ペーパーなどで盤面全体を本格的に研磨するしかなくなります。 まず#1000以上から#2000まで適当に4段階くらいの水ペーパーを揃えて、目が粗いものから順に磨いていきます。 このときですが、全体にそのペーパーの目の粗さに見合う傷が満遍なく入って元の傷が分らなくなるまで行います。 そこまで出来たら初めて次の目で磨きます。 ま、これはやすり掛けの基本ですね。 なおそのときに力を入れてはいけません。ここまで目が細かくなると削り粉で品物が楽勝傷つくのでこまめに洗い流しながらあくまでも軽く満遍なく研磨を行います。

そして最後はコンパウンドで仕上げです。これで大概のディスクは復活できます。 ただしレーベル側に傷がいってピットが潰れているものはダメですよ。 本当にデータ自体がなくなってしまったものはもうどうしようもありません。 というわけでディスクの取り扱い時にはレーベル側に傷をつけないように日頃から注意しましょう。