Last update Jan.04,2000

デジタルのはずだが・・・

みなさんCD-Rのメディアを買うときにちゃんと自分の使用目的に合わせて選んで買っていますか? データを焼くにしろ、音楽CDを焼くにしろデジタルなんだから別に変わらないジャン? とか思っていませんか?

そんなことありません全然変わります。

といっても一般のCD-ROMの規格であるmode1とmode2-form1というフォーマットで焼いた場合には、 強力なデータ訂正符号が付加されるので、現在市販されているCD-Rドライブとメジャーなライティングソフトの組み合わせならば、¥50以下の台湾メディアに×8以上で焼いた場合でもRがぼちぼち普及する以前、1998年ならいざしらずいまどきデータが読めないということはまずありません。

実際にはドライブ、メディアの組み合わせによって書き込みエラーの発生量は違っているのですが、訂正符号の限界を超えるほどのエラーを起こすことはハードもしくは、ソフトに不具合でも起こらない限りは考えられないのでまず大丈夫です。 問題はmode2-form2(一般にはmode2-XA、単にXA、主にプレステのゲームディスク)および、音楽CD(CDDA)を焼くときなのです。 といっても、いくらXAセッションにmode1データ程の強力な訂正符号が付加されないからといってもドライブとメディアに気を使えばまず100%問題なく焼けます。

一番ヤバイのはCD-DAのライティングです。 CDはデジタルで音楽が収められているので、メディアなんか変えたところで音なんか変わらない。と思っている人が大半のようですが、そんなことありません! それではどうして世間には百万円もするようなCDプレーヤーがあるのでしょうか?

ハイエンドオーディオになると「ターンテーブル」もしくは「トランスポーター」というD/Aコンバーターをプレイヤー本体に内蔵しないタイプがほとんどになります。 これらのようにD/Aコンバーターを内蔵していないということは、CDから読んだデジタル信号をそのままD/Aコンバーターに渡しているだけということになるので、デジタルだから音は変わらないと言う人の理屈に従うならば¥5000の製品(PCのCD-ROMドライブ)も¥100万の製品(本物のオーディオ)もその後同じD/AコンバーターとAMP、スピーカにつなげばまったく同じ音になる。ということになります。

こんなバカな話は無いということはいくら本物の音を聴いたことが無かったとしてもこの世にそのような高い製品が実際に存在するということを考えてもらえれば想像してもらえますね? メディアによって音が違ってくるという話の本筋とは話題がそれていますが、まるっきり関係ない話というわけでもありません。 そのくらいCDによる音というのはデリケートな物なのです。 また同じマスターから作ったCDでも洋盤と邦盤では音が違います。マジです。

なぜこのように盤が変わっただけで音が変わるようなことが起こるかといえばその原因の一つはCDの規格自体にあります。 あまり詳しくは知らないのですが、音をデジタル化したPCMのデータがCDにそのまま入っているわけではないのです。 CDDAにはセクタ情報というものが無いので、ある瞬間に読んだデータがその前後のデータと連続性を保っているのか判別する術が無いのです。 つまりメディアとプレイヤーの質に思いっきり影響を受けることになるのです。

余談ですが、そもそもアナログである音声信号をデジタイズするための方式:PCM(パルスコード変調)自体に無理があります。 自動制御を学んだ方なら知っていると思いますが、本来空気を媒質とした縦波であるはずの音声信号をPCM変調では無理やり横波に変換するのでサンプリング周波数毎にずたっずたにされます。 これだけでもすでに元とはぜんぜん違う物になっているのにさらにA/D→D/A変換の前後に訳分からんフィルター回路まで入ってきます。 こんな感じでA/D→D/A変換の規格自体に問題があります。 でこのあたりを考慮した新規格がスパーCDってヤツなんですが、まだ聴いたことがありません。とりあえず現在のPCM変調方式よりは理に適っています。

要するにCDDAとはデータ自体はデジタルで収録されていても規格的に問題がありありなのでデジタルならではの再現性は無いということです。 そんなわけで、目的に合わせてメディアはチョイスしましょう。